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第12章 ルチル3
第160話 甘い!酸っぱ!
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アンバー君が心配そうに僕を見た。
「ルチル君、羽根で飛んだら天力を消耗しちゃうんじゃない?」
「ちょっとだけ試してみたんだよ。ねえ、見て?ちょっとだけ天力減ったの。」
僕は天フォンの天力ゲージの画面をアンバー君に見せた。
「あ、ホントだ。天力少しだけ減ってる。でもまだまだ一杯あるね。良かったー。」
アンバー君がほっとした顔をして笑った。僕の事心配してくれたんだ。えへへ。嬉しいな。
「うん。それでねぇ。」
僕は、「いちお」を手に取って、ぱくっと食べた。
「甘い!酸っぱ!」
イチイチ声にだして言っちゃうよ。「いちお」は美味しいなぁ。
そして天フォンをチェック。
天フォンの天力ゲージが、一杯まで伸びていた。思った通り!
「増えてるよ!満タン!」
「おおー!」
「アンバー君も試してみて!」
「えー?飛ぶの?」
アンバー君は目をぱちくりした後、「ちょっとだけよ」と言って、くるーりと宙を待って戻って来た。
天力ゲージをチェックして少し天力がダウンしているのを確認した。ささっと、「いちお」を差し出す。アンバー君がパクッと「いちお」を一口で食べた。
「甘!酸っぱ!」
アンバー君も食べる度に声に出ちゃうみたいだ。美味しいよねぇ。
「天力はどうなった?」
ワクワクして聞いてみた。アンバー君も、同じ気持ちみたいで目を輝かせている。
そうっともったい付ける様に天フォンを手にとって、ゆっくりと画面をタップした。
天力ゲージが満タンになってる!
「やった!すごいよ。『いちお』効果!」
「すごいねぇ」
二人で、器の中の「いちお」の赤い実を見つめた。「いちお」の実は二つ残っていた。
「これってさ。とっておいて天力不足のときに食べたらいいんじゃない?」
「お花みたいに萎んじゃったりしないかな。」
「ああー。わかんないねぇ。
『いちお』も植物だよね。だったら萎んじゃうような気もするし。」
「萎んじゃったら、天力回復できなくなっちゃうかもしれないよね。」
「どうする?食べちゃう?」
「うーん。」
僕は天フォンの天力ゲージ画面を見た。今は天力が満タンだ。これ以上「いちお」を食べても天力ゲージは変わらないよね。
「明日まで取っておいてみようか。萎んじゃうのかどうかも見たくない?」
「そうだね!そうしよう!」
僕は器の上に布をかけてしっかりピンと貼って紐で結んだ。溢れ落ちないようにしてから肩掛け鞄に仕舞った。
明日も楽しみだ。
「あ!僕ね。新しい歌を考えたよー!」
「えー?聞かせて。」
天力が満タンなせいか身体も心も軽い気がする。こういう時は踊りたくなっちゃうよね。
「ル!ル!ルチル!ル!ル!ルチル!」
歌ながら踊り出すと、アンバー君が手拍子を打ってくれた。
「いいね!明るい感じ!歌詞にアンバーも混ぜてよい?」
「いいよー」
「アン!バー!ルチル!アン!バー!ルチル!」
僕が考えた歌をアンバー君がアップテンポにして、歌詞にアンバー君の名前を入れて来た。良い感じー!
アンバー君も身体が軽くなったらしくて、踊りにキレがある。
僕達はすっかり楽しくなって暫く踊り続けた。
「ルチル君、羽根で飛んだら天力を消耗しちゃうんじゃない?」
「ちょっとだけ試してみたんだよ。ねえ、見て?ちょっとだけ天力減ったの。」
僕は天フォンの天力ゲージの画面をアンバー君に見せた。
「あ、ホントだ。天力少しだけ減ってる。でもまだまだ一杯あるね。良かったー。」
アンバー君がほっとした顔をして笑った。僕の事心配してくれたんだ。えへへ。嬉しいな。
「うん。それでねぇ。」
僕は、「いちお」を手に取って、ぱくっと食べた。
「甘い!酸っぱ!」
イチイチ声にだして言っちゃうよ。「いちお」は美味しいなぁ。
そして天フォンをチェック。
天フォンの天力ゲージが、一杯まで伸びていた。思った通り!
「増えてるよ!満タン!」
「おおー!」
「アンバー君も試してみて!」
「えー?飛ぶの?」
アンバー君は目をぱちくりした後、「ちょっとだけよ」と言って、くるーりと宙を待って戻って来た。
天力ゲージをチェックして少し天力がダウンしているのを確認した。ささっと、「いちお」を差し出す。アンバー君がパクッと「いちお」を一口で食べた。
「甘!酸っぱ!」
アンバー君も食べる度に声に出ちゃうみたいだ。美味しいよねぇ。
「天力はどうなった?」
ワクワクして聞いてみた。アンバー君も、同じ気持ちみたいで目を輝かせている。
そうっともったい付ける様に天フォンを手にとって、ゆっくりと画面をタップした。
天力ゲージが満タンになってる!
「やった!すごいよ。『いちお』効果!」
「すごいねぇ」
二人で、器の中の「いちお」の赤い実を見つめた。「いちお」の実は二つ残っていた。
「これってさ。とっておいて天力不足のときに食べたらいいんじゃない?」
「お花みたいに萎んじゃったりしないかな。」
「ああー。わかんないねぇ。
『いちお』も植物だよね。だったら萎んじゃうような気もするし。」
「萎んじゃったら、天力回復できなくなっちゃうかもしれないよね。」
「どうする?食べちゃう?」
「うーん。」
僕は天フォンの天力ゲージ画面を見た。今は天力が満タンだ。これ以上「いちお」を食べても天力ゲージは変わらないよね。
「明日まで取っておいてみようか。萎んじゃうのかどうかも見たくない?」
「そうだね!そうしよう!」
僕は器の上に布をかけてしっかりピンと貼って紐で結んだ。溢れ落ちないようにしてから肩掛け鞄に仕舞った。
明日も楽しみだ。
「あ!僕ね。新しい歌を考えたよー!」
「えー?聞かせて。」
天力が満タンなせいか身体も心も軽い気がする。こういう時は踊りたくなっちゃうよね。
「ル!ル!ルチル!ル!ル!ルチル!」
歌ながら踊り出すと、アンバー君が手拍子を打ってくれた。
「いいね!明るい感じ!歌詞にアンバーも混ぜてよい?」
「いいよー」
「アン!バー!ルチル!アン!バー!ルチル!」
僕が考えた歌をアンバー君がアップテンポにして、歌詞にアンバー君の名前を入れて来た。良い感じー!
アンバー君も身体が軽くなったらしくて、踊りにキレがある。
僕達はすっかり楽しくなって暫く踊り続けた。
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