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私はもう逃げられない(完)
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魔封石から放たれたからか、あるいはアリアの精神力が強かったのか、夢はすでに全快に近かった。
その夢の主、最強のハイエルフ、アリア=サレストを組み敷いて、そのスレンダーな肢体に両手を添える。
片手は心臓の真上。
もう片方は秘部の上。
そして、管化した爪からありったけの媚薬を流し込む。
僅かに不安げな顔をするアリアの頭を撫でた。
「心配しないで良い。狂うようなものじゃない」
自分の服も消して、華奢な体を抱きしめた。
◇
よく筋肉の付いた、均整の取れた体を重ねられる。
今にして思えば、この体も彼の不遇の裏返しなのかもしれない。
精神攻撃特化のヘルディが鍛える理由なんて、普通はないはずだから。
背中に腕を回されて、強く抱きしめられる。火照った体に、ヘルディの低めの体温が心地いい。心音が重なると安心する。
「あっ……」
ヘルディの皮膚に乳首が擦れて声が出た。
そしてじくじくと、その刺激が長く居座るものだから、アリアは断続的に嬌声を漏らす。
「あ、ああっ……。な、んで」
受けた快楽が引かない。
回された腕が後頭部に回って、体を少し起こされる。
頬擦りされて、囁かれた。
「長く残るでしょ。そういう媚薬だよ。だから……」
「あああ……っ」
ずぶずぶと秘部に指を突き入れられて、Gスポットを擦って抜かれる。
その、挿入と抜出しの快楽が同時に膣内に留まって、頭がびりびりと痺れた。
「ああう、う、ああっ、これっ! だ、め……っ」
「他の人には見せられないね。そんな蕩けた顔」
「言わないでっ、くだ、さい、ぃ、ぁあっ、ああう、うあああああっ!」
何度も指を抽挿されて、留まった快楽が蓄積される。
勝手に太腿が合わさってヘルディの手を挟み込む。子宮が痛いぐらいに収縮して下腹部がせりあがった。
ブリッジのように背を反って、絶頂が近づいてきた時に、ヘルディは指を抜く。
今からが本番なのだろう、というのはアリアもわかっていた。
指より重さも大きさもあるヘルディ自身をあてがわれて、確認のように首を傾げられる。
「いい?」
小さく頷くと、こくりと生唾を呑む音が聞こえた。
この男も繕えないぐらい興奮しているのだと思うと、仕返しができたようで少しだけ嬉しい。
しかし、そんなことを考えていられたのも一瞬で、
「挿れるよ」
「かはっ、あっ、ぁぁああああああああああっ!」
今までのとは桁違いの圧迫感に、搾りだされるように声が出た。
嬌声、というにはあまりにも必死な、甘く淫らな叫び声が勝手に迸る。指での刺激とは違う重厚な快楽が重く芯に突き刺さる。しかも媚薬で持続する。
「ああああっ、っく、ぅあ、あああっ!」
「ゆっくり息を吸うと良い。……動くよ」
「待っ、て! ま、ってぇ、ぁあ、うあっ! これ、すぐイく、イ……っ」
呼吸なんて気にしている暇がなかった。
ゆっくりと入り込んできて、子宮口まで深く差し入れられ、ぐりぐりと押し込まれる。
最奥を押され、さらにGスポットも圧迫感と共に強く刺激されて、アリアは強くヘルディの体を抱きしめた。
「イく、イくっ、イっくぅぅうあああああああああああっ!」
子宮から体が弾け飛ぶかと思った。視界は明滅して、きゅ、と尻割れに力が入る。つま先がぴんと伸びて、壊れないように必死で逞しい体を掻き抱く。
「ふ、ぅ……。すごい、締まるなぁ」
「あう、うう……っ」
「ごめん、アリア」
―――もう、我慢できそうにない。
霞がかった意識に、その言葉だけが突き刺さった。
ヘルディの腕が、それぞれアリアの膝裏に通される。そのまま肩口まで持ち上げられる。
