161 / 305
第12章 ルチル3
第160話 甘い!酸っぱ!
しおりを挟む
アンバー君が心配そうに僕を見た。
「ルチル君、羽根で飛んだら天力を消耗しちゃうんじゃない?」
「ちょっとだけ試してみたんだよ。ねえ、見て?ちょっとだけ天力減ったの。」
僕は天フォンの天力ゲージの画面をアンバー君に見せた。
「あ、ホントだ。天力少しだけ減ってる。でもまだまだ一杯あるね。良かったー。」
アンバー君がほっとした顔をして笑った。僕の事心配してくれたんだ。えへへ。嬉しいな。
「うん。それでねぇ。」
僕は、「いちお」を手に取って、ぱくっと食べた。
「甘い!酸っぱ!」
イチイチ声にだして言っちゃうよ。「いちお」は美味しいなぁ。
そして天フォンをチェック。
天フォンの天力ゲージが、一杯まで伸びていた。思った通り!
「増えてるよ!満タン!」
「おおー!」
「アンバー君も試してみて!」
「えー?飛ぶの?」
アンバー君は目をぱちくりした後、「ちょっとだけよ」と言って、くるーりと宙を待って戻って来た。
天力ゲージをチェックして少し天力がダウンしているのを確認した。ささっと、「いちお」を差し出す。アンバー君がパクッと「いちお」を一口で食べた。
「甘!酸っぱ!」
アンバー君も食べる度に声に出ちゃうみたいだ。美味しいよねぇ。
「天力はどうなった?」
ワクワクして聞いてみた。アンバー君も、同じ気持ちみたいで目を輝かせている。
そうっともったい付ける様に天フォンを手にとって、ゆっくりと画面をタップした。
天力ゲージが満タンになってる!
「やった!すごいよ。『いちお』効果!」
「すごいねぇ」
二人で、器の中の「いちお」の赤い実を見つめた。「いちお」の実は二つ残っていた。
「これってさ。とっておいて天力不足のときに食べたらいいんじゃない?」
「お花みたいに萎んじゃったりしないかな。」
「ああー。わかんないねぇ。
『いちお』も植物だよね。だったら萎んじゃうような気もするし。」
「萎んじゃったら、天力回復できなくなっちゃうかもしれないよね。」
「どうする?食べちゃう?」
「うーん。」
僕は天フォンの天力ゲージ画面を見た。今は天力が満タンだ。これ以上「いちお」を食べても天力ゲージは変わらないよね。
「明日まで取っておいてみようか。萎んじゃうのかどうかも見たくない?」
「そうだね!そうしよう!」
僕は器の上に布をかけてしっかりピンと貼って紐で結んだ。溢れ落ちないようにしてから肩掛け鞄に仕舞った。
明日も楽しみだ。
「あ!僕ね。新しい歌を考えたよー!」
「えー?聞かせて。」
天力が満タンなせいか身体も心も軽い気がする。こういう時は踊りたくなっちゃうよね。
「ル!ル!ルチル!ル!ル!ルチル!」
歌ながら踊り出すと、アンバー君が手拍子を打ってくれた。
「いいね!明るい感じ!歌詞にアンバーも混ぜてよい?」
「いいよー」
「アン!バー!ルチル!アン!バー!ルチル!」
僕が考えた歌をアンバー君がアップテンポにして、歌詞にアンバー君の名前を入れて来た。良い感じー!
アンバー君も身体が軽くなったらしくて、踊りにキレがある。
僕達はすっかり楽しくなって暫く踊り続けた。
「ルチル君、羽根で飛んだら天力を消耗しちゃうんじゃない?」
「ちょっとだけ試してみたんだよ。ねえ、見て?ちょっとだけ天力減ったの。」
僕は天フォンの天力ゲージの画面をアンバー君に見せた。
「あ、ホントだ。天力少しだけ減ってる。でもまだまだ一杯あるね。良かったー。」
アンバー君がほっとした顔をして笑った。僕の事心配してくれたんだ。えへへ。嬉しいな。
「うん。それでねぇ。」
僕は、「いちお」を手に取って、ぱくっと食べた。
「甘い!酸っぱ!」
イチイチ声にだして言っちゃうよ。「いちお」は美味しいなぁ。
そして天フォンをチェック。
天フォンの天力ゲージが、一杯まで伸びていた。思った通り!
