244 / 305
第25章 広田4
第243話 湯浴み
しおりを挟む
「個室は一人銀貨4枚か‥‥。」
お婆さんに教えられた通りで、少し古びたこじんまりした宿を見つけた。宿泊費を確認すると最初に見た宿よりは安かった。しかし、他にも安い宿があるかもしれないという気にさせる値段だ。
他も見ようかと顔を見合わせていたら、宿の従業員の小柄で細いお兄さんが提案してきた。
「大部屋はどうです?一人銀貨2枚ですよ。」
「大部屋か‥‥。」
大部屋ということは他の宿泊客と一緒ということだ。今までも泊まった事はあるが、うるさかったり、警戒していたりしないといけないところはあった。
まあ,野宿よりずっとマシなんだが。
どうしようかと顔を見合わせていると、宿のお兄さんが更に勧めて来た。
「いまなら、ちょうど四人部屋の大部屋が空いてますよ。」
「お‥‥?」
追加でベッドを足したりして他の客が入ったりはないらしい。それなら個室と変わらないんじゃないか。
ただ、食堂近くでちょっと周囲が騒がしいかもと言われた。
他にも6人部屋の大部屋があるらしいが、そちらだと他の宿泊客が入る可能性がある。
「家族連れにも人気なんですよねぇ。今なら空いているんですけど。」
「‥‥。」
充分安い料金だし、その部屋に泊まることにした。決して押し切られたわけじゃないぞ。
食事は別料金だったが夕食と朝食が付いて一人銀貨1枚。別々だと夕食は銀貨8枚。朝食が銀貨4枚だという。
ただし、一番低いグレードのメニューの時だそうだ。もっと豪華なメニューもあるらしい。
外に買いに行くと、もう少し安くあがるかもしれないが、そんなに高くはない気がする。それと食事の為に歩き回るより、今は身体を休める方が良い気がした。
大部屋用の部屋に入って見ると2段ベッドが二つ並んでいた。部屋もあまり広くはなかった。
それでも、ずっと気を張っていたから、ゆっくり休める状況というのはホッとする。
顔等を洗う場合、裏庭にある井戸を使って構わないという。
とりあえず、顔を洗う用と飲み水用の水を用意してから、まだ午前中だがそれぞれベッドに横になった。
「昼近くなったら、外に買いに行こう。」
そんな事を言っていたのだが、目が覚めたら日が暮れかけていた。
起きてみたら沢田さんが、窓辺近くに置いた椅子に腰を下ろして窓の外を眺めていた。
岡部さんと秋山さんはまだ眠っていた。
「‥‥凄く眠っちゃったみたいですね。」
「俺もだよ。疲れが溜まってたのも在るけど、ちょっと緊張が解けたのかな。」
「ああ、それはあるかも‥‥。」
岡部さん達が眠っている間に、明日、この先の街に向かう準備の為の買い物にでも行くかと言う話もでたが、眠ったままの二人に何も言わずに出かけるものちょっと気がかりだ。
とりあえず水浴びだとか、荷物の整理だとかをしていることにした。
宿には、シャワールームならぬ、水浴びルームがあった。大きさはシャワールーム程で,水の入った桶を持ち込んで身体を洗うのだ。
井戸水を汲んでくると、武井さんが魔法で湯に変えてくれるので助かる。
水浴びというか湯浴みをしてサッパリとして部屋に戻ってくると、秋山さんが起きて来ていた。空腹で目が覚めたそうだ。
腹は減っていても、湯浴みは魅力的だったらしい。
いそいそと井戸に水を汲みに行っていた。
お婆さんに教えられた通りで、少し古びたこじんまりした宿を見つけた。宿泊費を確認すると最初に見た宿よりは安かった。しかし、他にも安い宿があるかもしれないという気にさせる値段だ。
他も見ようかと顔を見合わせていたら、宿の従業員の小柄で細いお兄さんが提案してきた。
「大部屋はどうです?一人銀貨2枚ですよ。」
「大部屋か‥‥。」
大部屋ということは他の宿泊客と一緒ということだ。今までも泊まった事はあるが、うるさかったり、警戒していたりしないといけないところはあった。
まあ,野宿よりずっとマシなんだが。
どうしようかと顔を見合わせていると、宿のお兄さんが更に勧めて来た。
「いまなら、ちょうど四人部屋の大部屋が空いてますよ。」
