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第2章
第45話 市場で買い食い
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「大丈夫だよ。兄様。」
僕は胸を張って言ってみせるんだけど、兄様はちょっと不安顔だ。
「兄様、普通に市場を見れるだけでも楽しみなので、変な場所にまでは行かないよ。」
「そうだね。でも、市場は初めてだから、気がついたら路地裏に迷い込んだりもするかもしれないから、気をつけなくちゃいけないよ」
「はあい」
貴族街で買い物をした時より、兄様は大分、用心深くなっているようだ。
まあ、人がごちゃごちゃと沢山居るところだから、スリとかもいるだろうし、気をつけなきゃね。
馬車から伝わる石畳の振動が、粗い。砂利の上を通っているみたいな音がする。
市民街の大通りも石畳になっているけれど、貴族街ほど整っていないみたいだ。
大きな通りを、道なりに沿って進み、一度左折と右折をしたくらいで、市場近くに着いたようだ。
曲がるところだけ覚えておけば、道に迷っても大丈夫そうだね。あ、はぐれたら絶対怒られるね。
まだ朝早いけれど、市場は賑わっていた。
木を組み立てて作られた台の上に野菜や果物がずらりと並べられている。
辺境のエルストベルクの領地では、見かけないような果物もある。風に乗ってほんのり甘い香りがする。
賑わっている市場の様子も、記憶の中の光景と似ている気がするけど、市場ってみんなこんな感じだし
屋台とかは、時々入れ替わっているだろうから、いつも同じ光景というわけではないんで、特に確証とかは持てないんだよね。
お芋のような物を焼いて、売っているお店があった。厚めにスライスしたサツマイモ鉄板で焼いて、塩を振っているようだ。
僕が欲しいというと、兄様が一つ買ってくれた。紙袋に熱々のがいくつか放り込まれている。
つまんでみると、思ったより甘くない。けど、熱々でなかなか美味しい。
「熱っ、でも美味しいです。兄様」
「ソーマ、お土産かと思ったら、もう食べるんだね‥‥」
「だって、熱々が美味しそうですよ」
僕が、お芋の入った袋を兄様に差し出すと、兄様はちょっと戸惑った顔をした。それから、ちょっと考えてから手でつまんで、口の中に放り込んだ。
「熱っ」
「熱いでしょ」
「ふふっ、こうやって食べるのも美味しいね。野営みたいだ」
そう言えば、普段はナイフとフォークで食べているんだった。辺境では、父様が狩りに行くときに時々連れて行ってもらって、野営で食事をすることがあるんだけど
そのときは、川で獲った魚を串に刺して焼いてそのまま食べたりとかは、しているんだよね。
お芋は、熱々がいいのでお土産には向かないから、食べてしまうことにして、ドライフルーツとかナッツとかを、お土産用に買ってみた。
野菜売り場の先には、食器とかお鍋を売っているお店が並んでいる。
陶器のお皿とかはあるけれど、磁器の食器はないみたい。
金属のカップを見つけた。野営とかで使ったら便利そうだな。
「兄様、あの金属のカップ、野営に持って行くのに良さそうだよ。割れないし。」
「そうだね。でもソーマが使うには大きすぎない?」
確かに小さめのビールジョッキくらいあるんだよね。
「僕が使うとかでなく、父様とか‥‥。でも、お茶飲むのにはもうちょっと小さい方がいいかな」
市場で並んでいる食器は、数がそろっているわけでない物が多くて、金属のカップも、ジョッキ大のものが、2つくらい並んでいるだけだった。
野営だったら、人数分合った方がいいし、叔父様の商会で、用意してもらうほうがいいかもね。
お鍋とかの調理器具が合ったので、調理用の魔道具もあるかなと思ったけど、魔道具はここにはないそうだ。
結局食器類は見ただけで先に進んだ。
僕は胸を張って言ってみせるんだけど、兄様はちょっと不安顔だ。
「兄様、普通に市場を見れるだけでも楽しみなので、変な場所にまでは行かないよ。」
「そうだね。でも、市場は初めてだから、気がついたら路地裏に迷い込んだりもするかもしれないから、気をつけなくちゃいけないよ」
「はあい」
貴族街で買い物をした時より、兄様は大分、用心深くなっているようだ。
まあ、人がごちゃごちゃと沢山居るところだから、スリとかもいるだろうし、気をつけなきゃね。
馬車から伝わる石畳の振動が、粗い。砂利の上を通っているみたいな音がする。
市民街の大通りも石畳になっているけれど、貴族街ほど整っていないみたいだ。
大きな通りを、道なりに沿って進み、一度左折と右折をしたくらいで、市場近くに着いたようだ。
曲がるところだけ覚えておけば、道に迷っても大丈夫そうだね。あ、はぐれたら絶対怒られるね。
まだ朝早いけれど、市場は賑わっていた。
木を組み立てて作られた台の上に野菜や果物がずらりと並べられている。
辺境のエルストベルクの領地では、見かけないような果物もある。風に乗ってほんのり甘い香りがする。
賑わっている市場の様子も、記憶の中の光景と似ている気がするけど、市場ってみんなこんな感じだし
屋台とかは、時々入れ替わっているだろうから、いつも同じ光景というわけではないんで、特に確証とかは持てないんだよね。
お芋のような物を焼いて、売っているお店があった。厚めにスライスしたサツマイモ鉄板で焼いて、塩を振っているようだ。
僕が欲しいというと、兄様が一つ買ってくれた。紙袋に熱々のがいくつか放り込まれている。
つまんでみると、思ったより甘くない。けど、熱々でなかなか美味しい。
「熱っ、でも美味しいです。兄様」
「ソーマ、お土産かと思ったら、もう食べるんだね‥‥」
「だって、熱々が美味しそうですよ」
僕が、お芋の入った袋を兄様に差し出すと、兄様はちょっと戸惑った顔をした。それから、ちょっと考えてから手でつまんで、口の中に放り込んだ。
「熱っ」
「熱いでしょ」
「ふふっ、こうやって食べるのも美味しいね。野営みたいだ」
そう言えば、普段はナイフとフォークで食べているんだった。辺境では、父様が狩りに行くときに時々連れて行ってもらって、野営で食事をすることがあるんだけど
そのときは、川で獲った魚を串に刺して焼いてそのまま食べたりとかは、しているんだよね。
お芋は、熱々がいいのでお土産には向かないから、食べてしまうことにして、ドライフルーツとかナッツとかを、お土産用に買ってみた。
野菜売り場の先には、食器とかお鍋を売っているお店が並んでいる。
陶器のお皿とかはあるけれど、磁器の食器はないみたい。
金属のカップを見つけた。野営とかで使ったら便利そうだな。
「兄様、あの金属のカップ、野営に持って行くのに良さそうだよ。割れないし。」
「そうだね。でもソーマが使うには大きすぎない?」
確かに小さめのビールジョッキくらいあるんだよね。
「僕が使うとかでなく、父様とか‥‥。でも、お茶飲むのにはもうちょっと小さい方がいいかな」
市場で並んでいる食器は、数がそろっているわけでない物が多くて、金属のカップも、ジョッキ大のものが、2つくらい並んでいるだけだった。
野営だったら、人数分合った方がいいし、叔父様の商会で、用意してもらうほうがいいかもね。
お鍋とかの調理器具が合ったので、調理用の魔道具もあるかなと思ったけど、魔道具はここにはないそうだ。
結局食器類は見ただけで先に進んだ。
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