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第2章
第42話 転生者セット
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屋敷に戻ってから、部屋でプティと遊ぶ。
猫じゃらしっぽい物を作って、ぱたぱたと振ると、プティが、ふりふりとお尻を少し振った後に飛びついてくる。
ころころと転がって、寝転んだまま、前足でがしっと捕まえて、後ろ足でがんがん蹴ったりしている。可愛い。
しばらく遊んだ後、毛繕いをしていたプティが、ふと思い出したように言った。
(そういえば、さっき、神力があがって、加護増やせるレベルになったにゃん。颯真ニャン、転生者セットをもってるかにゃん?)
(転生者セット?)
(言語理解、鑑定、アイテムボックスにゃん)
(え、それ、お約束的なやつ。転生者ッて必ずもらえるの?)
(必ずではないにゃん。でも神力があがったから颯真ニャンにはあげたいにゃん)
(そうなの?ありがとう。あ、でも、言葉は既にわかるから、言語理解は不要だと思うよ)
(にゃー?せっかくあげようと思ったにゃのに‥‥、にゃら他をグレードアップするニャン)
プティは、前足を伸ばして、僕の手の上においた。ひんやりとした肉球の感触がしたかと思ったら、急鵜に熱くなり何か流れ込んできた。
以前、公園で赤い石を触ったときみたいな感じだ。
(鑑定とストレージルームにゃ)
(ストレージルーム?)
(中にはいれるやつにゃ。使ってみるにゃ)
そういわれてもどうやって使うんだろう、と考えてたら、なんだか使えるような気がした。頭の中にスイッチみたいな物があって、それを押したら発動出来るような気がしたんだ。
念じてみたら、ぼわん、と近くに半透明の渦のような物が浮かび上がった。
入り口、なのかな。
近くにペンがあったので、渦の中にペンを差し込んでみる。ペンが渦の中に入って行く。引き出して、ペンを見てみたけれど、特に変わった様子はない。
(大丈夫にゃ)
プテイがそういうので、思い切って手を突っ込んでみた。手が渦の中に消えて行く。渦の向こうの空間は、何も入っていないような感じがした。
手を引き出してみたけど、特になんともなっていない。
今度はペンを渦の中に入れてみてから、手を突っ込んでみた。ペンが入っているってわかる。ペンを出そうとしたら、手は渦の中のまま、ペンだけ渦から飛び出してきた。
「あれ?」
もう一度、ペンを渦の中に入れてみて、ペンを探すように念じた。ペンをつかんだ感触を確かめてから、引き出してみる。
今度は、ペンを持って渦から出す事ができた。
(手で出し入れしなくても良いようにできてるにゃ。でも、コントロールを間違うと、勝手に飛び出してくるから気をつけるニャ)
「そうか、街中とかで、ぽんっと出てきたら困るよね」
練習しないといけないね。
僕は、練習用に、またペンや、猫じゃらしを渦の中に入れていると、その様子をながめていたプティが言った。
(中に入らないにゃん?)
「え?」
(中に入れるにゃん)
「そうなの?」
そういえば、アイテムボックスじゃなくて、ストレージルームとか言っていた?
僕は、渦の中に手を差し入れて、そのままぐっと肩まで入れてみた。中に入れるような気がする。片足を突っ込んでみて、それから思い切って頭も突っ込んで中に入ってみた。
猫じゃらしっぽい物を作って、ぱたぱたと振ると、プティが、ふりふりとお尻を少し振った後に飛びついてくる。
ころころと転がって、寝転んだまま、前足でがしっと捕まえて、後ろ足でがんがん蹴ったりしている。可愛い。
しばらく遊んだ後、毛繕いをしていたプティが、ふと思い出したように言った。
(そういえば、さっき、神力があがって、加護増やせるレベルになったにゃん。颯真ニャン、転生者セットをもってるかにゃん?)
(転生者セット?)
(言語理解、鑑定、アイテムボックスにゃん)
(え、それ、お約束的なやつ。転生者ッて必ずもらえるの?)
(必ずではないにゃん。でも神力があがったから颯真ニャンにはあげたいにゃん)
(そうなの?ありがとう。あ、でも、言葉は既にわかるから、言語理解は不要だと思うよ)
(にゃー?せっかくあげようと思ったにゃのに‥‥、にゃら他をグレードアップするニャン)
プティは、前足を伸ばして、僕の手の上においた。ひんやりとした肉球の感触がしたかと思ったら、急鵜に熱くなり何か流れ込んできた。
以前、公園で赤い石を触ったときみたいな感じだ。
(鑑定とストレージルームにゃ)
(ストレージルーム?)
(中にはいれるやつにゃ。使ってみるにゃ)
そういわれてもどうやって使うんだろう、と考えてたら、なんだか使えるような気がした。頭の中にスイッチみたいな物があって、それを押したら発動出来るような気がしたんだ。
念じてみたら、ぼわん、と近くに半透明の渦のような物が浮かび上がった。
入り口、なのかな。
近くにペンがあったので、渦の中にペンを差し込んでみる。ペンが渦の中に入って行く。引き出して、ペンを見てみたけれど、特に変わった様子はない。
(大丈夫にゃ)
プテイがそういうので、思い切って手を突っ込んでみた。手が渦の中に消えて行く。渦の向こうの空間は、何も入っていないような感じがした。
手を引き出してみたけど、特になんともなっていない。
今度はペンを渦の中に入れてみてから、手を突っ込んでみた。ペンが入っているってわかる。ペンを出そうとしたら、手は渦の中のまま、ペンだけ渦から飛び出してきた。
「あれ?」
もう一度、ペンを渦の中に入れてみて、ペンを探すように念じた。ペンをつかんだ感触を確かめてから、引き出してみる。
今度は、ペンを持って渦から出す事ができた。
(手で出し入れしなくても良いようにできてるにゃ。でも、コントロールを間違うと、勝手に飛び出してくるから気をつけるニャ)
「そうか、街中とかで、ぽんっと出てきたら困るよね」
練習しないといけないね。
僕は、練習用に、またペンや、猫じゃらしを渦の中に入れていると、その様子をながめていたプティが言った。
(中に入らないにゃん?)
「え?」
(中に入れるにゃん)
「そうなの?」
そういえば、アイテムボックスじゃなくて、ストレージルームとか言っていた?
僕は、渦の中に手を差し入れて、そのままぐっと肩まで入れてみた。中に入れるような気がする。片足を突っ込んでみて、それから思い切って頭も突っ込んで中に入ってみた。
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