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85日目―牢獄で、再び―

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 控えめに言っても、この平日は地獄だった。
 蛍の残り香が漂う拘束椅子の棺桶で四六時中責められて、梓は狂ったように泣き叫び、イき狂った。本当に、死んでいないのが不思議なぐらいの快楽を延々と、与えられた。
 果てた回数は千か、万か。
 そして土曜日。
 棺桶を切られて、べしゃりと床に崩れ落ちたところをアイリーンに踏みつけられる。
「良い朝ね」
「………………ぅ、ぁ」
「元気がないわねぇ」
―――元気も、なにも、あったもの、かよ………っ。
 悪態をつこうとして失敗し、はくはくと唇を震わせる。
 ずしりと腰に乗られて、息が漏れた。
「ぁ、……」
「あらはしたない、これでも感じてるの?」
 ふふ、と笑われて、尻をぞんざいに揉まれる。
 それだけでも快感が駆け抜けて、既に濡れ爛れた陰部が勝手に揺れた。
「あ……ぁ」
「お仕置きよ、この変態」
 アイリーンは軽く振りかぶり、梓の尻に平手を浴びせる。
 ぱんっ、ぱんっ、と乾いた音が連続するたびに、それを追うように梓の嬌声が響いた。
「あっ! っく! ゔぁ! ……っ、ぁん!」
「なんで叩かれて感じてるのかしら」
「う、るさ、っあ! ……うっ! あぁ……っ」
 梓にだって何がどうなっているのかはわからない。ただ、尻を打たれた揺れが子宮まで届いて、とにかく体が熱くなる。
 尻を赤くして、打たれるたびにきゅう、と割れ目を窄めて腰を震わせる梓だが、その蜜壺からは新しい液が滴り始めていて、叩かれて感じているのは明らかだった。
 ぱんっ! ぱんっ! と強くたたかれ続けて、顔をうつむけて快楽と痛みに耐える。
「んんんっ! んんんんゔっ!」
「すっかり叩かれて感じるようになってるのね。いいわ、そのまま果ててしまいなさいよ」
「だれ、がぁぁ………っ!」
「ほら、続き」
「………く、ぅぅ……あ、んっ……」
 叩かれて、ときおり労わるように臀部を撫でられて、アイリーンに腰かけられたまま、梓は惨めに痙攣する。
 そして、何度目かの破裂音と共に、這いつくばったまま絶頂した。
「んんんっ! んんんんんっ……ゔあっ!」
 びくびくと、潰されてスパンキングで果てさせられ、敵の下で屈辱的な果てを迎えさせられても、梓に解放は訪れない。
 かしゃり、とリードを首につけられ、アイリーンはぐいぐいと梓を引っ張った。
「ほら、立って。今日はあかりが別件でいないんだから。あなたのお待ちかねの、牢屋の時間よ」
                  
■■■
                      
 以前も入れられた牢屋は、昼間にも拘らず電気が落ちていた。
 薄暗い中で四つん這いで進まされていた梓は、牢屋の中で見覚えのある茶髪が晒されているのを見て、思わず叫ぶ。
「ほた、るちゃん……っ!」
 暗くて健康状態はよくわからないが、とりあえず体勢がひどい。
 肘掛け椅子のひじ掛け部分に膝を乗せられて、触ってくださいとばかりに股を開かされている。腕は後ろで縛られていて、さらにアイマスクと耳栓もされていた。
 開かれた秘貝がひくひくと誘うようにうねっているのを見て、アイリーンは笑う。
「蛍さんはね、私たちの奴隷にずっと寸止めされていたのよ。朝から晩まで。可哀想よねぇ」
「………お前、がやったんだろ」
「あなたに教わったようなものだけど」
 そう言うと、アイリーンは梓を牢屋の中に入れる。
 そして梓にも目隠しをかけた。
「ちょ、っと……っ!」
「文句うるさい」
「ああっ! ……く、そ……がっ」
 尻を叩かれて前のめりに崩れ落ちる梓に、アイリーンは言う。
「じゃあ、今日は私帰るから。あ、あと。蛍さん、たくさんイかせてあげたほうが良いわよ。その子、明日からまた寸止めなの」
「おいっ、目隠し、とれよっ!」
「じゃあねー」
 梓の言葉を無視して、こつこつと足音が去っていく。
 アイマスク、暗闇に閉ざされた視界の中で、しばらく固まっていた梓だったが、疲れ切った体を奮い立たせて、ふーぅぅぅぅ、と大きく息を吐いた。
―――もう、いい……。ラッキーだと、思おう。 
 顔が見えないのはとっても残念だけど。
 せっかく蛍ちゃんと会えたのだから、またたくさん体と心に焼き付けて、明日からの糧にしよう。
 そう思い直し、梓はずりずりと前に這う。こつん、と頭が椅子の足に当たって、するすると顔を持ち上げた。
 黒髪が蛍の太腿に擦れて、抑えたような喘ぎ声が返ってくる。
「ん……っ」
「蛍ちゃん、……って、聞こえないか」
 アイマスクに耳栓なんて、外界からシャットアウトされているようなものだ。
 すりすりと太ももに頬擦りして、梓はまずは膝の裏あたりから、ゆっくり、ゆっくりと内腿、鼠径部の順に舌を這わせる。 
 願わくば、自分だと伝わってくれますように。
 せめて、危害を加える意思がないとわかってくれますように。
―――前は、私がされちゃったからね。
 脅されたとはいえ、蛍からされた口淫を思い出して、じゅん、と秘部を濡らしながら。
 梓は、強烈な色香を放つ陰唇に、キスを落とした。
「……………ぅ」
 抑えた声が返ってきて、梓はもっと声を出させようと舌を這わせる。もっと長い間忘れないように、心と脳に刻むように、蛍の味を覚え込む。
 ぢゅっ、じゅうう、と音が立つのも気にせず愛液を舐め、口内で遊ばせ、嚥下する。
 それを繰り返していくうちに、蛍の方も高ぶりが限界に達したのだろう。梓の顔に秘部を押し付けて、ぽつりとつぶやいた。
「……お願い、舐めて」
「ふふ、もっとしてあげる」
 そういえば、焦らされ続けているのだっけか。
 だったらこれ以上は、可哀想だね。
 一度蛍の陰部から、梓は顔を離す。
 そして唇を窄めると陰核に吸い付き、舌で弾きながら全力で吸い上げた。
「ちゅ、んううう、じゅ、うううううっ」
「あっ、……っく、………はあっ」
「もう、我慢強いなあ」
 聞こえるわけもないけれど、梓は蛍に呟いた。
「さっさとイきなよ、蛍ちゃん」
 その言葉が届いたのだろうか。
 梓の激しい吸引を受けて、蛍は開いたままの足を引きつらせて、ぷしっ、と愛液を噴き出した。
「……………あ“っ、ああっ!」
「わぷっ」
 蛍の汁を顔に受けて、それを大事に舐めとって、梓はうっとりとした顔で再び蛍に顔を埋める。
「あいつらが来るまで、何時間でも、何日でも。続けさせて……蛍ちゃん」
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