34 / 55
水鏡編
今、目の前にある、大切な 2
しおりを挟む「……すごいわ。キンバリーさまったら、趣旨をギリギリ保ちつつ、みんなで遊べる時間にしたのね」
きゃあきゃあと遠くから聞こえる無邪気な声に、執務室の窓から一部始終を見ていた私は、笑みをこぼす。
「ランスたちが茂みに入っていったときは、何をする気かしらと不思議だったけれど、あれで隠れたつもりだったのね……」
ランスロットの黒いトラウザーズを穿いたお尻がちょこんと葉の陰から覗いている様子は、とても可愛らしかった。
そして一体なにをするつもりなのかと気になってしまった。執務がちょうどひと段落したのをいいことに、そのまま窓から一連のやり取りを眺め続けていたのだ。
最近はアルフがキンバリーさまから剣の手ほどきを受ける光景が時々見られるようになった芝生の上。今日は、ランスとキンバリーさま、そしてアルフとクルト兄弟の四人が、みな手に木の枝を持って、ぱしんぱしんと軽やかに打ち合っている。
剣術を習い始めたアルフはともかく、ランスとクルトは構えも動きも滅茶苦茶だけれど、四人ともが楽しそうに笑っている。とくにランスとクルトは木の枝の打ち合いに夢中で、ときには芝の上に転がったり尻もちをついたりしながら激しく動き回っている。なんとも子どもらしく、そして男の子らしい、と私はうれしくて堪らない。
「でも、あれでは喉が渇くでしょうね。飲み物の用意をしてあげたほうがいいかもしれないわ」
楽しそうな光景に惹かれ、私はメイドたちに飲み物の用意を頼むと、いそいそと屋敷裏手の芝生を目指して歩く。
「あ、母さまだ!」
ランスが私に気づいて、ぶんぶんと手に持っていた木の枝を振る。あちらこちらに折れた木の枝が何本か転がっているのを見ると、なかなか激しい打ち合いをしていたらしい。
アルフとクルトもこちらを振り向き、笑顔でぺこりと頭を下げる。ひとり、バツが悪そうに苦笑しているのがキンバリーさまだ。
「お疲れさまです、キンバリーさま」
「あ、義姉上、これはですね。別にバームガウラス公爵家の慣例を破った訳ではなくて……」
「わかっていますわ」
ぽりぽりと指で頬を掻くキンバリーさまに、私は笑って答える。
「だって、子どもたちが持っているのは、摸造剣ではありませんもの。これでは剣の手ほどきとは言えませんわ」
「っ! ええ! そうなんですよ、義姉上! 今日はみんなで、木の枝を使って『剣戟ごっこ』をして遊んでいたのです! 決して剣の手ほどきではないのですよ!」
「まあ、それは楽しそうですわね」
私はドレスの隠しからハンカチを取り出し、ランスの汗ばんだ額にそっと当てる。ついでに、髪についた芝もそっと指で取り除いた。後ろでは、マーガレットが同じようにアルフとクルトの汗を拭いてやっている。
「キンバリーさま、どうぞこちらを」
私はもう一枚、予備のハンカチを取り出して、キンバリーさまに手渡した。さすがにランスロットにするように汗を拭いてあげたりしたら失礼になるだろう。
「あ、ありがとうございます、義姉上」
なぜか少しぎくしゃくとした動きになったキンバリーさまは、受け取ったハンカチで汗を拭き始めた。子どもたち三人を相手したから、かなりの運動になったと思うが、さすがは現役騎士、汗はかいても疲れた様子はない。
「あちらに飲み物を用意させましたの。たくさん動いて汗をかいたようですし、水分を補給してくださいな」
バームガウラス公爵家の優秀な使用人たちは、こうして話をしている間に、簡易テーブルと椅子の用意を終えていて、テーブルの上にはグラスと飲み物の入ったピッチャーが置かれていた。
