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第19話 現場映像
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叔父様は、僕が描いたプティーのイメージ画と、魔法陣を持って、帰っていった。
本当は、出来上がった試作のリップクリームや化粧水を商会に持ち帰りたかったようなのだけど、
一度販売したものを取り上げるのかと、母様の反対にあって、あきらめたっぽい。
明日、ベースにする化粧水とリップクリームを持って、また来るといっていた。
何となく、以前、化粧水を提案したときに、叔父様が「化粧水はやばい」と言った意味が少しわかった気がする。
化粧品が絡むと、母様も、まだ10歳の姉様も、6歳のマーリエまでもが、なんだかテンション爆上がりなんだ。
女性の関心がすごく強いということは、プティの神力を高めるのに効果がありそうだけど、気をつけないといけないよね。
翌朝、また叔父様がやってきた。
プティグッズの、リップクリーム、化粧水、腕輪は、デザインを決めたら製造を開始することになったそうだ。
これでプティの神力があがりそうだね。
父様と兄様も、応接室に集まってきた。
「マーカス、こんなに朝早く来るってことは、何か進展があったのか」
「ソーマがとっても早く魔法陣をつくってくれたからね。」
ソファーに腰を下ろした叔父様は、紅茶をゆっくりと飲んでから、話し始めた。
「階段転落事件の、現場の映像がみつかったよ。
男爵令嬢は階段を落ちていったが、エミリア嬢は少しも触れていないし、動いていなかった。
男爵令嬢が、一人で、階段から落ちていったのが映っていたよ。
その後、王子や側近が駆けつけると、男爵令嬢が、急に、エミリア嬢を指差して騒ぎ始めた。
エミリア嬢が突き落したかのように叫んでいたよ」
叔父様が苦笑する。
「それじゃあ、エミリア嬢は釈放されるの?」
「そう思うよ。学園長が、映像を転写した魔石を、法務院に提出にいったよ。
学園長がすごく喜んでいたよ。
解析が、思った以上に早くてびっくりしたって言ってた。」
「よろこんでくれたならよかったね」
僕は嬉しくなって、ニコニコしていたんだけど、父様はちょっと難しい顔をしていた。
「男爵令嬢が、国の王子を巻き込んで、公爵令嬢を嵌めたってことになるね。これはこれで問題になりそうだ」
「そうですね‥‥。」
叔父様もなんだか、考え込んでいるみたいだった。
父様と叔父様だけで、通じ合っているように見えた。僕は兄様の袖をちょいと引っ張った。
兄様は、僕の方に顔を向けて、それからちらりと、父様と叔父様の方を見た。
「ソーマ、僕らが聞いちゃ行けないような話があるのかもしれないよ」
「うーん、今度は男爵令嬢がつかまっちゃうってこと?」
「ソーマ」
ポフっと、兄様が僕の頭に手を置いた。父様が言う。
「まだそうなると決まってないことを言ってしまうと、問題になることがあるんだよ。貴族だからね」
名誉を傷つけられたって訴えられちゃうかもしれないから、他所で言わないように気をつけるんだよ、兄様と僕に向って注意をする。
勝手に犯人と決めつけて発言をするとまずいってことか。
それなら、公爵令嬢を訴えた王子もまずいんじゃないの?
‥‥うん、難しくなりそうなことは、そうっとしておこう。時間が経てば結果はわかることだし。
学園長から支払われる解析の魔道具の謝礼は、僕にも支払ってくれるらしい。
口座に入れておいてくれるんだって。公爵家からも謝礼がでるかもしれないけれど、それはまだ決まっていないと言っていた。
何にせよ、解決してよかった。
と、そのときはそう思っていたんだ。
本当は、出来上がった試作のリップクリームや化粧水を商会に持ち帰りたかったようなのだけど、
一度販売したものを取り上げるのかと、母様の反対にあって、あきらめたっぽい。
明日、ベースにする化粧水とリップクリームを持って、また来るといっていた。
何となく、以前、化粧水を提案したときに、叔父様が「化粧水はやばい」と言った意味が少しわかった気がする。
化粧品が絡むと、母様も、まだ10歳の姉様も、6歳のマーリエまでもが、なんだかテンション爆上がりなんだ。
女性の関心がすごく強いということは、プティの神力を高めるのに効果がありそうだけど、気をつけないといけないよね。
翌朝、また叔父様がやってきた。
プティグッズの、リップクリーム、化粧水、腕輪は、デザインを決めたら製造を開始することになったそうだ。
これでプティの神力があがりそうだね。
父様と兄様も、応接室に集まってきた。
「マーカス、こんなに朝早く来るってことは、何か進展があったのか」
「ソーマがとっても早く魔法陣をつくってくれたからね。」
ソファーに腰を下ろした叔父様は、紅茶をゆっくりと飲んでから、話し始めた。
「階段転落事件の、現場の映像がみつかったよ。
男爵令嬢は階段を落ちていったが、エミリア嬢は少しも触れていないし、動いていなかった。
男爵令嬢が、一人で、階段から落ちていったのが映っていたよ。
その後、王子や側近が駆けつけると、男爵令嬢が、急に、エミリア嬢を指差して騒ぎ始めた。
エミリア嬢が突き落したかのように叫んでいたよ」
叔父様が苦笑する。
「それじゃあ、エミリア嬢は釈放されるの?」
「そう思うよ。学園長が、映像を転写した魔石を、法務院に提出にいったよ。
学園長がすごく喜んでいたよ。
解析が、思った以上に早くてびっくりしたって言ってた。」
「よろこんでくれたならよかったね」
僕は嬉しくなって、ニコニコしていたんだけど、父様はちょっと難しい顔をしていた。
「男爵令嬢が、国の王子を巻き込んで、公爵令嬢を嵌めたってことになるね。これはこれで問題になりそうだ」
「そうですね‥‥。」
叔父様もなんだか、考え込んでいるみたいだった。
父様と叔父様だけで、通じ合っているように見えた。僕は兄様の袖をちょいと引っ張った。
兄様は、僕の方に顔を向けて、それからちらりと、父様と叔父様の方を見た。
「ソーマ、僕らが聞いちゃ行けないような話があるのかもしれないよ」
「うーん、今度は男爵令嬢がつかまっちゃうってこと?」
「ソーマ」
ポフっと、兄様が僕の頭に手を置いた。父様が言う。
「まだそうなると決まってないことを言ってしまうと、問題になることがあるんだよ。貴族だからね」
名誉を傷つけられたって訴えられちゃうかもしれないから、他所で言わないように気をつけるんだよ、兄様と僕に向って注意をする。
勝手に犯人と決めつけて発言をするとまずいってことか。
それなら、公爵令嬢を訴えた王子もまずいんじゃないの?
‥‥うん、難しくなりそうなことは、そうっとしておこう。時間が経てば結果はわかることだし。
学園長から支払われる解析の魔道具の謝礼は、僕にも支払ってくれるらしい。
口座に入れておいてくれるんだって。公爵家からも謝礼がでるかもしれないけれど、それはまだ決まっていないと言っていた。
何にせよ、解決してよかった。
と、そのときはそう思っていたんだ。
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