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ナスチャの責め
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目を覚ましても、意識には霞がかかったようだった。
ヘルディはゆっくりと肩口を見る。左腕は根元から切断されて包帯が巻かれていた。
奇跡的に回復、とか少しは期待していたけれど、やっぱり駄目だったようだ。
「馬鹿ね」
「……ナス、チャか」
声を出すと妙に喉が粘ついた。体を起こそうとするも、押しとどめられる。
「安静に。傷もそうだけど、熱も出てるから」
「きみ、仕事は?」
「終わらせてきたわよ。というか、お礼の一言もないのかしら? 火傷を冷やしてあげたのも、そもそも助けてあげたのも私なんだけど?」
「ああ、そうだね。ありがとう」
「心が籠ってないわねぇ……」
「そんなことないさ。感謝している」
ナスチャがいなければ、必要な準備は終わらせられなかった。
ベッドに横になったまま、ヘルディは問う。
「僕の左腕、ちゃんと回収してある?」
「炭化してるけど、一応。どうする気?」
「記念に部屋に飾るよ」
「悪趣味極まりないわね……」
「綺麗な人をずぶずぶに汚くしたがる君には言われたくないな」
変に制作者の淫気を纏った工芸品より、元は自分の体だったものを飾った方が心が安らぐ。
早くちょうだいね、と催促して、ヘルディはそれきり口をつぐむ。
ナスチャの手前、みっともないことになるのはこらえているが、正直に言えばのたうち回りそうだった。切断面から、想像以上の痛みが走る。そのうえ、ないはずの左腕がずきずきと疼くような感じさえする。
顔をしかめて、右手で追い払うような仕草をすると、ナスチャはそれだけで何かを察したのか、立ち上がる。
「さて、じゃあ私は行くけれど。本当に安静にしてなさいね」
「ああ……」
抑えようとして抑えきれなかったような、控えめな雑さでドアが閉まった。
◇
演じるように、完璧に美しく言動を飾るナスチャにしては珍しいことに、歩き方からも怒りが透けて見えた。
ミクファ¬=スカーレット。
彼女は絶対に許しはしない。
そして、間接的にヘルディの手を煩わせたアリア=サレストも同類だ。
階段を下りて、石牢の重厚なドアを開ける。甘酸っぱい匂いがつんと鼻を刺激し、暗い牢の奥で吊られている虜囚の喘ぎ声が聞こえる。
休む時間は与えていない。今もアリアは、陰核と二穴に触手責めを受けて細い腰を悩ましくうねらせている。
「あ、ぁぁ……っ、くうっ、ああ……っ」
「良いご身分、ねっ!」
―――ヘルディが重傷でのたうち回っているのに、快楽に喘いでいるだけで良いなんて。
その状況をつくったのが自分であるということは棚に上げて、水球をアリアの腹部に叩きつけた。
痛みに悶えるアリアの前髪を掴んで持ち上げる。
「がっ、ああっ!」
「そうよ。もっと醜く苦しみなさい」
「……う、るさい、ですよ。この、三流……っ」
「へえ、下の口はこんなに堕ちているのに、そんなこと言えるのね」
「ふぅぅ、あああっ!」
触手をはがして、粘液と愛液で濡れに濡れた陰部に指をねじ込む。痛みを与えようと、三本の指をねじ込んだが、アリアはそれでもはっきりと官能を示す。
「気持ち良いでしょう?」
「気持ち良くなど、ない……っ」
「ああそう、じゃあもっと激しくしないとね」
ナスチャが軽く指を振ると、常備してある水が眼前に浮く。
アリアをすっぽりと包めそうなほどに膨張した水球に、ナスチャはピンク色の液体を流し込んだ。
「ヘルディの媚薬よ。これで全身可愛がってあげる」
「……好きに、したらいい」
毒々しい色に染まる水を見ても、アリアの目から反抗的な色が消えない。
ナスチャがいない時間がしばらくあったせいで、復活してしまったようだ。
小さく息を吸って、ナスチャは余裕を誇示する笑みを貼り付ける。
