半分異世界

月野槐樹

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第2章 ルチル

第24話 ヘルプできました

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「俺は、クォーツ。ギガ天族だ。ヘルプできたのか、と聞いている。」
「へ、ヘルプ‥‥。ヘルプって言ってた‥‥。」

救護班の天使が「ヘルプ」って言ってたからそうだよね。ちょっと自信ないけど、頷いたらクォーツさんがニイィ~と歯を見せて笑った。

「ようこそ!名前は?」
「え、ル、ルチルです。」
「じゃあ、早速頼む!作業に取りかかってくれ!」

クォーツさんが僕の手を引っ張った。僕は部屋の中に入ってしまった。

「さ、作業? あ、あの、何を‥‥。」
「天タブにデータが送られてくるから確認して承認ボタンを押すだけだ。これが君の天タブか。」
「あ、はい。」

僕の天タブですよ!僕専用ですよ!
僕はちらりと天タブを前に出してみせた。えへ!新品だから綺麗でしょ!そうしたらクォーツさんは自分の天タブを僕の天タブの上にかざした。

「うん? 反応ないな?」

何が起こるんだろうと思ったら、何も起きなかったみたいだ。

「アプリが入ってないからか。ちょっとそこのドックでインストールしてくれ。ウィザードでたらそれに従って『進む』を選択すればいいから。」

クォーツさんが指差した先は部屋の隅に置かれた机だった。机の上に何か装置がある。
戸惑って突っ立ってたら、ひょいと天タブを持って行かれて、その装置に差し込まれた。

「あ!」

ビックリしていたら天タブの画面に何かでた。あ、これ読める!「進む」って書いてある!

「進む」を選択しろって言っていたはずだから、押せばいいはず。迷わず進むを押したら画面が切り替わった。今度は「進む」が出てない。
でも、表示されている文字は判った!「ID」だ!
これはちゃんと覚えたから判るよ。キーボードから文字を探して入力していった。僕のIDを入力し終わったら出た!「進む」だ。
「進む」を押したら次に何か画面が切り替わった。

ーーーーガードが設定されていません。このまま続行しますか? 「はい」「いいえ」

「進む」じゃない!これは「はい」かな。「はい」って「進む」ってことだよね。
「はい」を選択した。

ーーーー初期設定を開始します。「進む」
ーーーー指定したアプリをインストールします。「推奨」「カスタム」

わ、また「進む」じゃないボタンがでた。さっき左のボタン押したから、今度は右かな。
何か一杯表示されている画面がでた。よくわからなくて、ぽちぽち弄っていたら「進む」が表示されていたので押した。

ーーーー指定したアプリをインストールします。「進む」
ーーーー65534個のアプリをインストール中‥‥‥

青いバーがどんどん右に増えて行く。じーっとみていたら、「進む」が出たよ。
それからまた「進む」を押していったら、「完了」って出た。これも知ってる!

「できました!」
「おお、結構時間かかったな。」

「完了」が出たのでクォーツさんに言ったら、また天タブを持って来て僕の点タブの上にかざした。
ピロン
何か音がした。

「よし、繋がったな。席はそっちだ。」

机を指さされた。あの机の所に行くの?
言われた机の所に行くと、他の天使が近付いて来た。

「やあ、私はカイヤナイトだよぉ。どんどんデータを送るからよろしくねぇ。」

そういって、また僕の天タブの上に天タブをかざした。
ピロン。

「‥‥。」

どうしていいか判らず天タブの通知を見つめていたら、早くと促された。
大きい椅子によじ上ってその上に座り込む。身体を少し伸ばして机の上の天タブに触れる。ログイン画面になっていたのでパスワードを入力した。
ログインしたら通知が沢山入っていた。

「ほら、通知きてるから。それを下から順番にチェックしていけばいいからね。じゃ、よろしく。」

言われた通り、通知をクリックした。「進む」が出ているからぽち。
また「進む」がでているからポチ!
最初の内は1通知につき「進む」を一回押せば終わっていた。
でも後の方になって、沢山通知が出てきた。
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