35 / 55
78日目―天才達の拠り所―
しおりを挟む
蛍と肌を重ね合ったあの休日。
排気口から麻酔ガスでも撒かれたのか、妙に強い眠気に崩れ落ちた梓は、気づいたら白い部屋に繋がれていた。
「……ん、ぅ」
数日前までは蛍が見ていたであろう景色を今度は己が見せられて、目の前にはアイリーン。
ブロンドの髪を掻き上げて、アイリーンはにこにこ笑う。
「ふふ、良い光景ね。あとで同僚に見せてあげようかしら」
「うる、っさい……、ぅ、ふぅ……あっ、ぁ」
「うるさいのはあなたのここでしょう? もう少し慎みを持てないのかしら」
「あ、んっ!」
自らの恥肉を虐める梓の手首をつかんで無造作に押し込むと、きゅ、と太腿の筋がこわばった。ぴたりと閉じていた陰唇が開き、愛液が溢れて床に滴る。
アイリーンは、にたにたと笑って端末を取り出した。
「ほら、もっと頑張って腰を振りなさいな。じゃないとあなたの大好きな蛍さんに傷がつくわよ?」
端末に映っているのは、四つん這いの台に拘束された蛍と、その尻をバラ鞭で撫でているあかりで。
首、肩、胴体、太もも、足首と、全身をベルトで巻かれた梓は、眉根を寄せて、指の動きを激しくした。
「あ、……ふぁ、ぁ……っあ、あああっ!」
「その調子その調子。さっすが天才サマは呑み込みが早いわね」
「こんなこと、でしか……勝てないんでしょ、あんたは。……三流」
「生意気」
梓の顎を掴んで、吐息のかかる位置まで顔を近づける。その顔は羞恥と官能で歪んでいて、果てる直前だというのがすぐにわかる。
内腿を撫で、揺れる胸、その頂点をつまんだ。
「ほら、イくときはどうするんだっけ?」
「っうう、ん……。んんあ、ぁ………イっ、………く」
がくんっ、と梓の体が揺れて、感じ入るように目を閉じる。
いつかの、幸せなときでも思い出しているようなその顔をゆがめるために、アイリーンはにたりと笑った。
「はい、じゃあ10回、イかせてあげる」
「待て、よ! も、う……」
自慰で100回果てられたら、蛍への鞭打ちは許してあげる、というのがアイリーンの提示した条件だった。
しかし、梓が一度果てるたびに、『嫌がらせ』が実行される。
乳首と陰核に繊毛の生えた管を取り付けられ、さらにアイリーンの指が膣肉を奥まで貫いて、梓は限度をはるかに超えた快楽に絶叫した。
「あああっ! あああああああっ! ま、っで、つよっ、! っひゃ、ああああっ!」
壊れた機械のようにぎしぎしとベッドを軋ませ、たちまち梓は絶頂する。
きゅ、きゅうう、と膣が締まるのを感じながら、さらにアイリーンは手を強めて笑った。
「あなた体力ひどいらしいわね。これでちょっとは肺活量増すんじゃないの?」
「う、るさっ! あ、イ……っぐ、イぐイっく、ぅぅ! あああああああああっ!」
アイリーンの軽口に満足に答えることもできずに、梓は連続で絶頂する。
しゃりしゃりと突起を擦られて果て、ポルチオとGスポットをしなやかな指で弄られて果て、そのたびにアイリーンに顎を掴まれて顔を鑑賞される。
唾液の糸を引いて喘ぎ声を上げる梓に、アイリーンは囁いた。
「良い顔ね。蛍さんとしたときも、そんな顔だったのかしら」
「いま、それっ! かんけ、いないだろっ! ……っく、ぅあああ、イ……っ!」
―――関係ないけど、思い出すわよね。
最後の10回目、潮を吹いてひときわ大きな果てに飛ばされた梓を見て、アイリーンは指を引き抜いた。
愛液を梓の髪で拭い、アイリーンは言う。
「はい、じゃあまた、頑張ってね。あと40回ぐらいはあるでしょう」
「………く、っそ。……っふ、ぅあ……っ」
梓は、散々いじめられた体を再び自分でまさぐり始める。
―――私たちは、似てるのよね。
その姿を見て、冷静に考えれば理屈に合っていない、被検体が鞭打たれないために自らを苛める梓を見て、アイリーンはふと数年前を思い出す。朝宮あかりを、手に入れる前のこと。どうしようもなく乾いていた、数年前の自分のことを。
―――私にとってはあかりがそれで、あなたにとっては蛍さんが、そうなんでしょうね。
生まれてからずっと、自己の最適化だけを追求させられて。
愛されるどころか、世間話さえほとんどない環境にいたからこそ、アイリーンには今の梓の気持ちがわかる。
髪を振り乱し、両手をべとべとに濡らしながら自らの襞をめくり、桃色の突起を激しくはじく梓に、アイリーンは片頬を吊り上げた。
―――だから、どうすれば堕ちるかなんて、手に取るようにわかるのよね。
同じ境遇にいて、辛さは想像できるけれど、だからといって救おうとかは露ほども思わない。だって同情心、共感力の欠落こそが、最適化の弊害なのだから。
「あ、あ、ああ………ま、た、……イくっ」
今後のプランを組み立てていたアイリーンの目の前で、梓がまた絶頂を迎えた。
排気口から麻酔ガスでも撒かれたのか、妙に強い眠気に崩れ落ちた梓は、気づいたら白い部屋に繋がれていた。
