自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第35話 威力マシマシ

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んなに魅了をまき散らしているって、なんか怖い。
それに法務院の人たちまで味方につけているなんて。

僕が不安そうにしていたのが伝わってしまったのか、叔父さんが、僕の頭に手を置いて微笑んだ。

「大丈夫だよ。原因が分かって、対策する道具もあるんだからね。」

父様と叔父様は、その後作戦を話合うというので、僕は、『改良版・転写君』と『霧すっきり君』と、『すっきり快適さん』を預けて部屋に戻った。

魔道具の名前を教えてあげたら、父様も叔父様も微妙な顔をしていた。

聖水の霧を吹き出す『霧すっきり君』と、魅了を解除するディスペルの魔道具『すっきり快適さん』だけど、名前がちょっと被ってるのがよくなかったのかな。

でも、機能は似てるしね!

色々心配だけど、父様と叔父様なら、きっと大丈夫だと思うし、何か魔道具で助けられる事は頑張るし、何とかなるだろうと思う事にして
翌朝も、兄様と一緒に公園に行った。

(颯真ニャン。神力の上昇が順調ニャン。今日は、病気耐性をつけとくにゃん)
(ありがとう。グッズが、広まってきたのかな)
(そうにゃ。みんながプテイを思い浮かべてお祈りしてくれたニャン。)
(よかったねー)

(神力がついてきたので、ちょっと颯真ニャンのお手伝いが出来るかもしれないニャン)
(ん?お手伝いって)
(『霧すっきり君』が使われるとき、威力マシマシにしとくにゃん)
(おお‥‥。ありがとう。よろしく‥‥)

聖水が台風みたいに吹き荒れるところを想像したけれど、そんなことにはならないよね。

その日は、父様も叔父様と一緒に出かけて行った。

帰りは夜遅かったみたいで、父様がいつ帰宅したのかわからなかった。

朝になって、また公園に行こうとしたら、叔父様がいた。泊まったのかな。朝早くきたのかな。

「ソーマ、おはよう!」

叔父様は、僕をハグしてから、僕の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「エミリア嬢の件は解決したよ。ソーマの魔道具が大活躍だったよ。」
「本当?」

いきなりの、大進展だった。

父様と叔父様は学園長と一緒に、昨日、国王陛下と王妃様に謁見しに行ったんだって。

事前にプティの化粧水を献上していて、王妃様がすごく喜んでいたので、謁見の申し込みもお話もスムーズ進んだそうだ。

『改良版・転写君』で、転写した映像を見せて、エミリア嬢は、何も悪い事はしていない事を説明した後に、アクセサリー店に魅了の魔石のアクセサリーがあった件と、同じ種類のものを、カタリーナ嬢が使っている可能性がある事を伝えたんだって。

追加で、学園の映像を解析したときに、カタリーナ嬢が教科書を切り刻んだり、ドレスに自分でワインをかけたりしている映像も見つかっていて、それも見せたので、説得力があったみたい。

それと法務院の職員が、魅了の影響を受けている可能性が高いという話をして、対応を相談したんだそうだ。

国王陛下は、ウーノ王子を、呼び出して、エミリア嬢とカタリーナ嬢の話をしたら、
ウーノ王子が、証拠の映像を見ても、カタリーナ嬢を擁護するのを見て、魅了の可能性を確認したんだって。

それで、用意していた『霧すっきり君』を発動させたら、一気に霧がウーノ王子を包み込むように流れていって、霧が消えたと思ったら、王子の様子が変わったんだそうだ。

念の為、聖水も飲んだそうだけど、霧だけで、ほぼすっきり魅了解除されていたみたいだったって。

プティが威力マシマシにしてくれたおかげだね。
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