上 下
43 / 466
第2章

第43話 プティ式鑑定

しおりを挟む
うわ、なんだこれ」

小さい物置くらいの大きさの四角い空間があった。床に、ペンと猫じゃらしが落ちている。
入った方を振り向くと、半透明の渦がある。
半透明の渦に飛び込むと、ちゃんと外に出る事ができた。

「なんか、倉庫っぽかった」
(ストレージルームにゃん)
「そのまんまか」

僕が完全に中に入ると、外からは渦も見えなくなるらしい。
今度はプティも連れて入ってみる。
天井は低くて僕の身長で立ってギリギリの高さだった。

(魔力をアップしたらもっと広くなるにゃん。熟練度をアップしたら、物はちゃんと収納棚に入るにゃん)

今だと、空間が一つで、ペンとか猫じゃらしが転がったままだもんね。熟練度があがってきたら、ルームと別の棚に入って、時間停止とかにもできるんだって。

「この位でも結構物が入るよね。領地から王都まで来たときの荷物くらいは、入っちゃうよ」
(敵が襲ってきたときに、逃げ込めるくらいには広くないとダメにゃん)
「え、敵が襲ってくる想定?フラグ?」
(颯真ニャンと一緒にいたいニャン。危険なことから、逃れられる準備はしておくにゃん)
「そんなに心配しなくても大丈夫だと思うけどな」
(颯真ニャン、早死にしてるニャン)
「うう‥‥。そうだね‥‥。」

前世では、別に敵が襲って来たわけではなかったんだけどね。まあ、早死にするとも思ってなかったのに早死にしちゃったし、気をつけろと言われるのは仕方ないのかな。

熟練度も魔力も使っていると増えて行くらしい。
魔力は沢山使った方が、総量が増えて行くんだって。

「そういえば」

鑑定もくれたって言ってたな。
ペンを手にとって、鑑定と念じてみる。

ーーーーぺん、にゃ

うん。見たまんまだね。しかも、猫語尾だ。
猫じゃらしを見てみる。

ーーーー猫じゃらし、にゃ。お気に入りニャ。

鑑定結果にプティの意見が入ってた。
自分を鑑定してみたら、魔力量とか見られるのかな。
手を目の前に持ってきて、鑑定をしてみた。

ーーーー颯真ニャンの手、にゃ。大好きニャ。

‥‥うん、ありがとう。

「‥‥、プティ、鑑定も沢山使うと熟練度が上がって詳しくなるの?」
(そうにゃ。熟練度によって説明が増えるにゃ。)
「なるほど、じゃあ、こまめに使ってみないとね」
(そうにゃ、熟練度が上がれば、毒も食べる前に気づくにゃ)
「え、毒を盛られる想定?」
(気をつけるにこした事ないにゃ)
「そうだねー」

毒フラグ?って、ちょっとドキドキするけど
鑑定もストレージルームも、プティからしたら、僕を守る為なんだなぁ、と考えるとほっこりする。
しばらくの間、プテイをなでてから、ストレージルームの外にでた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

元おっさんは異世界を楽しむ

たまゆら
ファンタジー
不慮の事故によって死んだ須藤ナイト(45)は16歳に若返って新たな世界に転移する。 早々に人狼の幼女達と出会ったナイトは、とりあえず幼女の村で世話をしてもらうことになる。 と、思いきや、幼女の村に強大なモンスターが襲撃してきて……。 そんなドタバタな始まりを迎えるも、元おっさんの異世界生活は順調です!

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

幼馴染みが婚約者になった

名無しの夜
ファンタジー
 聖王なくして人類に勝利なし。魔族が驚異を振るう世界においてそう噂される最強の個人。そんな男が修める国の第三王子として生まれたアロスは王家の血筋が絶えないよう、王子であることを隠して過ごしていたが、そんなアロスにある日聖王妃より勅命が下る。その内容は幼馴染みの二人を妻にめとり子供を生ませろというもの。幼馴染みで親友の二人を妻にしろと言われ戸惑うアロス。一方、アロスが当の第三王子であることを知らない幼馴染みの二人は手柄を立てて聖王妃の命令を取り消してもらおうと、アロスを連れて旅に出る決心を固める。

