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第28章 瑛太10
第261話 伝達
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江角さんと柄舟さんと、子供用のケイン君が一緒だった。
「子供用のを作ったぜ。ケイン君が試運転してくれてる。」
「ビューッだよー!」
鍛冶屋のところで修業をしている江角さんと柄舟さんは、自転車だのキックボードだのを作ったりしている。
移動手段が限られているから、徒歩より早く楽に移動出来るキックボードは最近人気だ。
子供用サイズのキックボードを作ると言っていたのが完成したらしい。
テンッと地面を蹴って、スーッと進んでケイン君がご機嫌で笑っている。
ワイちゃんがケイン君の傍に行ってしゃがみ込んだ。
「わぁ!格好いいの作ってもらったね!」
「ん!」
ニッコリ笑ったケイン君は、一度キックボードから降りて、足元のボード部分を指差した。
「ケインの!」
「おお、名前入り~。格好いいね!』
「ん!」
ボード部分にケイン君の名前が書かれていた。最近開発したスライム素材を組み合わせた塗料でペンキみたいに色を出せるようになっていた。
「ワイチャものる?」
「いいの?」
ワイちゃんがケイン君の後ろに立ってキックボードに二人乗りを始めた。
「おーい、危ないぞー。」
「大丈夫ー!」
「ダイジョブ-!」
キックボードのサイズは小さいし、元々二人乗りとかを想定した作りじゃないのだが、はしゃぎながら二人で進んでいた。
キックボードの交通規制とかはないわけだけど、調子に乗って飛ばし始めたりしたら危ない。
今のところはワイちゃんも態と地面に片足をつけているし、ちょこちょこヨタヨタと進むのを楽しんでいるだけみたいだけど。
その光景を見て和んだ後、江角さん達にMOINEの個別メッセージの話を切り出した。
「おお!ホントだ!どうみても、あのときより後のメッセージが届いてる!やべ!誕生日とか!新年の挨拶とか‥‥。」
しっかり携帯を充電し直してから、メッセージを確認していた江角さんの声が段々震えてきていた。
「‥‥誕生日は滲みるよな‥‥。」
柄舟さんもスマホの画面を見つめながらしんみりしていた。
最初の方は頻繁に心配をするメッセージが送られて来ていて、その後は、ポツリポツリと誕生日やら節目に語りかけるようなメッセージが送られて来ていたそうだ。
俺が召還された時には、既に他の県で行方不明事件が何度も起きていたから、家族の受け止め方が違ったのかもしれない。
最初から事件と関連して考えられていたと思う。
でも、江角さん達が召還された頃だと、行方不明になったのが発覚してから「集団家出か?」という捕えられ方もしていた頃があったみたいだから
叱責やら説得やらという感じの文面も沢山送られていたみたいだ。
「‥‥ちょっと文面練ってから返信するわ。元気だってことは伝えたいけどさ。‥‥帰る手段がないって言わないと‥‥。」
「異世界召還されました、って信じてくれるかな。」
江角さんも柄舟さんも返事をどう書くか、迷って手を止めていた。
確かに、今の状況をどうやって説明するのか考え出したら迷うよな。
俺の時は繋がった事自体が訳分からなくて、あまり深く考えずにやり取りしてたけど。
江角さん達も家族からメッセージを受け取ったのが確認できたから、
これで全員ということか。まあ、柊さんはMOINEアプリのアカウントを持っていなかったみたいだから別として。
ピコンと俺の携帯が音を立てた。見るとジェイ兄からメッセージが来ていた。
『尾市君と椎名君は、今も一緒に行動している? 彼らの親御さんが彼らから連絡が来たと言っているそうだ。』
「話はや!」
尾市さんのお母さんが知らせたのは同級生の家族の連絡網のグループじゃなかったっけ。もう、ジェイ兄まで連絡がいっちゃうのか。
俺は、尾市さん達も一緒だということと、一緒に行動している人のうちMOINEアカウントを持っている全員が家族からのメッセージを受け取ったと伝えた。
すると、更にメッセージが届いた。
『多分、こちらはこれから混乱した状態になると思う。誰と一緒という情報を出すのは控えてもらうことは出来るか?』