「アルフとクルトもいらっしゃい」
椅子にランスロット、クルト、アルフと順に座らせ、最後にキンバリーさまが座ったのを確認して私も席に着く。
動いて汗をかいたあとだから、持ってきたのは水と果実水、それから果汁。すべて冷やしたものばかりだ。思った通り喉が乾いていたらしく、四人ともがごくごくと勢いよく飲んでいる。
「それにしても楽しそうでしたわね。笑い声が執務室の窓からも聞こえましたわ」
「え? あそこまで聞こえていたんですか? うわ、うるさくして執務の邪魔をしてしまいましたね、すみません、義姉上」
「いいえ、そんな」
キンバリーさまが慌てて謝り始めるものだから、私もつられて早口になる。
「ちょうど執務がひと段落ついたところでしたのよ。それでずっと窓から覗いていましたの。茂みから足とかお尻とか出ているのに気がつかない子どもたちが可愛くて」
思い出し笑いをしながらそう言うと、クルトとランスが揃って「ああ」と声を上げた。
「だから僕たちがあそこにいるって、わかっちゃったのか」
「隠れてたのに、どうしてなんだろうって思ってたんです」
なるほど、と納得しているふたりに、キンバリーさまが言う。
「でも、木の枝での剣戟ごっこは今日だけだ。あとは、正式に剣の手ほどきが受けられるようになるまで待つんだよ」
「ええ~?」
「そんなぁ……」
ランスもクルトも剣術に興味津々のようだ。キンバリーさまの発言が不満らしく、口をとがらせている。あまりキンバリーさまを困らせてはいけないと、私が口を開く。
「学ばせないと言っている訳ではないのよ。ただ、もう少し先になるだけ。ランスは今年から後継者教育が始まったし、クルトも従者として仕えるのなら、それなりに教養は必要だわ。知識は一朝一夕では身につかないの。まずはきちんとそちらを学んでほしいのよ」
「ランスもクルトも、八歳から始められるならいいじゃないか。僕なんか九歳になってやっとだよ?」
私のあとにアルフが続いた。四歳半ばにこの屋敷に移ったアルフは、基本的な教養を学ぶ時期がクルトよりも遅かったため、剣術は一年ずらすことになったのだ。
「は~い」
「わかりました……」
しゅんと肩を落としたふたりを見ると、本当に剣術に興味があるのだとわかる。やらせてあげたいのは山々だが、あとで体の故障につながっても困るし、なかなか判断が難しい。
「……じゃあ、たまに今日みたいに木の枝で剣戟ごっこをすることにしよう。そうだな、体に変なクセがついてもいけないから、半年に一度くらいかな……?」
どうやら同じように感じていたらしいキンバリーさまが、思案しながら妥協案を口にする。
途端、ぱあっとふたりの目が輝いた。
「ホントですか? やったな、ランス!」
「うん! ありがとうございます、叔父上!」
顔を合わせてうれしそうに語るふたりを横目に、キンバリーさまがアルフにそっと耳打ちした。
「アルフもたまには思いきり遊びたいだろう? 剣戟ごっこのときに発散するといいよ」
それを聞いたアルフがぷっと吹き出すのを、私と、そして後ろに控えるマーガレットが微笑ましく見守っていた。
「よ~し。次の剣戟ごっこは半年後だからな。今日は思いきりやるぞ。みんな、私に好きに打ちかかってごらん」
最後にもう一度みんなで遊ぶことに決めたらしいキンバリーさまの掛け声がかかる。
「やあっ!」
「おお、ランス。なかなか強いじゃないか!」
「えい!」
「えいやぁっ!
「よし、いいぞ! アルフもいい調子だ!」
「はいっ!」
「よ~し、僕もっ!」
ぱしんぱしん。ぱしんぱしん。
木の枝で打っているせいか、音になんとも力がなく、四人の動きが激しいわりに不安感はない。
それもすべて、打ちかかる対象がキンバリーさまに限定されているからだろう。子どもたち同士で打ち合うことはなく、三人ともただ楽しそうにキンバリーさまにかかっていくだけ。
そしてキンバリーさまは、枝を打ち払うことはあっても、子どもたちに当てることはない。さすがは王国騎士団に務
める騎士だと感心する。三人の子どもが一斉にかかっても、余裕の対応だ。
キンバリーさまが褒め上手なせいか、ランスロットを含め、子どもたちの動きがどんどん早くなる。そうすると、またキンバリーさまから褒められて、さらに三人が張り切るのだ。
本当に子どもの扱いが上手いひとだと、感心する。楽し気に、けれど一生懸命に剣を振るうランスロットは、先ほど休憩したばかりなのに、もうすっかり汗だくだ。アルフもクルトも、疲れた様子はないけれど、やっぱり汗まみれになっている。
対するキンバリーさまは、まだまだ余裕のようで、汗一つかいていない。けれど四人とも笑顔で楽しそうなのは変わらない。
その穏やかな光景に、私は胸が一杯になって。
そして、なんの前触れもなく、唐突に思い出した。
――ああ、私、前にも似たような光景を見たことがあるわ。
いや、似ているようで、その実はまったく違う。
あれは一度目のとき、キンバリーさまがランスロットに剣の手ほどきをしてくださったときの光景だ。
ランスロットの剣の訓練は、座学教育と同様、バームガウラス家の慣例よりも早く行った。そう、たしか六歳から。
訓練用の小さな摸造剣を贈ってくださったのは、キンバリーさまだった。本来なら父親が贈るべきものだけれど、当然のようにヘンドリックさまから届くことはなくて。
蘇る記憶に、私の胸は、なにかに掴まれたようにぎゅっと苦しくなる。
だってあのとき、私は素直に感謝できなかった。
どうして贈ってくれたのがヘンドリックさまではないのかと、悔しくて、悲しくて、キンバリーさまの顔も、ランスロットの顔も、まともに見られなかった。
……ねえどうして、ヘンドリックさま。私は頑張っているでしょう?
この光景を見たら、きっと私の努力をわかってくださる。
一度でも屋敷に帰ってくだされば、気づいてくださるはずなのに。
どうして、どうしてヘンドリックさまは、屋敷に帰って来てはくださらないの……?
――なんて。
ずっと自分のことばかり。
振り返ってもらえない、努力を評価してくださらないと嘆くばかりで、キンバリーさまに感謝の言葉も言えなかった。
ランスロットに練習用の剣を贈っていただいただけでなく、手ほどきもキンバリーさまがしてくださったのに。
……そうだわ。初めての手ほどきは特別な思い出になるようにって、鍛錬場で行ってくださった。
そして、普段の練習は、芝が広がるここでやっていた。
ここでの練習風景は、少し遠いけれど、私がいつも仕事をしていた執務室の窓からも見ることができた。そう、今日のように。
鍛錬場での初めての手ほどきは見なかったが、ランスロットの進捗状況はいつも気にしていた。
だからよく、執務室の窓からランスロットの練習風景を見ていた。
そう、そうだ。そしてあるとき――
「母さま!」
過去の記憶を掘り返していた私の耳に、ランスロットの明るい声が届く
「今の見てました? 僕、叔父上の体に当てましたよ!」。
またしても汗だくになったランスロットは、にこにこと嬉しそうに木の枝を振っている。
それが、その光景が――。
「ランス……」
笑おうとして、失敗してくしゃりと顔が歪む。日射しが眩しいのだと、誤解してくれるだろうか。
――そう、あのときも、ランスロットは私に向かって手を振った。
執務室の窓際に立つ私の姿なんて、よくよく見なければ、小さくてきっと気づかない。
なのにランスロットは、目ざとく私を見つけて、今みたいに私に向かって手を振った。その手に、キンバリーさまから贈られた子ども用の摸造剣を持って。
あの時のランスロットのほうが、今より少し背が高い。あのときのランスロットのほうが、もう少し年上だ。あのときのランスロットのほうが、感情表現が乏しくて。あのときの……あのときのランスロットのほうが……――
顔は同じでも、今のランスロットの姿と綺麗に重なることはない。記憶にある年齢が違うのだから当たり前のことなのに、重ならない理由はそれだけではないと分かってしまうから。
表情が違う。まとう空気が違う。醸し出す雰囲気が違う。同じ顔、同じ色なのに、まるで印象の異なるふたりのランスに、私の胸はどうしようもない痛みを覚える。
あのとき、一度目の私はなにをした? 訓練中によそ見などもってのほかと、夕食の席でランスロット叱ったのではなかったか?