「増えてるよ!満タン!」
「おおー!」
「アンバー君も試してみて!」
「えー?飛ぶの?」
アンバー君は目をぱちくりした後、「ちょっとだけよ」と言って、くるーりと宙を待って戻って来た。
天力ゲージをチェックして少し天力がダウンしているのを確認した。ささっと、「いちお」を差し出す。アンバー君がパクッと「いちお」を一口で食べた。
「甘!酸っぱ!」
アンバー君も食べる度に声に出ちゃうみたいだ。美味しいよねぇ。
「天力はどうなった?」
ワクワクして聞いてみた。アンバー君も、同じ気持ちみたいで目を輝かせている。
そうっともったい付ける様に天フォンを手にとって、ゆっくりと画面をタップした。
天力ゲージが満タンになってる!
「やった!すごいよ。『いちお』効果!」
「すごいねぇ」
二人で、器の中の「いちお」の赤い実を見つめた。「いちお」の実は二つ残っていた。
「これってさ。とっておいて天力不足のときに食べたらいいんじゃない?」
「お花みたいに萎んじゃったりしないかな。」
「ああー。わかんないねぇ。
『いちお』も植物だよね。だったら萎んじゃうような気もするし。」
「萎んじゃったら、天力回復できなくなっちゃうかもしれないよね。」
「どうする?食べちゃう?」
「うーん。」
僕は天フォンの天力ゲージ画面を見た。今は天力が満タンだ。これ以上「いちお」を食べても天力ゲージは変わらないよね。
「明日まで取っておいてみようか。萎んじゃうのかどうかも見たくない?」
「そうだね!そうしよう!」
僕は器の上に布をかけてしっかりピンと貼って紐で結んだ。溢れ落ちないようにしてから肩掛け鞄に仕舞った。
明日も楽しみだ。
「あ!僕ね。新しい歌を考えたよー!」
「えー?聞かせて。」
天力が満タンなせいか身体も心も軽い気がする。こういう時は踊りたくなっちゃうよね。
「ル!ル!ルチル!ル!ル!ルチル!」
歌ながら踊り出すと、アンバー君が手拍子を打ってくれた。
「いいね!明るい感じ!歌詞にアンバーも混ぜてよい?」
「いいよー」
「アン!バー!ルチル!アン!バー!ルチル!」
僕が考えた歌をアンバー君がアップテンポにして、歌詞にアンバー君の名前を入れて来た。良い感じー!
アンバー君も身体が軽くなったらしくて、踊りにキレがある。
僕達はすっかり楽しくなって暫く踊り続けた。
0
お気に入りに追加
21
あなたにおすすめの小説
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
暇つぶし転生~お使いしながらぶらり旅~
暇人太一
ファンタジー
仲良し3人組の高校生とともに勇者召喚に巻き込まれた、30歳の病人。
ラノベの召喚もののテンプレのごとく、おっさんで病人はお呼びでない。
結局雑魚スキルを渡され、3人組のパシリとして扱われ、最後は儀式の生贄として3人組に殺されることに……。
そんなおっさんの前に厳ついおっさんが登場。果たして病人のおっさんはどうなる!?
この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。
黒髪の聖女は薬師を装う
暇野無学
ファンタジー
天下無敵の聖女様(多分)でも治癒魔法は極力使いません。知られたら面倒なので隠して薬師になったのに、ポーションの効き目が有りすぎていきなり大騒ぎになっちまった。予定外の事ばかりで異世界転移は波瀾万丈の予感。
悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~
こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。
それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。
かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。
果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!?
※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる