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第3章 瑛太1
第29話 緊急召集
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よく理解できなくて藍ちゃんと一緒に広田のメールを読み直していたら、再び携帯が鳴った。今度は悠宇から電話だった。
『まずいかも!今どこ?教室向かって!』
「はあ?何言ってるんだ?」
『広田からクラス全員集まるってメールが来た。多分だけど、圭を笑い者にするつもりなんじゃないかと思う。』
「広田が?」
『広田じゃない。松井が。後、勘だけど本木が裏で動いている気がする。』
「本木が? わかった。すぐ向かう。‥‥よくわかってないけどな!」
悠宇との通話を切って、藍ちゃんを見た。藍ちゃんは何か察知して心配そうな顔をしていた。
「本木君がって言ってた?何かあった?」
「悠宇が言うには、圭を笑い者にするつもりなんじゃないかって。」
「圭君を? 急ごうか。」
「いいの?」
せっかく二人で手を繋いでたのに藍ちゃんはそれでいいのかな。
二人で走りだす。手を繋いで走ろうかと思ったけど、藍ちゃんは俺より真剣に走ってたのでそのまま二人で並走してた。
「どういうことなんだろうね。圭が呼び出されたのかな。」
「圭君、用事があるって言ってたんだよね。用事って本木とだったのかな。」
「うーん、わからん!」
悠宇は何か凄く焦っていたみたいだったけど、俺はまだよくわからないでいた。
本木はちょっと陰湿なところはあるしムカつくけど、皆の面前で露骨ないじめをしたことはない。
笑い者にするってなんだ?どうやって?
良くわからないけど、圭が困ったり嫌な思いをしているかもしれない。急ぐことにした。
廊下は走るの禁止ってなっているけど、走った。藍ちゃんも走ってる。藍ちゃんは小柄なのに意外と足が速い。
「キャハハハ」
教室近くまで来た時、笑い声が響いて来た?なんだ?女子の声?
教室のドアは開けっ放しになっていて、教室内を見ると圭の後ろ姿があった。圭の前に本木と松井が立っている。
本木はニヤニヤ意地悪い顔で笑っていた。松井も何か爆笑している。
本木が手にしていた水色で取っ手にオレンジ色のリボンがついた紙袋を掲げて中を覗き込んだ。
「うん、まだ何か入ってんのか?」
水色の紙袋に手を乱暴に突っ込んだ。びりっと紙袋が音を立てた。中から赤い包装紙で包まれたものを引っぱりだした。
赤い包装紙にキラキラするシールが貼られていて、細いリボンがついている。見るからにプレゼントかなにかだ。
本木は顔の前まで赤い包みを持って来て、くるっとひっくり返して、それからぽいっと松井の方に投げ渡した。
松井は両手で赤い包みを受け取った。そして手の中の包みを覗き込む用にした後、また笑い出した。
「えー?クッキー?本木君から?なーんてぇ。」
キャハハハ!
松井がケラケラと笑うと、周囲にいた人達の笑い声も聞こえて来た。
本木も意地悪くニヤニヤしている。
教室内にはクラスメートがほぼ全員いるみたいだった。そいつらが、圭達を遠巻きに見ている。面白そうな顔している奴らが半分。
残りは神妙そうな顔をしていたり、興味無さげにスマホを弄ったりしているやつだ。でも誰も、本木と松井と止めようとしていない。
『まずいかも!今どこ?教室向かって!』
「はあ?何言ってるんだ?」
『広田からクラス全員集まるってメールが来た。多分だけど、圭を笑い者にするつもりなんじゃないかと思う。』
「広田が?」
『広田じゃない。松井が。後、勘だけど本木が裏で動いている気がする。』
「本木が? わかった。すぐ向かう。‥‥よくわかってないけどな!」
悠宇との通話を切って、藍ちゃんを見た。藍ちゃんは何か察知して心配そうな顔をしていた。
「本木君がって言ってた?何かあった?」
「悠宇が言うには、圭を笑い者にするつもりなんじゃないかって。」
「圭君を? 急ごうか。」
「いいの?」
せっかく二人で手を繋いでたのに藍ちゃんはそれでいいのかな。
二人で走りだす。手を繋いで走ろうかと思ったけど、藍ちゃんは俺より真剣に走ってたのでそのまま二人で並走してた。
「どういうことなんだろうね。圭が呼び出されたのかな。」
「圭君、用事があるって言ってたんだよね。用事って本木とだったのかな。」
「うーん、わからん!」
悠宇は何か凄く焦っていたみたいだったけど、俺はまだよくわからないでいた。
本木はちょっと陰湿なところはあるしムカつくけど、皆の面前で露骨ないじめをしたことはない。
笑い者にするってなんだ?どうやって?
良くわからないけど、圭が困ったり嫌な思いをしているかもしれない。急ぐことにした。
廊下は走るの禁止ってなっているけど、走った。藍ちゃんも走ってる。藍ちゃんは小柄なのに意外と足が速い。
「キャハハハ」
教室近くまで来た時、笑い声が響いて来た?なんだ?女子の声?
教室のドアは開けっ放しになっていて、教室内を見ると圭の後ろ姿があった。圭の前に本木と松井が立っている。
本木はニヤニヤ意地悪い顔で笑っていた。松井も何か爆笑している。
本木が手にしていた水色で取っ手にオレンジ色のリボンがついた紙袋を掲げて中を覗き込んだ。
「うん、まだ何か入ってんのか?」
水色の紙袋に手を乱暴に突っ込んだ。びりっと紙袋が音を立てた。中から赤い包装紙で包まれたものを引っぱりだした。
赤い包装紙にキラキラするシールが貼られていて、細いリボンがついている。見るからにプレゼントかなにかだ。
本木は顔の前まで赤い包みを持って来て、くるっとひっくり返して、それからぽいっと松井の方に投げ渡した。
松井は両手で赤い包みを受け取った。そして手の中の包みを覗き込む用にした後、また笑い出した。
「えー?クッキー?本木君から?なーんてぇ。」
キャハハハ!
松井がケラケラと笑うと、周囲にいた人達の笑い声も聞こえて来た。
本木も意地悪くニヤニヤしている。
教室内にはクラスメートがほぼ全員いるみたいだった。そいつらが、圭達を遠巻きに見ている。面白そうな顔している奴らが半分。
残りは神妙そうな顔をしていたり、興味無さげにスマホを弄ったりしているやつだ。でも誰も、本木と松井と止めようとしていない。
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