「そう。じゃあ好きにさせてもらうわよ」
そして、ピンク色の水でアリアの全身を覆いつくした。
「ひ、う……っ」
「じわじわ熱くなるでしょう。でも、まだこれからよ」
覆いつくしただけで終わるわけがない。
水の流れをうまく操って、愛撫を加える。
体感としては、何百何千もの舌に全身を舐められているような刺激を受けて、アリアの唇が薄く開いた。
「あ、あああ……っ、あ、くあああああっ!」
「すぐに悶えるようになったわねぇ。恥とか知らないの?」
「そんな、の……っ! あ、あああ、あ、あ……そこ、はっ」
より汚く、より恥を叩きつける。
水の蠢きで肛門を集中的に刺激する。硬く窄まった襞を丁寧に舐めて、蟻の戸渡から撫であげたり、尻割れを広げて集中的に菊座の穴を責めたりする。
既に開発が終わっている肛門への集中責めで、アリアは吊られた体をがくがくと震わせる。
「もうイクの? しかもお尻で。恥ずかしいわねぇ。誇りはないの?」
「くあ、あああっ、そんな、激しく、され、たら……っ、誰、だって!」
「そんなわけないでしょ。この淫乱」
顎を持ち上げて、目を見つめる。
涙の膜を張り、快楽に歪む顔を見続けて、ナスチャは囁いた。
「さあ、イキなさい」
「あっ、あああっ、くあ、ああっ! ああああああああああっ!」
ぱちゃん、とアリアの大きな震えで水が弾けた。
イく、という宣言すらなかったものの、震える全身と熱い吐息から、アリアが果てたのは明らかだった。
とろ、と水にアリアの潮が混ざるのを見て、ナスチャは笑って、責めをさらに強くした。
ふやけきった肛門に加えて、乳首と陰核、さらに膣奥まで愛撫の対象にされ、アリアは狂乱する。
「あああああああああっ! はげ、しっ、くううううああああああっ!」
「そうそう。それぐらい必死なほうが良いわよ」
復活したなら、また折るだけだ。
まあ三日もあれば十分だろう。
ばしゃばしゃと溺れたようにピンクの水の中で暴れるアリアを眺めて、ナスチャは妖艶に笑った。
ヘルディはゆっくりと肩口を見る。左腕は根元から切断されて包帯が巻かれていた。
奇跡的に回復、とか少しは期待していたけれど、やっぱり駄目だったようだ。
「馬鹿ね」
「……ナス、チャか」
声を出すと妙に喉が粘ついた。体を起こそうとするも、押しとどめられる。
「安静に。傷もそうだけど、熱も出てるから」
「きみ、仕事は?」
「終わらせてきたわよ。というか、お礼の一言もないのかしら? 火傷を冷やしてあげたのも、そもそも助けてあげたのも私なんだけど?」
「ああ、そうだね。ありがとう」
「心が籠ってないわねぇ……」
「そんなことないさ。感謝している」
ナスチャがいなければ、必要な準備は終わらせられなかった。
ベッドに横になったまま、ヘルディは問う。
「僕の左腕、ちゃんと回収してある?」
「炭化してるけど、一応。どうする気?」
「記念に部屋に飾るよ」
「悪趣味極まりないわね……」
「綺麗な人をずぶずぶに汚くしたがる君には言われたくないな」
変に制作者の淫気を纏った工芸品より、元は自分の体だったものを飾った方が心が安らぐ。
早くちょうだいね、と催促して、ヘルディはそれきり口をつぐむ。
ナスチャの手前、みっともないことになるのはこらえているが、正直に言えばのたうち回りそうだった。切断面から、想像以上の痛みが走る。そのうえ、ないはずの左腕がずきずきと疼くような感じさえする。
顔をしかめて、右手で追い払うような仕草をすると、ナスチャはそれだけで何かを察したのか、立ち上がる。
「さて、じゃあ私は行くけれど。本当に安静にしてなさいね」
「ああ……」
抑えようとして抑えきれなかったような、控えめな雑さでドアが閉まった。
◇
演じるように、完璧に美しく言動を飾るナスチャにしては珍しいことに、歩き方からも怒りが透けて見えた。
ミクファ¬=スカーレット。
彼女は絶対に許しはしない。