M字というよりもはやV字にされて、内腿の筋も秘部も天に向けさせられて、顔から火が出そうになった。
「やっ、こんな、体勢……っ」
「文句は後で聞く」
急くようにして、ヘルディの体重が、上から肉壺に突き刺さる。
もう無理、というところからさらに子宮を押しつぶされて、もうタガが壊れたアリアは小刻みに絶頂を繰り返した。
「あっ、あんっ、んうっ、はあああ、ああああっ! あ、ああ、くううっ!」
「は、は……。すごく、綺麗だ」
ヘルディの顔と腕で視界が埋まる。
互いの吐息で互いに息をするような距離間で囁かれる甘い言葉がぐずぐずに溶けた芯に染み渡る。
でも、私だけ乱れて、馬鹿みたい、だから。
―――あなたも、溶けろ。
溺れて必死に手を伸ばすように、ヘルディの前髪を掴んで引き寄せる。
汗に濡れて、湿った息を吐き、それでも唇の端に残った彼の笑みを舐めとるように唇を合わせる。
「んうっ、うう、んむうっ! ちゅ、ちう、……んっ!」
「ん……っ」
ばちゅん、ばちゅんっ、と淫らな水音が連続して、その度に意識が飛びそうなぐらいの快楽に見舞われながらも、必死に舌をねじ込む。ヘルディもそれに応えるように舌を絡め、すぐに攻守が逆転する。
深い口づけと、肉襞がめくりあがるような激しい抽挿で何度も果てながら、絶頂自体がどんどん深くなっていく。
「んう、ふうあっ! あああ! あゔっ、ううゔゔゔゔゔっ!」
魔力量も、地位も、できることも、全て上回っているはずなのに、いざとなるといつだって踊らされる。
支配されている。従わされている。蹂躙されている。
そう考えれば考えるほど、体が熱く昂ってしまう。
「……、ア、リア」
「な、んです、か……。はあ、あっ」
ぐぐ、とさらに硬さと大きさを増した陰茎を突き入れて、ヘルディが切羽詰まった声を出す。
前を向くと、初めて彼が、左右対称の自然な笑みを浮かべていた。
「好きだよ」
「…………ひ、あっ」
全身を熱が駆け巡る。
そして、ひときわ強く腰を打ち付けられて、アリアは大絶頂に呑み込まれた。
「あああっ! イ……―――――~~~~っ!」
「アリア、……く、うっ」
一回果てても止まらない。
持続する快楽と、ヘルディの言葉で駆け巡った桃色の熱と、さらにどくどくと子宮に熱い樹液を注ぎ込まれて、アリアは両足をヘルディの腰に巻き付ける。
「イく、あ、またっ、くううっ、あああっ!」
悔しいから絶対に好きなんて言ってやらないけど。
ああ、私はもう。
―――逃げられない。
「イくぅぅううううううううっ!」
ヘルディの腕の中に閉じ込められて、何度も何度もアリアは体を震わせた。
◇
全てが終わって、どろどろになった体を湖で清めてから、ヘルディは雑音のない素敵な世界で伸びをする。
「追手とか大丈夫かな。というか、こっちでも左腕は失くしたほうが良いのかな。早く慣れないといけないしなあ……。どう思う?」
呼びかけても返事はない。
ハイエルフは黒いローブを被り、てるてる坊主みたいになって頭を抱えている。
「……必要に迫られてだったとはいえ、何度もあんな……、なんてはしたない……っ!」
「なんなの? 反省会が趣味なの?」
「誰のせいで……っ!」
「君のせいでしょ。有難かったけど」
「ぐく……っ」
今回ばかりはこちらに非はない、はずだ。
それに、と言ってヘルディはある樹の幹を指さす。
「君もたぶん、嫌じゃなかったんだろう?」
「さあ、どうでしょうか」
「だって、ほらあれ」
その樹は、いつもアリアが現れる場所に生えている。多分、精神世界の中心点。
その根元に、花弁を分け合うように、翡翠色と黒とで半々に染まった不思議な花が咲いていた。
「………………」
「ほら、ね? ほらほら」
「……うるさいですよ」
口ではそう言うが、腕を回しても拒まれない。
しっとりとした熱を感じながら、アリアの髪を撫でて、ヘルディは目を閉じる。