そしてランスロットは寂しそうに目を伏せて、ごめんなさいと小さな声で――。
謝った。
謝らせてしまった。
ああ、と微かな声が、私の口から洩れる。
「……本当に、一度目の私は、救いようのない愚か者だわ……」
目を伏せ、大きく息を吐いて、今にも零れ落ちそうな涙を逃す。
こんなところで、ランスロットやキンバリーさま、そしてアルフやクルトまでもがいる中で、泣いて心配をかける訳にはいかない。
「母さま?」
「……ごめんなさい。うっかり見逃してしまったわ」
「ええ~? じゃあ、次こそ見ててくださいね!」
「わかったわ」
「絶対ですよ?!」
そう言って、私に背中を向けて、キンバリーさまに向かって走っていく我が子の後ろ姿を見送る。
今のランスロットの明るさに救われると同時に、胸の奥からやるせなさが湧きあがる。
表情なく、淡々と授業を受けていた一度目のランスロット。
なにをするのも笑顔で、楽しそうに取り組む今のランスロット。
声や姿かたちが同じでも、いや、同じだからこそ、決定的な違いが却って際立ってしまう。
そうして、私の内側に、ただただ切なさと後悔ばかりが降り積もっていく。
――だって、それはすべて私のせいだもの。
私が、ランスロットではなく、ヘンドリックさまの影ばかりを追い続けたせいだもの。
「だから、今度こそ、私は間違えたくないの……」
もう恋になど狂わない。もう愛など求めない。決して求めてはいけない。
小さな声でそう呟いた私は、ドレスの隠しからハンカチを取り出そうとして、もうすでにランスロットの汗を拭きと
った後だと気がついた。予備はキンバリーさまに渡してしまっている。
私は後ろを振り返り、離れて控えているマーガレットと視線を合わせる。察したマーガレットがすぐに側まで近寄ると、私は彼女の耳にハンカチのことを囁いた。
「持って来させておりますよ」
気の利くマーガレットはすでに手回し済みで、その言葉と同時に、別のメイドがハンカチを手に進み出る。用意周到なことにハンカチは二枚あった。
「ありがとう、助かるわ」
「いえいえ。それより奥さま。ランスロット坊ちゃまを、ちゃんとご覧にならないと。次も見逃したら、きっと拗ねてしまわれますよ」
「ふふ、そうね。わかったわ」
ハンカチ二枚をテーブルの上に置き、私は視線をランスロットへと向ける。
ランスロットはちょうど、キンバリーさまの右手に打ちかかるところで――。
「えいやっ!」
「うわあ、またやられた~っ! まだ五歳なのにランスはすごいなぁ~」
……絶対わざとだ。わざとランスロットに打たれている。
でも、ランスロットも、クルトも、そしてアルフもそれに気づくことはなく、「やったな」とか「すごいぞ」とか声をかけている。
ランスロットはくるりと振り返り、誇らしげに私を見る。
「今度こそ見ていたわよ。ランス、とても格好よかったわ」
口元に手を当て、大声でそう声をかけると、ランスロットはうれしそうに白い歯を見せて笑う。その笑顔も、一度目には決して見られなかったものだ。
「そろそろ終わりにしようか」
キンバリーさまの声で本日の剣の手ほどき――いや、剣戟ごっこは終了となる。
テーブルに戻って来たランスロットたちは、服まで汗でぐっしょり濡れている。
「ハンカチでは拭ききれないわね」
そうは言いつつ、ランスロットの額や首にハンカチを当てる。ランスロットはくすぐったそうに軽く身体をよじる。
「キンバリーさまはこちらをどうぞ」
「先ほどもお借りしたのに、すみません。それにしても、魔法のように新しいハンカチが出てきますね」
「ふふ、種明かしすると、優秀な使用人たちのお陰ですの」
汗を拭きながら笑うキンバリーさま。果実水のお代わりをするアルフとクルト。果汁を飲むランスロット。四人ともが、ああ楽しかった、と笑い合う。
そんな穏やかで幸せな光景が、当たり前のように見られる今にほっと安堵して、でも気を抜いてはいけないとすぐに気を引き締める。
ランスロット。
今度こそあなたを、あなたの心を、母として守らせてほしいから。
今の幸せに油断しないように、私がこれからも頑張れるように、私に力を与えてほしい。
そう心の中で願う私は、この光景を見ている人物がほかにもうひとりいることなど、もちろん夢にも思っていない。
413
お気に入りに追加
13,435
あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。

お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。