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第4章 詩英1
第51話 家族の行く末
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「‥‥俺達が邪魔?」
言葉を選んだ方が良いと頭では分かっていたけど、そう言わずには居られなかった。言われた母さんは、気まずそうな顔をした。
「そうじゃ、ないけど‥‥。母さんもね。新しく人生やり直したくなったの。ずっと‥‥ずっと頑張って来たつもりだよ。だから‥‥。」
母さんの顔が少し泣きそうに歪む。
母さんが苦労してきた。俺達の為に。
それは、わかる。わかるし感謝もしてる。でも、でもな‥‥。俺は大学も遠いし一人暮らしも考えてみた事があるからまあいいんだけど‥‥。
「圭は、まだ中学生だよ。放り出すのは違うんじゃない?」
「だから、お父さんの所にって思ったの。」
「‥‥。」
‥‥突然の事に肯定していいかどうかもわからない。親の責任というなら父さんが了承するなら、それはそれで間違ってないんだろう。
でも、なんというか‥‥。圭の気持ちを考えてない、よな。
母さんは圭の事が重荷なんだろうか‥‥。
母さんは首を少しだるそうに動かした。酔ってるから‥‥本気じゃないかもしれない。
素面の時にちゃんと話し合ったほうがいい。
でも‥‥。このまま話が進んでしまうのもよくない気がする。
必死に考えを巡らせて言ってみた。
「そもそも家を売る必要ってあるの? ‥‥いずれ売るとしてもさ、あと‥‥4年? 圭が大学入る頃まで待てない?」
「それは‥‥。」
「母さんが再婚して相手の所に行くのは、4年待たなくてもいいけど‥‥。俺と圭は、この家に住んでちゃだめなのか?」
「うん‥‥。」
母さんの目が少し不自然に泳いだ。何だろう‥‥。
「‥‥。」
じっと見ていたら俯いて黙り込んでしまった。
ちらりと時計に目をやる。もう遅い時間だな。
「‥‥週末にでも時間作って話し合おうよ。俺は‥‥慎重に考えた方がいいと思う。」
「‥‥そうね‥‥。」
母さんが頷いたので俺は食べ終わった食器を流しに置いた。そのまま立ち去ろうかと思ったけど、少し考え直して
食器を洗ってから部屋に戻った。
もやもやした気持ちが翌日電車に乗っている間も続く。
母さんが再婚、考えてもみなかった。いや、考えてみたら普通にあり得る話なんだ。
父さんも再婚とかしていなかったから、このままずっとこんな感じかと何となく思い込んでいた。
俺も経済的に問題なければ一人暮らししてもいい頃だし、同じ状況は続かないよな。
でも‥‥、まるで託児所探すみたいに圭の行き先を決めようとしないで欲しい。
‥‥そうか。圭の中学の学区が変わらない場所で、俺が圭と暮らしたっていいんだよな。
‥‥圭を邪魔者みたいに思われているかもっていうところが引っかかってたんだ。多分俺はそれが気に食わないんだ。
気に食わないからっていっても、母さんが再婚を考えるのを止める権利も俺にはない。
バイトをしている間はかなり気が紛れた。授業?今日は2限だけだったんだ。
久しぶりにYがバイトも出ていた。
妹さんの状況を聞きたいし、シフトの終わりが同じなのをチェックしておいた。
更衣室で着替えたYがYシャツを着ていた。というかスーツ姿だった。
「え、就活? それとも『Yシャツ』着たかったとか?」
「いやいや、洒落の為にスーツ着たりしないでしょ。」
言葉を選んだ方が良いと頭では分かっていたけど、そう言わずには居られなかった。言われた母さんは、気まずそうな顔をした。
「そうじゃ、ないけど‥‥。母さんもね。新しく人生やり直したくなったの。ずっと‥‥ずっと頑張って来たつもりだよ。だから‥‥。」
母さんの顔が少し泣きそうに歪む。
母さんが苦労してきた。俺達の為に。
それは、わかる。わかるし感謝もしてる。でも、でもな‥‥。俺は大学も遠いし一人暮らしも考えてみた事があるからまあいいんだけど‥‥。
「圭は、まだ中学生だよ。放り出すのは違うんじゃない?」
「だから、お父さんの所にって思ったの。」
「‥‥。」
‥‥突然の事に肯定していいかどうかもわからない。親の責任というなら父さんが了承するなら、それはそれで間違ってないんだろう。
でも、なんというか‥‥。圭の気持ちを考えてない、よな。
母さんは圭の事が重荷なんだろうか‥‥。
母さんは首を少しだるそうに動かした。酔ってるから‥‥本気じゃないかもしれない。
素面の時にちゃんと話し合ったほうがいい。
でも‥‥。このまま話が進んでしまうのもよくない気がする。
必死に考えを巡らせて言ってみた。
「そもそも家を売る必要ってあるの? ‥‥いずれ売るとしてもさ、あと‥‥4年? 圭が大学入る頃まで待てない?」
「それは‥‥。」
「母さんが再婚して相手の所に行くのは、4年待たなくてもいいけど‥‥。俺と圭は、この家に住んでちゃだめなのか?」
「うん‥‥。」
母さんの目が少し不自然に泳いだ。何だろう‥‥。
「‥‥。」
じっと見ていたら俯いて黙り込んでしまった。
ちらりと時計に目をやる。もう遅い時間だな。
「‥‥週末にでも時間作って話し合おうよ。俺は‥‥慎重に考えた方がいいと思う。」
「‥‥そうね‥‥。」
母さんが頷いたので俺は食べ終わった食器を流しに置いた。そのまま立ち去ろうかと思ったけど、少し考え直して
食器を洗ってから部屋に戻った。
もやもやした気持ちが翌日電車に乗っている間も続く。
母さんが再婚、考えてもみなかった。いや、考えてみたら普通にあり得る話なんだ。
父さんも再婚とかしていなかったから、このままずっとこんな感じかと何となく思い込んでいた。
俺も経済的に問題なければ一人暮らししてもいい頃だし、同じ状況は続かないよな。
でも‥‥、まるで託児所探すみたいに圭の行き先を決めようとしないで欲しい。
‥‥そうか。圭の中学の学区が変わらない場所で、俺が圭と暮らしたっていいんだよな。
‥‥圭を邪魔者みたいに思われているかもっていうところが引っかかってたんだ。多分俺はそれが気に食わないんだ。
気に食わないからっていっても、母さんが再婚を考えるのを止める権利も俺にはない。
バイトをしている間はかなり気が紛れた。授業?今日は2限だけだったんだ。
久しぶりにYがバイトも出ていた。
妹さんの状況を聞きたいし、シフトの終わりが同じなのをチェックしておいた。
更衣室で着替えたYがYシャツを着ていた。というかスーツ姿だった。
「え、就活? それとも『Yシャツ』着たかったとか?」
「いやいや、洒落の為にスーツ着たりしないでしょ。」
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