【北の果てのキトゥルセン】 ~辺境の王子に転生したので、まったり暮らそうと思ったのに、どんどん国が大きくなっていく件について~

次元謄一
ファンタジー
タイトル変更しました→旧タイトル 「デッドエンドキングダム ~十五歳の魔剣使いは辺境から異世界統一を目指します~」 前世の記憶を持って生まれたオスカーは国王の落とし子だった。父の死によって十五歳で北の辺境王国の統治者になったオスカーは、炎を操る魔剣、現代日本の記憶、そしてなぜか生まれながらに持っていた【千里眼】の能力を駆使し、魔物の森や有翼人の国などを攻略していく。国内では水車を利用した温泉システム、再現可能な前世の料理、温室による農業、畜産業の発展、透視能力で地下鉱脈を探したりして文明改革を進めていく。 軍を使って周辺国を併合して、大臣たちと国内を豊かにし、夜はメイド達とムフフな毎日。 しかし、大陸中央では至る所で戦争が起こり、戦火は北までゆっくりと、確実に伸びてきていた。加えて感染するとグールになってしまう魔物も至る所で発生し……!? 雷を操るツンデレ娘魔人、氷を操るクール系女魔人、古代文明の殺戮機械人(女)など、可愛いけど危険な仲間と共に、戦乱の世を駆け抜ける! 登場人物が多いので結構サクサク進みます。気軽に読んで頂ければ幸いです。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

【完結】猫化の呪い持ちを隠して嫁がされたのに何故か溺愛されています!

長船凪
恋愛
ヴィルシュテッター帝国、ゼーネフェルダ子爵家の長女にとして生まれたエリアナ・ド・ゼーネフェルダ。 満月の晩に獣に変身する(猫耳に尻尾を持つ姿)呪い持ちの子爵令嬢。 旦那様は竜族の血を引子孫のゴードヘルフ・ラ・クリストロ小公爵。 そこに嫁ぎ、子を産むと早死にすると世間では恐れられていた。 今の公爵夫人は再婚で二人目。 呪い持ちを隠して輿入れさせられたのは、父が事業に失敗したあげく、カジノで起死回生を狙うも失敗し、借金が増えた為。 そんな中、不意に届けられた竜族の血を引く一族の末裔、クリストロフ公爵家からの子爵家への求婚状。 何故か子爵家の令嬢なら誰でも良いような書き方で、しかし結婚支度金が多く、金に目が眩んだ子爵は即、娘を売り飛ばすことにした。 しかし、満月の夜にケモ耳っ娘に変身する呪い持ちのエリアナだったが、実はある特殊な権能があった。その権能はデメリットつきではあるが、夢の中の図書館にて異世界の記録、物語、知識等を得られるものであった。 *カクヨム等で先行投稿しています。

召喚されたけど不要だと殺され、神様が転生さしてくれたのに女神様に呪われました

桜月雪兎
ファンタジー
召喚に巻き込まれてしまった沢口香織は不要な存在として殺されてしまった。 召喚された先で殺された為、元の世界にも戻れなく、さ迷う魂になってしまったのを不憫に思った神様によって召喚された世界に転生することになった。 転生するために必要な手続きをしていたら、偶然やって来て神様と楽しそうに話している香織を見て嫉妬した女神様に呪いをかけられてしまった。 それでも前向きに頑張り、楽しむ香織のお話。

【完結】冒険者になる!え?クマさんも一緒だよ?〜魔力が少ない少年の思考錯誤冒険記録〜

Ria★発売中『簡単に聖女に魅了〜』
ファンタジー
【あらすじ】  魔力が少なく、自分で攻撃魔法を放つ事が出来ない落ちこぼれ。  自分には、剣の才能も魔法士の才能もない。  文官になれる程の頭脳もない。  自分には何が出来るか模索する。  そこで見つけたのが魔法陣を描くことだった。  自分で描いた魔法陣を駆使して、狩りをして行く物語。  ※戦うクマさん  ※クマさんは保護者  ※設定ふんわり  ※独自設定あり  ※ご都合主義  ※R15は保険  ◇◇◇ 【HOT女性向けランキングに載りました!ありがとうございます♪】  2022.9.01 100位  2022.9.02 97位 → 86位 → 77位  2022.9.03 67位 → 65位

処理中です...