そして、間接的にヘルディの手を煩わせたアリア=サレストも同類だ。
階段を下りて、石牢の重厚なドアを開ける。甘酸っぱい匂いがつんと鼻を刺激し、暗い牢の奥で吊られている虜囚の喘ぎ声が聞こえる。
休む時間は与えていない。今もアリアは、陰核と二穴に触手責めを受けて細い腰を悩ましくうねらせている。
「あ、ぁぁ……っ、くうっ、ああ……っ」
「良いご身分、ねっ!」
―――ヘルディが重傷でのたうち回っているのに、快楽に喘いでいるだけで良いなんて。
その状況をつくったのが自分であるということは棚に上げて、水球をアリアの腹部に叩きつけた。
痛みに悶えるアリアの前髪を掴んで持ち上げる。
「がっ、ああっ!」
「そうよ。もっと醜く苦しみなさい」
「……う、るさい、ですよ。この、三流……っ」
「へえ、下の口はこんなに堕ちているのに、そんなこと言えるのね」
「ふぅぅ、あああっ!」
触手をはがして、粘液と愛液で濡れに濡れた陰部に指をねじ込む。痛みを与えようと、三本の指をねじ込んだが、アリアはそれでもはっきりと官能を示す。
「気持ち良いでしょう?」
「気持ち良くなど、ない……っ」
「ああそう、じゃあもっと激しくしないとね」
ナスチャが軽く指を振ると、常備してある水が眼前に浮く。
アリアをすっぽりと包めそうなほどに膨張した水球に、ナスチャはピンク色の液体を流し込んだ。
「ヘルディの媚薬よ。これで全身可愛がってあげる」
「……好きに、したらいい」
毒々しい色に染まる水を見ても、アリアの目から反抗的な色が消えない。
ナスチャがいない時間がしばらくあったせいで、復活してしまったようだ。
小さく息を吸って、ナスチャは余裕を誇示する笑みを貼り付ける。
「そう。じゃあ好きにさせてもらうわよ」
そして、ピンク色の水でアリアの全身を覆いつくした。
「ひ、う……っ」
「じわじわ熱くなるでしょう。でも、まだこれからよ」
覆いつくしただけで終わるわけがない。
水の流れをうまく操って、愛撫を加える。
体感としては、何百何千もの舌に全身を舐められているような刺激を受けて、アリアの唇が薄く開いた。
「あ、あああ……っ、あ、くあああああっ!」
「すぐに悶えるようになったわねぇ。恥とか知らないの?」
「そんな、の……っ! あ、あああ、あ、あ……そこ、はっ」
より汚く、より恥を叩きつける。
水の蠢きで肛門を集中的に刺激する。硬く窄まった襞を丁寧に舐めて、蟻の戸渡から撫であげたり、尻割れを広げて集中的に菊座の穴を責めたりする。
既に開発が終わっている肛門への集中責めで、アリアは吊られた体をがくがくと震わせる。
「もうイクの? しかもお尻で。恥ずかしいわねぇ。誇りはないの?」
「くあ、あああっ、そんな、激しく、され、たら……っ、誰、だって!」
「そんなわけないでしょ。この淫乱」
顎を持ち上げて、目を見つめる。
涙の膜を張り、快楽に歪む顔を見続けて、ナスチャは囁いた。
「さあ、イキなさい」
「あっ、あああっ、くあ、ああっ! ああああああああああっ!」
ぱちゃん、とアリアの大きな震えで水が弾けた。
イく、という宣言すらなかったものの、震える全身と熱い吐息から、アリアが果てたのは明らかだった。
とろ、と水にアリアの潮が混ざるのを見て、ナスチャは笑って、責めをさらに強くした。
ふやけきった肛門に加えて、乳首と陰核、さらに膣奥まで愛撫の対象にされ、アリアは狂乱する。
「あああああああああっ! はげ、しっ、くううううああああああっ!」
「そうそう。それぐらい必死なほうが良いわよ」
復活したなら、また折るだけだ。
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ばしゃばしゃと溺れたようにピンクの水の中で暴れるアリアを眺めて、ナスチャは妖艶に笑った。
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