―――本当は、そろそろ起きないといけないけど。
もう、少しだけ。
雑音のない夢の中で、華奢な体を抱きしめた。
その夢の主、最強のハイエルフ、アリア=サレストを組み敷いて、そのスレンダーな肢体に両手を添える。
片手は心臓の真上。
もう片方は秘部の上。
そして、管化した爪からありったけの媚薬を流し込む。
僅かに不安げな顔をするアリアの頭を撫でた。
「心配しないで良い。狂うようなものじゃない」
自分の服も消して、華奢な体を抱きしめた。
◇
よく筋肉の付いた、均整の取れた体を重ねられる。
今にして思えば、この体も彼の不遇の裏返しなのかもしれない。
精神攻撃特化のヘルディが鍛える理由なんて、普通はないはずだから。
背中に腕を回されて、強く抱きしめられる。火照った体に、ヘルディの低めの体温が心地いい。心音が重なると安心する。
「あっ……」
ヘルディの皮膚に乳首が擦れて声が出た。
そしてじくじくと、その刺激が長く居座るものだから、アリアは断続的に嬌声を漏らす。
「あ、ああっ……。な、んで」
受けた快楽が引かない。
回された腕が後頭部に回って、体を少し起こされる。
頬擦りされて、囁かれた。
「長く残るでしょ。そういう媚薬だよ。だから……」
「あああ……っ」
ずぶずぶと秘部に指を突き入れられて、Gスポットを擦って抜かれる。
その、挿入と抜出しの快楽が同時に膣内に留まって、頭がびりびりと痺れた。
「ああう、う、ああっ、これっ! だ、め……っ」
「他の人には見せられないね。そんな蕩けた顔」
「言わないでっ、くだ、さい、ぃ、ぁあっ、ああう、うあああああっ!」
何度も指を抽挿されて、留まった快楽が蓄積される。
勝手に太腿が合わさってヘルディの手を挟み込む。子宮が痛いぐらいに収縮して下腹部がせりあがった。
ブリッジのように背を反って、絶頂が近づいてきた時に、ヘルディは指を抜く。
今からが本番なのだろう、というのはアリアもわかっていた。
指より重さも大きさもあるヘルディ自身をあてがわれて、確認のように首を傾げられる。
「いい?」
小さく頷くと、こくりと生唾を呑む音が聞こえた。
この男も繕えないぐらい興奮しているのだと思うと、仕返しができたようで少しだけ嬉しい。
しかし、そんなことを考えていられたのも一瞬で、
「挿れるよ」
「かはっ、あっ、ぁぁああああああああああっ!」
今までのとは桁違いの圧迫感に、搾りだされるように声が出た。
嬌声、というにはあまりにも必死な、甘く淫らな叫び声が勝手に迸る。指での刺激とは違う重厚な快楽が重く芯に突き刺さる。しかも媚薬で持続する。
「ああああっ、っく、ぅあ、あああっ!」
「ゆっくり息を吸うと良い。……動くよ」
「待っ、て! ま、ってぇ、ぁあ、うあっ! これ、すぐイく、イ……っ」
呼吸なんて気にしている暇がなかった。
ゆっくりと入り込んできて、子宮口まで深く差し入れられ、ぐりぐりと押し込まれる。
最奥を押され、さらにGスポットも圧迫感と共に強く刺激されて、アリアは強くヘルディの体を抱きしめた。
「イく、イくっ、イっくぅぅうあああああああああああっ!」
子宮から体が弾け飛ぶかと思った。視界は明滅して、きゅ、と尻割れに力が入る。つま先がぴんと伸びて、壊れないように必死で逞しい体を掻き抱く。
「ふ、ぅ……。すごい、締まるなぁ」
「あう、うう……っ」
「ごめん、アリア」
―――もう、我慢できそうにない。
霞がかった意識に、その言葉だけが突き刺さった。
ヘルディの腕が、それぞれアリアの膝裏に通される。そのまま肩口まで持ち上げられる。
M字というよりもはやV字にされて、内腿の筋も秘部も天に向けさせられて、顔から火が出そうになった。
「やっ、こんな、体勢……っ」
「文句は後で聞く」
急くようにして、ヘルディの体重が、上から肉壺に突き刺さる。
