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第17章 瑛太7
第199話 便利ランプ
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「ディーにー。」
「ケイン、白いのあったよ。藍お姉さんがみつけたんだ。」
「あいちゃー。」
ケイン君はニコッと藍ちゃんに笑いかけた。ディーン君が藍ちゃんに向かって言った。
「ケインに上げてもよいかな。色々な色の魔石を集めてるんだって。」
「あ、はい。もちろん。ケイン君、良かったらどうぞ。」
藍ちゃんが、頷いた。しゃがんで、白い魔石を拾ってケイン君に差し出した。
「あいあと!」
ケイン君は、元気よくお礼をいって白い魔石を受け取ると、ポシェットの中に入れた。そして、別の魔石を取り出した。
「はい!どーじょ。」
「オレンジ色の魔石?」
ケイン君が藍ちゃんに差し出したのは、夕日みたいなオレンジ色のまん丸い魔石だった。
藍ちゃんは慌てて手を振った。
「え、私が上げたのは魔力抜けたやつだよ。こんな綺麗なのを交換にもらったら悪いよ。」
「どーじょ。」
ケイン君はぐっと腕を伸ばして藍ちゃんにオレンジ魔石を差し出して、上目遣いに藍ちゃんを見つめた。
「うう。可愛い‥‥。ありがとう‥‥。」
ケイン君に見つめられて、遠慮するのを諦めた藍ちゃんは指先でオレンジ色の魔石を摘んだ。
「これも、魔力を通したら何か‥‥。あ!光った!?」
「え?熱くない?」
オレンジ色の魔石が光り出したのをみて、熱くないのか心配になった。色からして火系の魔獣の魔石なのかなと思ったからだ。魔力を通したら熱を帯びるのかもしれない。
「熱くは‥‥ないよ?」
藍ちゃんは両手で魔石を包んでみたり、撫でてみたりしてみていた。俺も触ってみたけど、藍ちゃんの体温を感じただけだった。うん。もっと触っていたい。
「熱を発しないように調整しているんだよ。ケインが。」
「え、ケイン君が?」
「天才だろう?」
ディーン君がちょっと得意げにケイン君の頭を撫でた。ケイン君はニコニコ嬉しそうに笑っている。
「あ、消えた。」
藍ちゃんの手の中にあったオレンジ色の魔石から光が消えた。
「もう一度魔力を通すと消えるんだよ。」
「あ、じゃあ、また魔力を通したら‥‥。光った!」
藍ちゃんは、俺にオレンジ魔石を見せて、俺の手の上に置いてくれた。俺も何度か魔力を通してみた。その度に光ったり消えたりする。
「これ、寝室に有ると便利そう。」
「確かに。」
オレンジ色の小さい光だから、照明として使うには弱々しい感じだ。でも、寝るときにベッドサイドランプみたいな使い方をすると便利そうな気がする。
藍ちゃんにオレンジ魔石を返すと、ケイン君が俺にもオレンジ色の魔石を差し出して来た。
「え?俺にも?俺は魔石をあげてないよ。」
「どーじょ。」
ケイン君は俺が遠慮してもニコニコして魔石を差し出してくる。
「ありがとう。じゃあ、後で貝料理を作ってあげるよ。」
「かい?」
「そう。貝だよ。」
アサリの酒蒸しってお酒を飛ばしたら小さい子も食べられるかな。そもそも日本酒なかったか。
結局作ったのは、アサリの味噌汁。加工場のオイルサーディンを作っている隣で作らせてもらった。味噌は持って来ていたんだよね。
ディーン君には商業ギルドで登録か申請をしていない料理は、外部の人に振る舞ってはダメって言われていたけど、味噌は登録済みだし、味噌とアサリと水しか使っていないから問題なさそう。
おやつの時間にアサリの味噌汁という、なかなかクールな状況になった。
「おいし。」
ケイン君は貝も抵抗なく美味しそうに食べてくれた。
結局、ケイン君はオレンジ色の魔石を全員くくれた。なお、水色魔石は、尾市さんとワイちゃんがそれぞれ一つずつ見つけられたようだ。
水色魔石を、魔力を通したら冷えるように作り替えてもらってから、保冷ボックスに設置する予定の布袋の中に入れる。
集まった水色魔石の数は、最初に全員が貰った五個と後から浜辺で見つけた二個だ。量は少ないけど、氷と併用したらなんとかなるかな。
