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第10章 瑛太4
第145話 今後の方針
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藍ちゃんを始め、パン屋台に協力してくれた皆で話し合って、パン屋台のレンタルは更新しないで一旦終了する事に決めたのだ。
色々考えて、ライアンさん一家が領地に行くのに同行することにしたんだ。
藍ちゃんもだけど、尾市さん、ワイちゃんも一緒に行くことになった。
緒方さんと真希さんは、まだちょっと考え中らしい。
圭が遺してくれた異世界ガイドノートの知識を活かすには、色々な事が出来そうな場所の方がいいと思ったのが大きな理由だ。味噌造りとかね。まあ材料から探さないとダメだけど、
それ以外の要因として、一度国境の街から離れようという気持ちになったからでもある。
実はこの一週間、結構色々な事があった。
まずは、椎名さんと石倉さんが召還者救出作戦を敢行しようとして二人で国境に向かって行ったんだ。
それも、ソーラーモバイルバッテリーを勝手に持ち出して。
「ちょっと充電したいから貸して」と言われて、パン屋の作業で忙しかったのもあって、手渡した後、パン捏ねをしていたんだよね。
今までも何度も貸した事があったんだけど、あまり持ち出したくないので同じ室内にいて充電してたんだ。
でも数十分とか時間がかかるから、セットしたら暫く放置になる。
石倉さんは家族の呼びかけ動画を見ると気持ちが落ち着くといっていたから、結構頻繁に充電をしていた。
だから、いつものパターンかなと思ってたら,気がついたら宿の何処にもいなかったんだ。
椎名さんと石倉さんの二人とも。
「あいつ~!!」
二人がソーラーモバイルバッテリーを持ったまま消えた事を知って、尾市さんは激昂して飛び出して行った。
即行で緒方さん達に伝えに行った後、ライアンさんに馬を出してもらえないか頼み込みに行っていた。
ライアンさんもディーン君も協力してくれて、馬を飛ばしていって結局国境のすぐ近くの村で追いついたんだそうだ。
石倉さんはかなりナーバスになっていたようだった。
俺達がパン屋を始めたことも、「仲間を助けようとせずに、自分達の将来のことばっかり」と反発する気持ちがあったらしいんだ。
ディーン君の馬の後ろに乗せてもらって、村まで駆けつけた尾市さんが石倉さんにそう怒鳴られたんだって。
暴れて鞄を落としたりして、危うかったけど何とかソーラーモバイルバッテリーは回収できたそうだ。
でもね。俺がソーラーモバイルバッテリーを盗まれたって訴えるとかしたくないし、そもそも、この国の衛兵には「ソレナニ」状態のものだ。
単純に「勝手に二人で国境に向かって行ったのを連れ戻して来た」って状態にしかならないんだよね。
まあ、二人が宿まで戻って来たのはホッとしたんだけど、超気まずいよ。
このままにしていても、いずれまた国境に向かうかもしれないし、そもそも「とにかくまず国を出よう」と同級生を助けたいという石倉さんをなだめた状態で出国したんだ。
その後、助けに行くにしても行かないにしても、意志をはっきり示すべきだったんじゃないかと思う。皆がね。
「一緒に助けに行くよね」って期待させたままの状態だと、椎名さんと石倉さんだってモヤモヤした状態になるのは当然だ。
二人がどうしても隣国に助けに行きたいというなら、それはそれで彼らの自由だから仕方ない。
でも、他に誰も支援者がいないって知っていて行くのと、誰か協力してくれるだろう、というのだと覚悟が違うのだと思う。
多分、ソーラーモバイルバッテリーを持って行ったのだって「仲間を助けるためなら協力してくれるはず」って考えは合ったのだと思う。
黙って持って行ったのだから、勝手に持って行くのは良く無い事とも考えていたんだと思うけど。
そんな事があって、「じゃあ,結局残りの召還者を助けに行くのか」はっきり決めることにしたんだ。
俺と藍ちゃんは「行かない」と決めて、そう回答した。
やっぱり,圭を笑い者にしていたクラスメート達を、危険を冒してまで助けに行く気になれなかった。広田は‥‥あのとき連絡をくれたし、助けられるなら助けたい気持ちはあるんだけど。