「一緒に居るっていうとそんなにまずいのか‥‥。」
「子供用のを作ったぜ。ケイン君が試運転してくれてる。」
「ビューッだよー!」
鍛冶屋のところで修業をしている江角さんと柄舟さんは、自転車だのキックボードだのを作ったりしている。
移動手段が限られているから、徒歩より早く楽に移動出来るキックボードは最近人気だ。
子供用サイズのキックボードを作ると言っていたのが完成したらしい。
テンッと地面を蹴って、スーッと進んでケイン君がご機嫌で笑っている。
ワイちゃんがケイン君の傍に行ってしゃがみ込んだ。
「わぁ!格好いいの作ってもらったね!」
「ん!」
ニッコリ笑ったケイン君は、一度キックボードから降りて、足元のボード部分を指差した。
「ケインの!」
「おお、名前入り~。格好いいね!』
「ん!」
ボード部分にケイン君の名前が書かれていた。最近開発したスライム素材を組み合わせた塗料でペンキみたいに色を出せるようになっていた。
「ワイチャものる?」
「いいの?」
ワイちゃんがケイン君の後ろに立ってキックボードに二人乗りを始めた。
「おーい、危ないぞー。」
「大丈夫ー!」
「ダイジョブ-!」
キックボードのサイズは小さいし、元々二人乗りとかを想定した作りじゃないのだが、はしゃぎながら二人で進んでいた。
キックボードの交通規制とかはないわけだけど、調子に乗って飛ばし始めたりしたら危ない。
今のところはワイちゃんも態と地面に片足をつけているし、ちょこちょこヨタヨタと進むのを楽しんでいるだけみたいだけど。
その光景を見て和んだ後、江角さん達にMOINEの個別メッセージの話を切り出した。
「おお!ホントだ!どうみても、あのときより後のメッセージが届いてる!やべ!誕生日とか!新年の挨拶とか‥‥。」
しっかり携帯を充電し直してから、メッセージを確認していた江角さんの声が段々震えてきていた。
「‥‥誕生日は滲みるよな‥‥。」
柄舟さんもスマホの画面を見つめながらしんみりしていた。
最初の方は頻繁に心配をするメッセージが送られて来ていて、その後は、ポツリポツリと誕生日やら節目に語りかけるようなメッセージが送られて来ていたそうだ。
俺が召還された時には、既に他の県で行方不明事件が何度も起きていたから、家族の受け止め方が違ったのかもしれない。
最初から事件と関連して考えられていたと思う。
でも、江角さん達が召還された頃だと、行方不明になったのが発覚してから「集団家出か?」という捕えられ方もしていた頃があったみたいだから
叱責やら説得やらという感じの文面も沢山送られていたみたいだ。
「‥‥ちょっと文面練ってから返信するわ。元気だってことは伝えたいけどさ。‥‥帰る手段がないって言わないと‥‥。」
「異世界召還されました、って信じてくれるかな。」
江角さんも柄舟さんも返事をどう書くか、迷って手を止めていた。
確かに、今の状況をどうやって説明するのか考え出したら迷うよな。
俺の時は繋がった事自体が訳分からなくて、あまり深く考えずにやり取りしてたけど。
江角さん達も家族からメッセージを受け取ったのが確認できたから、
これで全員ということか。まあ、柊さんはMOINEアプリのアカウントを持っていなかったみたいだから別として。
ピコンと俺の携帯が音を立てた。見るとジェイ兄からメッセージが来ていた。
『尾市君と椎名君は、今も一緒に行動している? 彼らの親御さんが彼らから連絡が来たと言っているそうだ。』
「話はや!」
尾市さんのお母さんが知らせたのは同級生の家族の連絡網のグループじゃなかったっけ。もう、ジェイ兄まで連絡がいっちゃうのか。
俺は、尾市さん達も一緒だということと、一緒に行動している人のうちMOINEアカウントを持っている全員が家族からのメッセージを受け取ったと伝えた。
すると、更にメッセージが届いた。
『多分、こちらはこれから混乱した状態になると思う。誰と一緒という情報を出すのは控えてもらうことは出来るか?』
「一緒に居るっていうとそんなにまずいのか‥‥。」
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