そんな事を考えていたのだが、運搬用にディーン君が水色魔石を用意してくれていた。
「ケイン、白いのあったよ。藍お姉さんがみつけたんだ。」
「あいちゃー。」
ケイン君はニコッと藍ちゃんに笑いかけた。ディーン君が藍ちゃんに向かって言った。
「ケインに上げてもよいかな。色々な色の魔石を集めてるんだって。」
「あ、はい。もちろん。ケイン君、良かったらどうぞ。」
藍ちゃんが、頷いた。しゃがんで、白い魔石を拾ってケイン君に差し出した。
「あいあと!」
ケイン君は、元気よくお礼をいって白い魔石を受け取ると、ポシェットの中に入れた。そして、別の魔石を取り出した。
「はい!どーじょ。」
「オレンジ色の魔石?」
ケイン君が藍ちゃんに差し出したのは、夕日みたいなオレンジ色のまん丸い魔石だった。
藍ちゃんは慌てて手を振った。
「え、私が上げたのは魔力抜けたやつだよ。こんな綺麗なのを交換にもらったら悪いよ。」
「どーじょ。」
ケイン君はぐっと腕を伸ばして藍ちゃんにオレンジ魔石を差し出して、上目遣いに藍ちゃんを見つめた。
「うう。可愛い‥‥。ありがとう‥‥。」
ケイン君に見つめられて、遠慮するのを諦めた藍ちゃんは指先でオレンジ色の魔石を摘んだ。
「これも、魔力を通したら何か‥‥。あ!光った!?」
「え?熱くない?」
オレンジ色の魔石が光り出したのをみて、熱くないのか心配になった。色からして火系の魔獣の魔石なのかなと思ったからだ。魔力を通したら熱を帯びるのかもしれない。
「熱くは‥‥ないよ?」
藍ちゃんは両手で魔石を包んでみたり、撫でてみたりしてみていた。俺も触ってみたけど、藍ちゃんの体温を感じただけだった。うん。もっと触っていたい。
「熱を発しないように調整しているんだよ。ケインが。」
「え、ケイン君が?」
「天才だろう?」
ディーン君がちょっと得意げにケイン君の頭を撫でた。ケイン君はニコニコ嬉しそうに笑っている。
「あ、消えた。」
藍ちゃんの手の中にあったオレンジ色の魔石から光が消えた。
「もう一度魔力を通すと消えるんだよ。」
「あ、じゃあ、また魔力を通したら‥‥。光った!」
藍ちゃんは、俺にオレンジ魔石を見せて、俺の手の上に置いてくれた。俺も何度か魔力を通してみた。その度に光ったり消えたりする。
「これ、寝室に有ると便利そう。」
「確かに。」
オレンジ色の小さい光だから、照明として使うには弱々しい感じだ。でも、寝るときにベッドサイドランプみたいな使い方をすると便利そうな気がする。
藍ちゃんにオレンジ魔石を返すと、ケイン君が俺にもオレンジ色の魔石を差し出して来た。
「え?俺にも?俺は魔石をあげてないよ。」
「どーじょ。」
ケイン君は俺が遠慮してもニコニコして魔石を差し出してくる。
「ありがとう。じゃあ、後で貝料理を作ってあげるよ。」
「かい?」
「そう。貝だよ。」
アサリの酒蒸しってお酒を飛ばしたら小さい子も食べられるかな。そもそも日本酒なかったか。
結局作ったのは、アサリの味噌汁。加工場のオイルサーディンを作っている隣で作らせてもらった。味噌は持って来ていたんだよね。
ディーン君には商業ギルドで登録か申請をしていない料理は、外部の人に振る舞ってはダメって言われていたけど、味噌は登録済みだし、味噌とアサリと水しか使っていないから問題なさそう。
おやつの時間にアサリの味噌汁という、なかなかクールな状況になった。
「おいし。」
ケイン君は貝も抵抗なく美味しそうに食べてくれた。
結局、ケイン君はオレンジ色の魔石を全員くくれた。なお、水色魔石は、尾市さんとワイちゃんがそれぞれ一つずつ見つけられたようだ。
水色魔石を、魔力を通したら冷えるように作り替えてもらってから、保冷ボックスに設置する予定の布袋の中に入れる。
集まった水色魔石の数は、最初に全員が貰った五個と後から浜辺で見つけた二個だ。量は少ないけど、氷と併用したらなんとかなるかな。
そんな事を考えていたのだが、運搬用にディーン君が水色魔石を用意してくれていた。
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