「お‥‥?」
追加でベッドを足したりして他の客が入ったりはないらしい。それなら個室と変わらないんじゃないか。
ただ、食堂近くでちょっと周囲が騒がしいかもと言われた。
他にも6人部屋の大部屋があるらしいが、そちらだと他の宿泊客が入る可能性がある。
「家族連れにも人気なんですよねぇ。今なら空いているんですけど。」
「‥‥。」
充分安い料金だし、その部屋に泊まることにした。決して押し切られたわけじゃないぞ。
食事は別料金だったが夕食と朝食が付いて一人銀貨1枚。別々だと夕食は銀貨8枚。朝食が銀貨4枚だという。
ただし、一番低いグレードのメニューの時だそうだ。もっと豪華なメニューもあるらしい。
外に買いに行くと、もう少し安くあがるかもしれないが、そんなに高くはない気がする。それと食事の為に歩き回るより、今は身体を休める方が良い気がした。
大部屋用の部屋に入って見ると2段ベッドが二つ並んでいた。部屋もあまり広くはなかった。
それでも、ずっと気を張っていたから、ゆっくり休める状況というのはホッとする。
顔等を洗う場合、裏庭にある井戸を使って構わないという。
とりあえず、顔を洗う用と飲み水用の水を用意してから、まだ午前中だがそれぞれベッドに横になった。
「昼近くなったら、外に買いに行こう。」
そんな事を言っていたのだが、目が覚めたら日が暮れかけていた。
起きてみたら沢田さんが、窓辺近くに置いた椅子に腰を下ろして窓の外を眺めていた。
岡部さんと秋山さんはまだ眠っていた。
「‥‥凄く眠っちゃったみたいですね。」
「俺もだよ。疲れが溜まってたのも在るけど、ちょっと緊張が解けたのかな。」
「ああ、それはあるかも‥‥。」
岡部さん達が眠っている間に、明日、この先の街に向かう準備の為の買い物にでも行くかと言う話もでたが、眠ったままの二人に何も言わずに出かけるものちょっと気がかりだ。
とりあえず水浴びだとか、荷物の整理だとかをしていることにした。
宿には、シャワールームならぬ、水浴びルームがあった。大きさはシャワールーム程で,水の入った桶を持ち込んで身体を洗うのだ。
井戸水を汲んでくると、武井さんが魔法で湯に変えてくれるので助かる。
水浴びというか湯浴みをしてサッパリとして部屋に戻ってくると、秋山さんが起きて来ていた。空腹で目が覚めたそうだ。
腹は減っていても、湯浴みは魅力的だったらしい。
いそいそと井戸に水を汲みに行っていた。
0
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。
▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ......
どうしようΣ( ̄□ ̄;)
とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!!
R指定は念のためです。
マイペースに更新していきます。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
転生先が森って神様そりゃないよ~チート使ってほのぼの生活目指します~
紫紺
ファンタジー
前世社畜のOLは死後いきなり現れた神様に異世界に飛ばされる。ここでへこたれないのが社畜OL!森の中でも何のそのチートと知識で乗り越えます!
「っていうか、体小さくね?」
あらあら~頑張れ~
ちょっ!仕事してください!!
やるぶんはしっかりやってるわよ~
そういうことじゃないっ!!
「騒がしいなもう。って、誰だよっ」
そのチート幼女はのんびりライフをおくることはできるのか
無理じゃない?
無理だと思う。
無理でしょw
あーもう!締まらないなあ
この幼女のは無自覚に無双する!!
周りを巻き込み、困難も何のその!!かなりのお人よしで自覚なし!!ドタバタファンタジーをお楽しみくださいな♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる