【完結】魅了にかかるなんて間抜けのすること、あなたがそう言いました

冬馬亮

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閑話 ネリア 

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 ネリアは平民で、豊富な魔力を評価されて学園の魔術科に特待生として入学した。


 アルマンドたちより2歳上で、学園は1年だけ一緒だった。

 明るく誰とでも分け隔てなく話すアルマンドは、平民のネリアにも普通に話しかけ、時には貴族の悪意からも庇ってくれた。


 王宮魔術師を目指したのも、アルマンドの役に立ちたかったからだ。

 だから、アルマンドを誑かす令嬢を見張る役目も喜んで受け入れた。
 そしてネリアは、男爵令嬢の体に刻まれた小さな魔術印を見つけたのだ。

 守護の魔道具を身につけている筈のアルマンドが魅了にかかった理由は謎だったが、禁忌魔法に手を出した男爵令嬢の罪は明らかだ。

 これで最近のアルマンドの不名誉な噂も消えると思っていた。婚約者との誤解も解け、また仲睦まじい2人に戻るだろうと。

 だが、話し合いの後のアルマンドは酷く焦燥していて、最後には自ら命を絶ってしまった。

 その後、アルマンドの指輪が偽物にすり替わっていた事が判明した。
 すり替えが誰によって、いつなされたのかも。


 信じられなくて、そこまでアルマンドを追い込んだ2人が許せなくて、どうしても酷い目に遭わせてやりたくて。

 ネリアは禁書が保管されている部屋に忍び込んだ。


 けれど呆気なく捕まり、理由を問われて正直に話した。


『魅了魔法にかかるなんて間抜けのすること』とアルマンドを馬鹿にした2人に、逆に魅了をかけて嘲笑ってやりたかったと。


 ネリアが自分の計画を話すと、カーデンツァーは言った。


「君も魔術師だから知ってるよね? 自分の魔力量を超える力を使い続ければ、遠からず死んでしまうよ。
 あいつらには、私たちが必ず自分たちが犯した罪の代償を払わせる。加担した親ともども許しはしない。証拠も揃いつつあるんだ」

「いえ。私にも、どうか私にも何かさせてください。証拠保管庫に忍び込んだ時点で私は罪人です。しかも私が狙ったのは禁書、男爵家で処刑なのです。私の罪がそれに劣るとは思いません」

「君は未遂だ」

「私は平民です。より罪は重くなる筈」

「・・・そんなにあいつらに復讐したいのかい? 死んでも構わないと思う程に?」


 ネリアは力強く頷いた。


「はい。どうせ死ぬのなら・・・」



 たとえ自己満足にすぎなくても、それで彼らに一矢報いる事ができるなら―――


 









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