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第17章 瑛太7
第204話 保冷ボックスの申請
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「結構成果は出せたとは思うんだけどな。‥‥次は米の収穫後に行きたいよ。」
新しい商品の開発が出来たし、現地で新鮮な魚介料理も堪能出来て満足した旅だったようだけど、魚料理を前にするとなんだか米飯が欲しいという気持ちになるのは皆同じのようだ。
「バカンスというより出張だったね。」
尾市さんと椎名さんが七輪ぽい物を作ったので、その上で干物を焼きながらワイちゃんが笑った。
「まあ、魚が目的だったし仕方ないさ。」
「仕方ないっていうか‥‥,楽しかったよ? 現地では凄く楽しく過ごしてたけど、今思うと仕事っぽかったなって思っただけで。」
「結局食欲が優先された気がする。」
「それは言えてる。」
今だって魚焼いている状況だしね。
保冷ボックスの性能試験が大体終わったので、商業ギルドへ申請した。
海辺の街で申請しようかと思っていたけど、結局開拓村から近い場所にある商業ギルドで断熱材と保冷ボックス、サンダルの申請を済ませてある。
クラゲスライムの素材は海の近くの方が手に入りやすくて、ギルドでの検証も早いだろうとは思ったんだけど、保冷ボックスの保冷効果の確認の為に、緒方さん達に保冷ボックスを詰んで海の街まで往復してもらったとき、泊まった宿で保冷ボックスにやたらと興味を示す人がいたと聞いて、申請を早めたのだ。
現地でしっかり見張りを突けていたから盗まれたりはしていないけど、どうもチラチラと隙をうかがっている雰囲気だったというのだ。
単純に保冷ボックスが欲しかったのかもしれないけど、先にギルドへ申請されたりすると面倒な事になる。それならギルドでの検証に時間がかかっても早く申請してしまった方が良いという結論になった。
開拓村から近い商業ギルドの支部に行ったら、既にオイルサーディンや干物の事が伝わっていた。
海から離れた地域で魚料理が食べられるということで、興味を持たれているらしくて、「急いで検証させるから、早く販売して欲しい」などと言われてしまった。
それもあって、保冷ボックスは魚を冷やした状態で輸送するためという目的が、あまり説明をしないうちから理解してもらえて申請時の説明は楽だった。
「急いで人を海までやって、検証させますよ!」
干物の運搬には保冷ボックスが有ると便利だと考えたらしい商業ギルドの従業員がテンション高めに宣言していた。
その人は海辺の街に住んでいた事があるそうで、魚料理が好きなのだそうだ。
「この街でも魚が食べられるというのは、素晴らしい事ですよ!それに、保存しておけるというのは素晴らしい!」
保冷ボックスとサンダルの申請に行ったのに、オイルサーディンの有用性について熱く語られてしまった。
それでも、サンダルについても浜辺で働く人にも役に立つ物だと思ってもらえたようだ。
サンダルのような製品はこれまでにも存在はするけれど革や木の靴底に紐をつけたようなものだったそうで、クラゲスライムを加工した履物という形で申請ができた。
クラゲスライムの加工素材の製法も申請したので、保冷ボックスやサンダルに限らず、同じ製法で作った素材を使った製品を売り出した場合には使用料が発生することになるそうだ。
クラゲスライムの加工製法の申請については、皆で話し合った結果、ケイン君の名前で申請することになった。
ケイン君が最初に魔法を放ったのは偶然の遊びだったんだろうけど、その後も実験にも協力してくれたからね。それに製法の書類はディーン君が書いてくれたけど、「魔力の出力度合い」とか、
まだまだ魔法初心者の俺達では再現出来ないレベルだったという理由もあった。
「ケイン、ギルドの最年少申請者じゃないかな。ケイン、天才!」
「てんしゃー?」
申請した帰りの馬車の中で、ディーン君はケイン君を膝の上に乗せて凄くご機嫌だった。ケイン君は良くわかっていないのかキョトンとしていたけど。
ディーン君は、ケイン君の事をしょっちゅう「天才!」って褒める。歌を歌っても、走っても、なんでも褒めるので身内の贔屓目という面もあると思うけど、
