悪魔との100日ー淫獄の果てにー

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93日目―沈む(前編)―

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 何度呼び掛けても、怒鳴っても、梓からの応答はなかった。
「ぁ、…………くぅぅ」
 内股になり尻に力を入れて抵抗しているが、梓の舌が休まる気配はない。
 何時間も何時間も、ふやけるぐらい菊門を舐められ続けて、蛍は悶えていた。
 ぬぷ、とまた舌が侵入してきて、ぬらぬらと蠢くそれに翻弄される。アイリーンやあかりに焦らされ続けた体は、すでに絶頂の準備を終えている。
「お願い……、やめてよっ」
「……ん、ぅ、ふぅ……ちゅ、く、ちゅ」
 梓は、薬を与えられていないのだろう。
 吊られている蛍の舌には、愛液と汗で水たまりができていた。その中には、梓の愛液も含まれている。蛍への尻責めが、梓にとっては舌責めになっていて、尻割れにかかる息は湿っていて熱い。
 生暖かい舌が奥まで入り込んできて、今度はそれを引き抜かれてぺろりと襞を舐めあげられる。
 何度かそれを繰り返されて、蛍は快楽に突き上げられるようにつま先立ちになった。
「イく、イっぐ! がっ! あ“」
 もう、イくという言葉に抵抗はない。
 焦がれた解放をまた電撃に取り上げられて、蛍はもがいて、続く尻舐めに喘いでいく。
           
■■■
                   
 来客があったのは、眠気と疲労で意識が朦朧としてきた頃だった。
 アイリーンの寝室にあった棺桶のような寝具を持ってきた奴隷たちに、蛍はとろけきった目をわずかにしかめる。
「……今度はなによ、ぁ……あ」
 奴隷たちは、人の字に吊られて喘ぐ蛍も、その尻に顔を埋めて舌を動かす梓も無視した。
 棺桶を給水器の舌に置いて、端末を数回叩く。
 天井に伸びている排管から粘性の強いピンク色の液体が流れ出てきて、棺桶の中に溜まっていった。
 液体というより、スライムのような質感のそれが大量に流し込まれるのを見て、口元が引きつる。
 奴隷たちは、梓を蛍から引きはがして両手両足を縛り、蛍を吊っていた鎖を解いた。
 がくがくと震える足を束ねて括られ、蛍は自分の想像が当たっていることを察し、必死に顔を振る。
「やめろっ、それだけは、戻れなくなるからっ! これ以上は本当に……」
 棺桶の中が媚毒でいっぱいになる。そして奴隷たちに傾ける耳はない。三人がかりで持ち上げられて、ゆっくりと運ばれる。
 そして、とぷん、と媚毒の中に沈められた。
「あ、あーーーー~~~~~っ! んあ“あ”―――~~~~~っ! っ!」
 顔だけを出した状態で毒々しいピンク色の中に落とされて、蛍は裂けそうになるぐらい大きく口を開けて悶絶する。
 散布するだけで一生感度が戻らなくなる劇薬に、全身を侵される。火を付けられる方がまだましだと思うぐらいの熱に包まれて、乳首と陰核があり得ないぐらい固く尖る。
 しかも、媚毒の粘性が追い打ちをかけていた。
 快楽に蛍が悶えると、そのたびに媚毒がゆっくりと波打つ。その動きはひどく緩慢で重たい。ゆっくりと愛撫されているような刺激が、文字通り全身に広がる。
 数百数千の筆でいたぶられるかのような快楽地獄に、がんがんする頭を振って必死に叫ぶ。
「出して! 出してぇっ! あづいっ! ごわれ、るぅうううううっ!」
 涙と鼻水まみれで懇願しても、奴隷たちは取り合わない。手持ちのテープレコーダーを梓の耳に押し付けてスイッチを押した。
 そして直後に。
 手だけを縛られた梓も棺桶に入ってきて、蛍はさらに苦しむことになる。
「ふ、ぅーー~~~~っ! ん、あーーーーっ、あ“――~~~~っ!」
「動かないでっ、梓ぁ、ああああああああああっ!」
 梓の乳首が蛍のと擦れて、嬌声を引き出される。
 久しぶりに間近で見る梓の顔は、快楽のせいで上気していたけれど、目の奥は何も映しておらず寒々としていた。
 その梓の顔が、媚毒の中にとぷんと消える。
「ちょ、っと⁉」
 ぞっとして呼びかける蛍だったが、間もなく浮上してきた梓の、たっぷりと媚毒を溜めた口腔が近づいてきて、別の意味で背筋が冷えた。
 しかし首を振っても、棺桶の縁と繋がれた首輪のせいで動けない。
 こぼさないようにねっとりと唇を合わせられ、大量の媚薬を流し込まれて、蛍は目尻に涙を浮かべて声なき声を上げる。
「んう“う“う“う“う“う“う“う“う“う“っ、んむううううううっ!」
「ちゅ、んぅううううう、んあ、ぅ、ぅうあ………ぁ」
 ぐっちゅ、ぐっちゅ、とピンク色の媚毒を舌に絡めてキスをし続ける蛍と梓。
 気持ちのない空虚な口付けは、ただ乾いた快楽だけを重ねていって。
 こくり、と媚毒を飲まされた蛍は、口の奥から喉へとゆっくり流れていくどろどろした液体の熱さと、梓に舐られた快楽とで、また頭の中を白く弾けさせた。
「あ、んっ! んあああ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“っ!」
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