その他の30人以上の思い入れがない人達を助けるために藍ちゃんを危険に晒すかと考えて、「無理」と結論付けた。
色々考えて、ライアンさん一家が領地に行くのに同行することにしたんだ。
藍ちゃんもだけど、尾市さん、ワイちゃんも一緒に行くことになった。
緒方さんと真希さんは、まだちょっと考え中らしい。
圭が遺してくれた異世界ガイドノートの知識を活かすには、色々な事が出来そうな場所の方がいいと思ったのが大きな理由だ。味噌造りとかね。まあ材料から探さないとダメだけど、
それ以外の要因として、一度国境の街から離れようという気持ちになったからでもある。
実はこの一週間、結構色々な事があった。
まずは、椎名さんと石倉さんが召還者救出作戦を敢行しようとして二人で国境に向かって行ったんだ。
それも、ソーラーモバイルバッテリーを勝手に持ち出して。
「ちょっと充電したいから貸して」と言われて、パン屋の作業で忙しかったのもあって、手渡した後、パン捏ねをしていたんだよね。
今までも何度も貸した事があったんだけど、あまり持ち出したくないので同じ室内にいて充電してたんだ。
でも数十分とか時間がかかるから、セットしたら暫く放置になる。
石倉さんは家族の呼びかけ動画を見ると気持ちが落ち着くといっていたから、結構頻繁に充電をしていた。
だから、いつものパターンかなと思ってたら,気がついたら宿の何処にもいなかったんだ。
椎名さんと石倉さんの二人とも。
「あいつ~!!」
二人がソーラーモバイルバッテリーを持ったまま消えた事を知って、尾市さんは激昂して飛び出して行った。
即行で緒方さん達に伝えに行った後、ライアンさんに馬を出してもらえないか頼み込みに行っていた。
ライアンさんもディーン君も協力してくれて、馬を飛ばしていって結局国境のすぐ近くの村で追いついたんだそうだ。
石倉さんはかなりナーバスになっていたようだった。
俺達がパン屋を始めたことも、「仲間を助けようとせずに、自分達の将来のことばっかり」と反発する気持ちがあったらしいんだ。
ディーン君の馬の後ろに乗せてもらって、村まで駆けつけた尾市さんが石倉さんにそう怒鳴られたんだって。
暴れて鞄を落としたりして、危うかったけど何とかソーラーモバイルバッテリーは回収できたそうだ。
でもね。俺がソーラーモバイルバッテリーを盗まれたって訴えるとかしたくないし、そもそも、この国の衛兵には「ソレナニ」状態のものだ。
単純に「勝手に二人で国境に向かって行ったのを連れ戻して来た」って状態にしかならないんだよね。
まあ、二人が宿まで戻って来たのはホッとしたんだけど、超気まずいよ。
このままにしていても、いずれまた国境に向かうかもしれないし、そもそも「とにかくまず国を出よう」と同級生を助けたいという石倉さんをなだめた状態で出国したんだ。
その後、助けに行くにしても行かないにしても、意志をはっきり示すべきだったんじゃないかと思う。皆がね。
「一緒に助けに行くよね」って期待させたままの状態だと、椎名さんと石倉さんだってモヤモヤした状態になるのは当然だ。
二人がどうしても隣国に助けに行きたいというなら、それはそれで彼らの自由だから仕方ない。
でも、他に誰も支援者がいないって知っていて行くのと、誰か協力してくれるだろう、というのだと覚悟が違うのだと思う。
多分、ソーラーモバイルバッテリーを持って行ったのだって「仲間を助けるためなら協力してくれるはず」って考えは合ったのだと思う。
黙って持って行ったのだから、勝手に持って行くのは良く無い事とも考えていたんだと思うけど。
そんな事があって、「じゃあ,結局残りの召還者を助けに行くのか」はっきり決めることにしたんだ。
俺と藍ちゃんは「行かない」と決めて、そう回答した。
やっぱり,圭を笑い者にしていたクラスメート達を、危険を冒してまで助けに行く気になれなかった。広田は‥‥あのとき連絡をくれたし、助けられるなら助けたい気持ちはあるんだけど。
その他の30人以上の思い入れがない人達を助けるために藍ちゃんを危険に晒すかと考えて、「無理」と結論付けた。
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