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第17章 瑛太7
第202話 砂浜で実験
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「そう。色が薄いのはあまり魔力が強くないんだ。これが波で長い時間削られて行くと丸くなっていくんだよ。」
「元々小さいから削られたら、メチャクチャ小さくなりそう。」
「うん。まあ売り物にはならないね。」
既に動かなくなったクラゲスライムを、俺も棒で突かせてもらった。ブヨブヨと弾力がある。ケイン君はディーン君に一緒に棒を持ってもらって、きゃっきゃと騒ぎ突いていた。
「これどうする?商業ギルドに売りに行く?」
「うーん。あまり高くは売れないんだよねぇ。」
討伐したクラゲスライムを前にして腕組み。乾燥させた方が買い取り額は上がるらしい。とは言っても、少ない数では手間賃の方がずっとかかる位の買い取り額だそうだ。
「カラカラー!」
ケイン君がクラゲスライムに向かって魔法を放った。熱風を吹き付けているのかな。クラゲスライムの一体がジワジワと縮んで行く。
「おおー?一気に乾燥?」
関心して見ているとディーン君模ニコニコしてケイン君を褒めている。
「凄いねぇ。ケイン、天才だ。」
「えへへ。」
ケイン君はディーン君に褒められて嬉しそうに笑った後、別のクラゲスライムを見た。手を伸ばして狙いを定めている。
「ドーン!」
ケイン君がそう言った途端、ぶわりと熱波がこちらにも押し寄せて来た。
ボムン!
クラゲスライムの身体が爆ぜた。
ぶくぶくした液体になって周囲に飛び散っている。
「うわぁ。」
「ケイン、ちょっと魔力込めすぎた?」
えぐい結果に周囲が若干引いていると、ケイン君は動じた様子もなくまた魔法を放った。
「ひえひえー!」
今度はひんやりした風が吹いて来た。爆ぜたクラゲスライムを冷やしたのか?
魔法を放った後、少しだけ様子をみてからケイン君が爆ぜたクラゲスライムの欠片を拾って来て、見せてくれた。
「モコモコ。」
「あ、ホント、モコモコ。」
クラゲスライムの素材が、弾力がある発泡スチロールのような弾力がある物体になっていた。
尾市さんが、その欠片を手で触ってみて言った。
「見た目的に断熱剤に使えないか?」
クラゲスライムの素材を高温で温めると沸騰するんだろうか。それを冷やすと発泡スチロールみたいになる?
クラゲスライムの素材はもう一体分あったので、ディーン君が実験してみてくれることになった。
砂にくぼみをつくって、そこにクラゲスライムを入れて、魔法で熱をくわえる。今度は爆ぜないように、時間をかけて熱してみる。しばらくすると、クラゲスライムの身体がぶくぶくと沸騰したみたいになった。
少しの間沸騰状態にさせた。
その後、冷風を吹き付けて冷ました。今度は爆ぜていないから、大きな塊になったようだ。
しかし、思ったのとちょっと違う物が出来ていた。
「なんか、固いよ、これ。」
「膨らまなかったパンみたいになってる。」
少し弾力はあるけど固めのプラスチックみたいな感触の物体になっていた。
「温める温度?冷やし方の違い?」
「これ、もうちょっと実験したいね。」
保冷ボックスの断熱材候補になるかもしれないということで、急遽、実験をすることにした。
クラゲスライムを探しに浜辺を走り回りかけたけど、ディーン君が商業ギルドから取り寄せて来てくれた。時間の節約だって。
「ケイン君。もう少しヒエヒエをゆっくりにしてみて。」
「ひえーー‥‥ひえーーー‥‥。」
「言うのはゆっくりでなくても良いからね。」
ディーン君とケイン君に魔法を放ってもらって爆ぜてモコモコになるのが再現出来るかの実験やら、温めたり冷やしたりする温度や速度を色々変えてみての実験をした。
良い感じの断熱材候補が出来上がったのは、少し日が傾いて来た頃だった。昼過ぎに帰路につく予定は延期だ。
出来上がった素材で保冷ボックスを作り、木箱を使った物と氷が溶ける速度等の違いを検証をする予定だ。
「この失敗っぽいやつも、何か使えそうだよね。」
片付けの際に固くなったクラゲスライム素材をつまみ上げて、尾市さんが言った。
「元々小さいから削られたら、メチャクチャ小さくなりそう。」
「うん。まあ売り物にはならないね。」
既に動かなくなったクラゲスライムを、俺も棒で突かせてもらった。ブヨブヨと弾力がある。ケイン君はディーン君に一緒に棒を持ってもらって、きゃっきゃと騒ぎ突いていた。
「これどうする?商業ギルドに売りに行く?」
「うーん。あまり高くは売れないんだよねぇ。」
討伐したクラゲスライムを前にして腕組み。乾燥させた方が買い取り額は上がるらしい。とは言っても、少ない数では手間賃の方がずっとかかる位の買い取り額だそうだ。
「カラカラー!」
ケイン君がクラゲスライムに向かって魔法を放った。熱風を吹き付けているのかな。クラゲスライムの一体がジワジワと縮んで行く。
「おおー?一気に乾燥?」
関心して見ているとディーン君模ニコニコしてケイン君を褒めている。
「凄いねぇ。ケイン、天才だ。」
「えへへ。」
ケイン君はディーン君に褒められて嬉しそうに笑った後、別のクラゲスライムを見た。手を伸ばして狙いを定めている。
「ドーン!」
ケイン君がそう言った途端、ぶわりと熱波がこちらにも押し寄せて来た。
ボムン!
クラゲスライムの身体が爆ぜた。
ぶくぶくした液体になって周囲に飛び散っている。
「うわぁ。」
「ケイン、ちょっと魔力込めすぎた?」
えぐい結果に周囲が若干引いていると、ケイン君は動じた様子もなくまた魔法を放った。
「ひえひえー!」
今度はひんやりした風が吹いて来た。爆ぜたクラゲスライムを冷やしたのか?
魔法を放った後、少しだけ様子をみてからケイン君が爆ぜたクラゲスライムの欠片を拾って来て、見せてくれた。
「モコモコ。」
「あ、ホント、モコモコ。」
クラゲスライムの素材が、弾力がある発泡スチロールのような弾力がある物体になっていた。
尾市さんが、その欠片を手で触ってみて言った。
「見た目的に断熱剤に使えないか?」
クラゲスライムの素材を高温で温めると沸騰するんだろうか。それを冷やすと発泡スチロールみたいになる?
クラゲスライムの素材はもう一体分あったので、ディーン君が実験してみてくれることになった。
砂にくぼみをつくって、そこにクラゲスライムを入れて、魔法で熱をくわえる。今度は爆ぜないように、時間をかけて熱してみる。しばらくすると、クラゲスライムの身体がぶくぶくと沸騰したみたいになった。
少しの間沸騰状態にさせた。
その後、冷風を吹き付けて冷ました。今度は爆ぜていないから、大きな塊になったようだ。
しかし、思ったのとちょっと違う物が出来ていた。
「なんか、固いよ、これ。」
「膨らまなかったパンみたいになってる。」
少し弾力はあるけど固めのプラスチックみたいな感触の物体になっていた。
「温める温度?冷やし方の違い?」
「これ、もうちょっと実験したいね。」
保冷ボックスの断熱材候補になるかもしれないということで、急遽、実験をすることにした。
クラゲスライムを探しに浜辺を走り回りかけたけど、ディーン君が商業ギルドから取り寄せて来てくれた。時間の節約だって。
「ケイン君。もう少しヒエヒエをゆっくりにしてみて。」
「ひえーー‥‥ひえーーー‥‥。」
「言うのはゆっくりでなくても良いからね。」
ディーン君とケイン君に魔法を放ってもらって爆ぜてモコモコになるのが再現出来るかの実験やら、温めたり冷やしたりする温度や速度を色々変えてみての実験をした。
良い感じの断熱材候補が出来上がったのは、少し日が傾いて来た頃だった。昼過ぎに帰路につく予定は延期だ。
出来上がった素材で保冷ボックスを作り、木箱を使った物と氷が溶ける速度等の違いを検証をする予定だ。
「この失敗っぽいやつも、何か使えそうだよね。」
片付けの際に固くなったクラゲスライム素材をつまみ上げて、尾市さんが言った。
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