もう無理、というところからさらに子宮を押しつぶされて、もうタガが壊れたアリアは小刻みに絶頂を繰り返した。
「あっ、あんっ、んうっ、はあああ、ああああっ! あ、ああ、くううっ!」
「は、は……。すごく、綺麗だ」
ヘルディの顔と腕で視界が埋まる。
互いの吐息で互いに息をするような距離間で囁かれる甘い言葉がぐずぐずに溶けた芯に染み渡る。
でも、私だけ乱れて、馬鹿みたい、だから。
―――あなたも、溶けろ。
溺れて必死に手を伸ばすように、ヘルディの前髪を掴んで引き寄せる。
汗に濡れて、湿った息を吐き、それでも唇の端に残った彼の笑みを舐めとるように唇を合わせる。
「んうっ、うう、んむうっ! ちゅ、ちう、……んっ!」
「ん……っ」
ばちゅん、ばちゅんっ、と淫らな水音が連続して、その度に意識が飛びそうなぐらいの快楽に見舞われながらも、必死に舌をねじ込む。ヘルディもそれに応えるように舌を絡め、すぐに攻守が逆転する。
深い口づけと、肉襞がめくりあがるような激しい抽挿で何度も果てながら、絶頂自体がどんどん深くなっていく。
「んう、ふうあっ! あああ! あゔっ、ううゔゔゔゔゔっ!」
魔力量も、地位も、できることも、全て上回っているはずなのに、いざとなるといつだって踊らされる。
支配されている。従わされている。蹂躙されている。
そう考えれば考えるほど、体が熱く昂ってしまう。
「……、ア、リア」
「な、んです、か……。はあ、あっ」
ぐぐ、とさらに硬さと大きさを増した陰茎を突き入れて、ヘルディが切羽詰まった声を出す。
前を向くと、初めて彼が、左右対称の自然な笑みを浮かべていた。
「好きだよ」
「…………ひ、あっ」
全身を熱が駆け巡る。
そして、ひときわ強く腰を打ち付けられて、アリアは大絶頂に呑み込まれた。
「あああっ! イ……―――――~~~~っ!」
「アリア、……く、うっ」
一回果てても止まらない。
持続する快楽と、ヘルディの言葉で駆け巡った桃色の熱と、さらにどくどくと子宮に熱い樹液を注ぎ込まれて、アリアは両足をヘルディの腰に巻き付ける。
「イく、あ、またっ、くううっ、あああっ!」
悔しいから絶対に好きなんて言ってやらないけど。
ああ、私はもう。
―――逃げられない。
「イくぅぅううううううううっ!」
ヘルディの腕の中に閉じ込められて、何度も何度もアリアは体を震わせた。
◇
全てが終わって、どろどろになった体を湖で清めてから、ヘルディは雑音のない素敵な世界で伸びをする。
「追手とか大丈夫かな。というか、こっちでも左腕は失くしたほうが良いのかな。早く慣れないといけないしなあ……。どう思う?」
呼びかけても返事はない。
ハイエルフは黒いローブを被り、てるてる坊主みたいになって頭を抱えている。
「……必要に迫られてだったとはいえ、何度もあんな……、なんてはしたない……っ!」
「なんなの? 反省会が趣味なの?」
「誰のせいで……っ!」
「君のせいでしょ。有難かったけど」
「ぐく……っ」
今回ばかりはこちらに非はない、はずだ。
それに、と言ってヘルディはある樹の幹を指さす。
「君もたぶん、嫌じゃなかったんだろう?」
「さあ、どうでしょうか」
「だって、ほらあれ」
その樹は、いつもアリアが現れる場所に生えている。多分、精神世界の中心点。
その根元に、花弁を分け合うように、翡翠色と黒とで半々に染まった不思議な花が咲いていた。
「………………」
「ほら、ね? ほらほら」
「……うるさいですよ」
口ではそう言うが、腕を回しても拒まれない。
しっとりとした熱を感じながら、アリアの髪を撫でて、ヘルディは目を閉じる。
―――本当は、そろそろ起きないといけないけど。
もう、少しだけ。
雑音のない夢の中で、華奢な体を抱きしめた。
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