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第1章 圭
第12話 目撃されていたらしい
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少し変わって来た事もある。
通学時に藍ちゃんが合流するタイミングが日に日に早くなってきて、ホワイトデー直前の今は僕の家に二人で一緒に迎えにくるようになったんだ。
僕も絵琉ちゃんと一緒に通学したいな。
絵琉ちゃんはからかわれることを気にしているみたいだけど、瑛太と藍ちゃんの事をだれもからかったりしていないよ。
ホワイトデーにプレゼントを渡すタイミングで言ってみようかな。
ぼーっと考えながら歩いていたらいつもよりも更に歩みが遅かったみたいで、瑛太にちょっと心配されちゃった。失敗。
悠宇にも気を遣わせてしまっている気がする。
僕が一番後ろを歩かないようにさりげなく僕の隣か斜め後ろの位置取りをしているみたいなんだ。
「なあ、圭。」
隣を歩いていた悠宇が僕に小声で話しかけて来た。
「うん?何?」
僕たちの前を、瑛太と藍ちゃんが歩いている。二人には聞こえないくらいの小声だ。
「この間さ、見かけたんだけど‥‥。松井と一緒に帰ってるの‥‥。」
「あ‥‥。」
何時見られてたんだろう。‥‥僕はまあ、いいんだけど‥‥。
「つきあってんの?」
「‥‥内緒にしておいてくれる? からかわれるのが嫌なんだって。」
僕も小声で答えた。瑛太と藍ちゃんは何か盛り上がる話題らしくてケラケラ笑っているので聞こえていない。
「え?それって大丈夫なの?」
悠宇が怪訝な顔をした。
「大丈夫って‥‥なにが?」
「からかわれるのが嫌な相手と付き合う?普通‥‥。」
「‥‥。」
悠宇め、いきなり魔核をついてくるとは‥‥。
さては勇者か。
それは僕が気がつかないようにしていた点なんだぞ。
色々考えないようにしていたことはあるんだよ。
絵琉ちゃんが一体僕の何処を気に入ったのか、とか。
未だに手もつないでいない、とか。
歩く速度とか‥‥。
「ねえ。もしかして‥‥からかわれてるんじゃないの?」
「‥‥。今度、はっきり聞いてみるよ。」
悠宇は本当に心配そうな顔をしていた。うわぁ、失敗しちゃったなぁ。
「‥‥まあ、でも一緒に帰ったことがあるだけで手もつないでないよ。」
「なんだあ。ハハ!」
ホッとした様子で悠宇が笑う。いや、なんでホッとするの?うん、つきあっているって程じゃないよね。実際は。
悠宇の笑い声に気がついて、瑛太と藍ちゃんが振り返った。
「なに?何か有った?」
「いやぁ、べっつにぃー。」
藍ちゃんに聞かれて、悠宇が変なポーズをとった。親指を鼻の横に当てて、人差し指と中指、薬指は折り曲げて、小指だけ立てる。
「探偵丸かよ。」
瑛太が反応した。アニメで有名なポーズだったらしい。僕はテレビは見ないからなぁ。
通学時に藍ちゃんが合流するタイミングが日に日に早くなってきて、ホワイトデー直前の今は僕の家に二人で一緒に迎えにくるようになったんだ。
僕も絵琉ちゃんと一緒に通学したいな。
絵琉ちゃんはからかわれることを気にしているみたいだけど、瑛太と藍ちゃんの事をだれもからかったりしていないよ。
ホワイトデーにプレゼントを渡すタイミングで言ってみようかな。
ぼーっと考えながら歩いていたらいつもよりも更に歩みが遅かったみたいで、瑛太にちょっと心配されちゃった。失敗。
悠宇にも気を遣わせてしまっている気がする。
僕が一番後ろを歩かないようにさりげなく僕の隣か斜め後ろの位置取りをしているみたいなんだ。
「なあ、圭。」
隣を歩いていた悠宇が僕に小声で話しかけて来た。
「うん?何?」
僕たちの前を、瑛太と藍ちゃんが歩いている。二人には聞こえないくらいの小声だ。
「この間さ、見かけたんだけど‥‥。松井と一緒に帰ってるの‥‥。」
「あ‥‥。」
何時見られてたんだろう。‥‥僕はまあ、いいんだけど‥‥。
「つきあってんの?」
「‥‥内緒にしておいてくれる? からかわれるのが嫌なんだって。」
僕も小声で答えた。瑛太と藍ちゃんは何か盛り上がる話題らしくてケラケラ笑っているので聞こえていない。
「え?それって大丈夫なの?」
悠宇が怪訝な顔をした。
「大丈夫って‥‥なにが?」
「からかわれるのが嫌な相手と付き合う?普通‥‥。」
「‥‥。」
悠宇め、いきなり魔核をついてくるとは‥‥。
さては勇者か。
それは僕が気がつかないようにしていた点なんだぞ。
色々考えないようにしていたことはあるんだよ。
絵琉ちゃんが一体僕の何処を気に入ったのか、とか。
未だに手もつないでいない、とか。
歩く速度とか‥‥。
「ねえ。もしかして‥‥からかわれてるんじゃないの?」
「‥‥。今度、はっきり聞いてみるよ。」
悠宇は本当に心配そうな顔をしていた。うわぁ、失敗しちゃったなぁ。
「‥‥まあ、でも一緒に帰ったことがあるだけで手もつないでないよ。」
「なんだあ。ハハ!」
ホッとした様子で悠宇が笑う。いや、なんでホッとするの?うん、つきあっているって程じゃないよね。実際は。
悠宇の笑い声に気がついて、瑛太と藍ちゃんが振り返った。
「なに?何か有った?」
「いやぁ、べっつにぃー。」
藍ちゃんに聞かれて、悠宇が変なポーズをとった。親指を鼻の横に当てて、人差し指と中指、薬指は折り曲げて、小指だけ立てる。
「探偵丸かよ。」
瑛太が反応した。アニメで有名なポーズだったらしい。僕はテレビは見ないからなぁ。
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