ただあなたを守りたかった


ビウンデルム王国の第三王子ベネディクトは、十二歳の時の初めてのお茶会で出会った令嬢のことがずっと忘れられずにいる。

ひと目見て惹かれた。だがその令嬢は、それから間もなく、体調を崩したとかで領地に戻ってしまった。以来、王都には来ていない。

ベネディクトは、出来ることならその令嬢を婚約者にしたいと思う。

両親や兄たちは、ベネディクトは第三王子だから好きな相手を選んでいいと言ってくれた。
その令嬢にとって王族の責務が重圧になるなら、臣籍降下をすればいい。
与える爵位も公爵位から伯爵位までなら選んでいいと。

令嬢は、ライツェンバーグ侯爵家の長女、ティターリエ。

ベネディクトは心を決め、父である国王を通してライツェンバーグ侯爵家に婚約の打診をする。

だが、程なくして衝撃の知らせが王城に届く。

領地にいたティターリエが拐われたというのだ。

どうしてだ。なぜティターリエ嬢が。

婚約はまだ成立しておらず、打診をしただけの状態。

表立って動ける立場にない状況で、ベネディクトは周囲の協力者らの手を借り、密かに調査を進める。

ただティターリエの身を案じて。


そうして明らかになっていく真実とはーーー






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ビターエンド→たぶんハッピーエンド
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