魔法に関しては、確かに才能が有るんだろうなと思う。
新しい商品の開発が出来たし、現地で新鮮な魚介料理も堪能出来て満足した旅だったようだけど、魚料理を前にするとなんだか米飯が欲しいという気持ちになるのは皆同じのようだ。
「バカンスというより出張だったね。」
尾市さんと椎名さんが七輪ぽい物を作ったので、その上で干物を焼きながらワイちゃんが笑った。
「まあ、魚が目的だったし仕方ないさ。」
「仕方ないっていうか‥‥,楽しかったよ? 現地では凄く楽しく過ごしてたけど、今思うと仕事っぽかったなって思っただけで。」
「結局食欲が優先された気がする。」
「それは言えてる。」
今だって魚焼いている状況だしね。
保冷ボックスの性能試験が大体終わったので、商業ギルドへ申請した。
海辺の街で申請しようかと思っていたけど、結局開拓村から近い場所にある商業ギルドで断熱材と保冷ボックス、サンダルの申請を済ませてある。
クラゲスライムの素材は海の近くの方が手に入りやすくて、ギルドでの検証も早いだろうとは思ったんだけど、保冷ボックスの保冷効果の確認の為に、緒方さん達に保冷ボックスを詰んで海の街まで往復してもらったとき、泊まった宿で保冷ボックスにやたらと興味を示す人がいたと聞いて、申請を早めたのだ。
現地でしっかり見張りを突けていたから盗まれたりはしていないけど、どうもチラチラと隙をうかがっている雰囲気だったというのだ。
単純に保冷ボックスが欲しかったのかもしれないけど、先にギルドへ申請されたりすると面倒な事になる。それならギルドでの検証に時間がかかっても早く申請してしまった方が良いという結論になった。
開拓村から近い商業ギルドの支部に行ったら、既にオイルサーディンや干物の事が伝わっていた。
海から離れた地域で魚料理が食べられるということで、興味を持たれているらしくて、「急いで検証させるから、早く販売して欲しい」などと言われてしまった。
それもあって、保冷ボックスは魚を冷やした状態で輸送するためという目的が、あまり説明をしないうちから理解してもらえて申請時の説明は楽だった。
「急いで人を海までやって、検証させますよ!」
干物の運搬には保冷ボックスが有ると便利だと考えたらしい商業ギルドの従業員がテンション高めに宣言していた。
その人は海辺の街に住んでいた事があるそうで、魚料理が好きなのだそうだ。
「この街でも魚が食べられるというのは、素晴らしい事ですよ!それに、保存しておけるというのは素晴らしい!」
保冷ボックスとサンダルの申請に行ったのに、オイルサーディンの有用性について熱く語られてしまった。
それでも、サンダルについても浜辺で働く人にも役に立つ物だと思ってもらえたようだ。
サンダルのような製品はこれまでにも存在はするけれど革や木の靴底に紐をつけたようなものだったそうで、クラゲスライムを加工した履物という形で申請ができた。
クラゲスライムの加工素材の製法も申請したので、保冷ボックスやサンダルに限らず、同じ製法で作った素材を使った製品を売り出した場合には使用料が発生することになるそうだ。
クラゲスライムの加工製法の申請については、皆で話し合った結果、ケイン君の名前で申請することになった。
ケイン君が最初に魔法を放ったのは偶然の遊びだったんだろうけど、その後も実験にも協力してくれたからね。それに製法の書類はディーン君が書いてくれたけど、「魔力の出力度合い」とか、
まだまだ魔法初心者の俺達では再現出来ないレベルだったという理由もあった。
「ケイン、ギルドの最年少申請者じゃないかな。ケイン、天才!」
「てんしゃー?」
申請した帰りの馬車の中で、ディーン君はケイン君を膝の上に乗せて凄くご機嫌だった。ケイン君は良くわかっていないのかキョトンとしていたけど。
ディーン君は、ケイン君の事をしょっちゅう「天才!」って褒める。歌を歌っても、走っても、なんでも褒めるので身内の贔屓目という面もあると思うけど、
魔法に関しては、確かに才能が有るんだろうなと思う。
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