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第32章 瑛太11
第295話 課題
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緒方さんの言葉に俺は少し考えた事があった。
最近、こちらでの生活は順調だ。種から育てた農作物は立派に収穫できるようになったし。
食生活も豊かになった。道具類も皆んなで色々作るようになって、日本での生活と比べると違うけど、結構不自由なくやっていけるようになっている。
最近、それで結構満足してしまっていた。
このまま、日本に帰ることが出来ないなら、今の生活は悪くないかもしれない。
でも、日本に住む家族と連絡が取れるようになったり、奇跡的な出来事が起きているんだ。帰る手段だって見つかるかもしれないじゃないか。
考えてみたら、隣の国で召喚されてから、必死で逃げて、それから生活が出来るように頑張ってきたけど、戻る方法があるかどうか模索したりしていなかった。
戻りたくなかったからというわけじゃない。日々のことで頭が一杯だったんだよな。
戻る方法があるかどうかわからない。だけど、何もしないでいいのだろうか。
「そうか‥‥。何か調べたら、日本に帰る方法だって見つかるかもしれない。」
「え?帰る?」
俺がつぶやくと、隣で藍ちゃんがびっくりした声を上げた。緒方さん達が俺達の方を見た。
「どうした?何かすごい発見か?帰るって、まさか‥‥。」
「いや、何も発見できてません。すみません。‥‥帰る方法があるかどうかも調べてなかったなって思いついただけで。」
緒方さんが期待したみたいな目で俺をみたので、ちょっと申し訳ない気持ちになって頭を下げた。
緒方さんは、「ああ。」と納得した様子で口元に笑みを浮かべた。
「ライアンさんに聞いてみたことはあるよ。あの召喚魔法陣を使ったら、日本に帰ることはできないのかって。」
「え!?」
「そもそも仕組みがよくわからないってさ。」
「魔法陣をじっくりみたらわかるんですかね。」
「あっちの国にあるんだし、近づけないだろ。」
緒方さんがそういうと、江角さんが何か思いついたように言う。
「あれって古代遺跡なんだろ。他の場所に似たようなものはないのかな。」
「ええー。‥‥どうなんだろう‥‥。ライアンさんに聞いてみる?」
スマホのバッテリー検証の話から、魔法陣のある神殿に話題が移ってしまった。
柄舟さんは、手元の紙に何か書き込んでいた。
「バッテリーの検証、神殿の情報収集。国境近くの街に残っている人達の状況確認。今のところは、このくらいか?検討できそうなことだけど。」
「そうだな。何か思いついたら追加するか。」
議事録というか、課題リストみたいなものを書き出していたようだ。
誰が担当するかとか、表みたいなものになった。
「バッテリーの残量は各自メモを取るとしても、それをまとめる係がいた方が良いだろ。
後は、神殿情報は、ライアンさんに聞きにいくのと、何か文献があるなら、手分けして調べるとかだね。」
「ああ、じゃあ、バッテリーの検証のまとめは、俺やります。」
「私も。」
俺と藍ちゃんがバッテリー検証結果をまとめる担当になり、緒方さんと江角さんが神殿のことをライアンさんに聞きにいくことになった。
柄舟さんは、国境近くに向かう商団に同行できるかの確認に行くそうだ。
行くかどうかはまだ決まっていないけど、そもそも馬車の席に余裕があるかもわからないからそれの確認だ。
最近、こちらでの生活は順調だ。種から育てた農作物は立派に収穫できるようになったし。
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最近、それで結構満足してしまっていた。
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でも、日本に住む家族と連絡が取れるようになったり、奇跡的な出来事が起きているんだ。帰る手段だって見つかるかもしれないじゃないか。
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「そうか‥‥。何か調べたら、日本に帰る方法だって見つかるかもしれない。」
「え?帰る?」
俺がつぶやくと、隣で藍ちゃんがびっくりした声を上げた。緒方さん達が俺達の方を見た。
「どうした?何かすごい発見か?帰るって、まさか‥‥。」
「いや、何も発見できてません。すみません。‥‥帰る方法があるかどうかも調べてなかったなって思いついただけで。」
緒方さんが期待したみたいな目で俺をみたので、ちょっと申し訳ない気持ちになって頭を下げた。
緒方さんは、「ああ。」と納得した様子で口元に笑みを浮かべた。
「ライアンさんに聞いてみたことはあるよ。あの召喚魔法陣を使ったら、日本に帰ることはできないのかって。」
「え!?」
「そもそも仕組みがよくわからないってさ。」
「魔法陣をじっくりみたらわかるんですかね。」
「あっちの国にあるんだし、近づけないだろ。」
緒方さんがそういうと、江角さんが何か思いついたように言う。
「あれって古代遺跡なんだろ。他の場所に似たようなものはないのかな。」
「ええー。‥‥どうなんだろう‥‥。ライアンさんに聞いてみる?」
スマホのバッテリー検証の話から、魔法陣のある神殿に話題が移ってしまった。
柄舟さんは、手元の紙に何か書き込んでいた。
「バッテリーの検証、神殿の情報収集。国境近くの街に残っている人達の状況確認。今のところは、このくらいか?検討できそうなことだけど。」
「そうだな。何か思いついたら追加するか。」
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◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
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