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翔と悠
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「俺、西野と付き合う事になった」
仲のいい幼馴染がそう言った。
初めはあっそ、っと思っていたがこの苦しさはなんだろう。
ー3時間前。「あー。俺、西野の顔面どタイプだわ」
そう言ってきたのは俺の幼馴染の橋本悠。
可愛い女子が大好きで結構モテる。でも付き合ったことはないらしい。
「翔は気になる子いないの?イケメンなのにもったいない」
坂口翔。翔というのは俺のことだ。
俺は告られたことはちょっとあるけどモテるとは言わない。
「お前にイケメンとか言われると侮辱にしか聞こえないのなんだろう」
褒めてんのに、と小さな声で悠が言った。
悠はすっと立ち上がるとトイレ、と言っていなくなった。
悠がいないと静かだ。
何故か時が止まったみたいになる。
ずっと前から一緒にいるから2人じゃないと気になる。
悠はよく、告られた。って簡単に言ってくる。
そんなにモテるやつはいいよな。
俺なんか一回告られただけでもだいぶドキドキすんのに。
こんなに落ち着ける悠はおかしいよ。
うん。俺が正常。
悠がトイレから帰ってきた。
「なあ。今日一緒に帰れる?ゲーセン寄ろうぜ」
「おお。いいな」
家は隣で家族ぐるみで仲が良く、部活がない日はいつも一緒に帰ってる。
「あ、でもなんか朝、靴箱に放課後『校舎裏で』って書いてるメモ書きあったな」
「どうせまた告白だろ」
メモ書きをひらひらしながら悠は、西野だったら付き合うかも。と冗談半分で言っていた。
だが放課後、その予想は的中した。
「昼休み言ったこと覚えてる?俺、西野と付き合う事になった」
「おめでとー。よかったっすね」
からかっている風にこう言った。
どうだっていいよ、勝手に付き合っておいてくれ。
「だから今日ゲーセンいけねえわ。わるい」
「はー。まあいいよ。じゃあな」
どうせこのままデートとかだろ、俺にとったら次元の違う話だよ。
俺抜きでお幸せに。
ー次の日
「おはよー」
悠が学校で話しかけてきた。
「デートどうだった?」
幼馴染の恋愛話だから少し気になる。
すると、悠はスマホを出してこう言った。
「ほれ。メールアドレス」
自慢げにスマホを俺に突き出し、可愛かったな。と言っていた。
「俺の前でのろけるな。怒るぞ」
わりー、わりーと言いながらスマホをしまった。
別に付き合ってるのが嫌ってわけじゃないんだけど、イチャイチャされてるみたいでのろけは嫌いだ。
しばらくの沈黙の後、先生が入ってきて「授業始めるぞー。座れー」と言ったので、じゃあな。とわかれた。
他の人の恋バナはムカつかないのになんで悠だけむかつくんだろう。
わかった。
"俺、西野のことが好きなのか?"
仲のいい幼馴染がそう言った。
初めはあっそ、っと思っていたがこの苦しさはなんだろう。
ー3時間前。「あー。俺、西野の顔面どタイプだわ」
そう言ってきたのは俺の幼馴染の橋本悠。
可愛い女子が大好きで結構モテる。でも付き合ったことはないらしい。
「翔は気になる子いないの?イケメンなのにもったいない」
坂口翔。翔というのは俺のことだ。
俺は告られたことはちょっとあるけどモテるとは言わない。
「お前にイケメンとか言われると侮辱にしか聞こえないのなんだろう」
褒めてんのに、と小さな声で悠が言った。
悠はすっと立ち上がるとトイレ、と言っていなくなった。
悠がいないと静かだ。
何故か時が止まったみたいになる。
ずっと前から一緒にいるから2人じゃないと気になる。
悠はよく、告られた。って簡単に言ってくる。
そんなにモテるやつはいいよな。
俺なんか一回告られただけでもだいぶドキドキすんのに。
こんなに落ち着ける悠はおかしいよ。
うん。俺が正常。
悠がトイレから帰ってきた。
「なあ。今日一緒に帰れる?ゲーセン寄ろうぜ」
「おお。いいな」
家は隣で家族ぐるみで仲が良く、部活がない日はいつも一緒に帰ってる。
「あ、でもなんか朝、靴箱に放課後『校舎裏で』って書いてるメモ書きあったな」
「どうせまた告白だろ」
メモ書きをひらひらしながら悠は、西野だったら付き合うかも。と冗談半分で言っていた。
だが放課後、その予想は的中した。
「昼休み言ったこと覚えてる?俺、西野と付き合う事になった」
「おめでとー。よかったっすね」
からかっている風にこう言った。
どうだっていいよ、勝手に付き合っておいてくれ。
「だから今日ゲーセンいけねえわ。わるい」
「はー。まあいいよ。じゃあな」
どうせこのままデートとかだろ、俺にとったら次元の違う話だよ。
俺抜きでお幸せに。
ー次の日
「おはよー」
悠が学校で話しかけてきた。
「デートどうだった?」
幼馴染の恋愛話だから少し気になる。
すると、悠はスマホを出してこう言った。
「ほれ。メールアドレス」
自慢げにスマホを俺に突き出し、可愛かったな。と言っていた。
「俺の前でのろけるな。怒るぞ」
わりー、わりーと言いながらスマホをしまった。
別に付き合ってるのが嫌ってわけじゃないんだけど、イチャイチャされてるみたいでのろけは嫌いだ。
しばらくの沈黙の後、先生が入ってきて「授業始めるぞー。座れー」と言ったので、じゃあな。とわかれた。
他の人の恋バナはムカつかないのになんで悠だけむかつくんだろう。
わかった。
"俺、西野のことが好きなのか?"
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※2022年8月、改稿してタイトルを変更しました(旧題:俺の純情を返せ ~初恋の幼馴染みが小悪魔だった件~)。
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