「……ん、ぅ」
数日前までは蛍が見ていたであろう景色を今度は己が見せられて、目の前にはアイリーン。
ブロンドの髪を掻き上げて、アイリーンはにこにこ笑う。
「ふふ、良い光景ね。あとで同僚に見せてあげようかしら」
「うる、っさい……、ぅ、ふぅ……あっ、ぁ」
「うるさいのはあなたのここでしょう? もう少し慎みを持てないのかしら」
「あ、んっ!」
自らの恥肉を虐める梓の手首をつかんで無造作に押し込むと、きゅ、と太腿の筋がこわばった。ぴたりと閉じていた陰唇が開き、愛液が溢れて床に滴る。
アイリーンは、にたにたと笑って端末を取り出した。
「ほら、もっと頑張って腰を振りなさいな。じゃないとあなたの大好きな蛍さんに傷がつくわよ?」
端末に映っているのは、四つん這いの台に拘束された蛍と、その尻をバラ鞭で撫でているあかりで。
首、肩、胴体、太もも、足首と、全身をベルトで巻かれた梓は、眉根を寄せて、指の動きを激しくした。
「あ、……ふぁ、ぁ……っあ、あああっ!」
「その調子その調子。さっすが天才サマは呑み込みが早いわね」
「こんなこと、でしか……勝てないんでしょ、あんたは。……三流」
「生意気」
梓の顎を掴んで、吐息のかかる位置まで顔を近づける。その顔は羞恥と官能で歪んでいて、果てる直前だというのがすぐにわかる。
内腿を撫で、揺れる胸、その頂点をつまんだ。
「ほら、イくときはどうするんだっけ?」
「っうう、ん……。んんあ、ぁ………イっ、………く」
がくんっ、と梓の体が揺れて、感じ入るように目を閉じる。
いつかの、幸せなときでも思い出しているようなその顔をゆがめるために、アイリーンはにたりと笑った。
「はい、じゃあ10回、イかせてあげる」
「待て、よ! も、う……」
自慰で100回果てられたら、蛍への鞭打ちは許してあげる、というのがアイリーンの提示した条件だった。
しかし、梓が一度果てるたびに、『嫌がらせ』が実行される。
乳首と陰核に繊毛の生えた管を取り付けられ、さらにアイリーンの指が膣肉を奥まで貫いて、梓は限度をはるかに超えた快楽に絶叫した。
「あああっ! あああああああっ! ま、っで、つよっ、! っひゃ、ああああっ!」
壊れた機械のようにぎしぎしとベッドを軋ませ、たちまち梓は絶頂する。
きゅ、きゅうう、と膣が締まるのを感じながら、さらにアイリーンは手を強めて笑った。
「あなた体力ひどいらしいわね。これでちょっとは肺活量増すんじゃないの?」
「う、るさっ! あ、イ……っぐ、イぐイっく、ぅぅ! あああああああああっ!」
アイリーンの軽口に満足に答えることもできずに、梓は連続で絶頂する。
しゃりしゃりと突起を擦られて果て、ポルチオとGスポットをしなやかな指で弄られて果て、そのたびにアイリーンに顎を掴まれて顔を鑑賞される。
唾液の糸を引いて喘ぎ声を上げる梓に、アイリーンは囁いた。
「良い顔ね。蛍さんとしたときも、そんな顔だったのかしら」
「いま、それっ! かんけ、いないだろっ! ……っく、ぅあああ、イ……っ!」
―――関係ないけど、思い出すわよね。
最後の10回目、潮を吹いてひときわ大きな果てに飛ばされた梓を見て、アイリーンは指を引き抜いた。
愛液を梓の髪で拭い、アイリーンは言う。
「はい、じゃあまた、頑張ってね。あと40回ぐらいはあるでしょう」
「………く、っそ。……っふ、ぅあ……っ」
梓は、散々いじめられた体を再び自分でまさぐり始める。
―――私たちは、似てるのよね。
その姿を見て、冷静に考えれば理屈に合っていない、被検体が鞭打たれないために自らを苛める梓を見て、アイリーンはふと数年前を思い出す。朝宮あかりを、手に入れる前のこと。どうしようもなく乾いていた、数年前の自分のことを。
―――私にとってはあかりがそれで、あなたにとっては蛍さんが、そうなんでしょうね。
生まれてからずっと、自己の最適化だけを追求させられて。
愛されるどころか、世間話さえほとんどない環境にいたからこそ、アイリーンには今の梓の気持ちがわかる。
髪を振り乱し、両手をべとべとに濡らしながら自らの襞をめくり、桃色の突起を激しくはじく梓に、アイリーンは片頬を吊り上げた。
―――だから、どうすれば堕ちるかなんて、手に取るようにわかるのよね。
同じ境遇にいて、辛さは想像できるけれど、だからといって救おうとかは露ほども思わない。だって同情心、共感力の欠落こそが、最適化の弊害なのだから。
「あ、あ、ああ………ま、た、……イくっ」
今後のプランを組み立てていたアイリーンの目の前で、梓がまた絶頂を迎えた。
0
お気に入りに追加
475
あなたにおすすめの小説


こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。


百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる