上 下
33 / 55

71日目―妹からの―

しおりを挟む
 梓がどこかに去ってから、蛍はアイリーンの寝室、棺桶の中で飼われていた。
 とはいっても、平日の日中は、依然と変わりなく、運動と子飼いの奴隷による排泄、洗浄をさせられていたが。
 幕を取られて、両手両足を縛られた蛍は、上から覗き込んでくるあかりに唇を噛む。
―――あんた相手が、一番いやなのに。
 するりと棺桶の中に入ってきたあかりは、蛍の後ろを取って、胸と太ももに指を這わせた。
「………ぅ、……」
「私がするといっつも声、我慢しようとするよね。いまさら感すごいよ、お姉ちゃん」
「うる、さいっ、わよ……ふ、ぅあっ!」
「ほら、どうせ我慢できないんだから。っちゅ、む」
「みみ、噛む、なぁぁ、っく、あんっ」
 熱く濡れた舌で耳を舐められて、屹立した乳首を後ろからつままれる。敏感な突起をこね回されて、蛍はぐりぐりとあかりのお腹に腰を押し付ける。
「どうしたの? なにかのお誘い?」
「ばっ、かじゃない。脳味噌、湧いてんじゃない、の……っ」
「む、ひどいことを言う。お仕置き」
 するり、と股の間に指を入れられて、蛍は体を苦の字に折り曲げた。
 内腿に力を入れて必死にあかりの指を止めようとするが、陰核を捉えられてしまい、くにくにと指の腹で刺激される。秘所からはとっくに愛液が滴っていて、それを潤滑油に、あかりはすっかり充血しきった蛍の急所をこね回した。
「あら、楽しいことしてるじゃない」
「あ、主様」
 棺桶の外からアイリーンが覗いてきて、蛍とあかりは同時に顔を上げる。
 蛍は悔しそうに顔をゆがめてそっぽを向き。
 あかりは静かな笑顔を返してくれる。
 棺桶を指で撫でて、アイリーンは言った。
「楽しそうだから見せてもらいましょうか。あかり、蛍さんの顔、こっちに向けてもらえる? で、なるべく気持ちよく果てさせてあげて」
「かしこまりました」
「な、あ……っ、ちょ、っと!」
 ぐに、と頬を掴まれて前を向かされ、残った指はGスポットと陰核に添えられる。
 さらに耳元で、あかりは囁いた。
「お姉ちゃん、耳弱いよね」
「ひゃあ、あああ……、やめ、なさい、よっ、く、ああ」
 本当は足を広げさせられれば楽なんだけど、と思いながらあかりは蛍を後ろから抱きしめて、ねっとりと舌と手で愛撫する。
「あ、あ……あああ、ぅ、ああああ………っ」
「ゆっくりゆっくり、気持ち良くしてあげようね」
 一気に触りつくせば数秒で果てさせるが、それはたぶん主様の要求とは違うだろう。
 耳を舐めるのはそのままに、あかりは少しずつ蛍への官能を高めていく。乳輪を軽く擦って、直後に陰核を撫ぜ。膣内に入れた指を、気まぐれに曲げる。
 蛍の震えが激しくなってきたら、陰毛を弄んだり鼠径部をさすったりして、焦らしながら少しずつ官能を試させる。
 五分もするころには、薄く口を開けた蛍が、しっとりと上気した顔を晒していた。
「く、っそ……ぉ、っひ、あ……うぁ…ん」
「とっても恥ずかしい顔してるでしょ、お姉ちゃん。いつもあんなにきりっとしてたのになー」
「だ、まれ、あ、ぅあんっ!」
「恥ずかしい思いしたくなかったら、お姉ちゃんも私たちと一緒に、楽しむ側に回ろうよ」
 あかりに囁かれても、蛍は揺らがない。
 動かない体を必死に振って抵抗し、後ろにいるあかりに吐き捨てた。
「……い、ってろ。この、愚妹」
「む、愚妹はひどい」
 ちょっと傷ついた。
 焦らす目的を外した激しい愛撫を与えられ、蛍は嬌声を絞り出される。
「あ、くぅぅっ! っくあああああああああっ!」
「はーいそこまで」
 まさに果てる直前、頭が白く染まり始めていたタイミングで、アイリーンがぱんと手を打った。
 とたんにぴたりと止まる愛撫に、蛍はかくかくと情けなく腰を震わせて、浅い息を吐く。
「はっ、はあ……はあ、ぅ……」
「お楽しみのところごめんなさいね。今日のあなたには用事があるものだから」
「……なによ」
 どうせろくでもないことなんでしょ、と睨みつける蛍の目線を受け流して、アイリーンは妖艶に笑う。
「梓の様子、見に行きたくなあい?」
               
■■■
                   
「いちいち縛ったりほどいたりするの、ちょっと大変なんですけど。どうにかなりませんか?」
「あー、じゃあ権限認証の枷に代えようかしらね。指紋で開く奴。ちょうどあのクソ女の権限も引っぺがしたところだし」
 かつん、かつん、と地下に降りていく。
 道中から蛍は、嫌な予感に包まれていた。
 そもそも場所がまともじゃない。暗くて狭くて、牢屋が並んでいて。今のところ無人だけれど、こんなところにいる時点で……。
 野茨梓は、牢屋が並ぶ階の最奥にいた。
 アイリーンに連れられて正面に来させられた蛍は、梓の変貌ぶりに息を呑んだ。
 最も目につくのは、やはり色の変化だった。雪のように白かった体にはびっしりと赤い線が入っていて、床には血の染みが広がっている。
 吊り上げられた手首は枷が食い込んで擦りむけているし、強制的に開かされた股には張形が刺さっていて、今も振動音が響いていた。
「梓っ!」
 後ろ手に縛られたまま鉄格子に駆け寄った蛍が呼びかけても、返事はない。
 果てているのだろう、ときおり腰を震わせて愛液を滴らせるだけの梓にぎり、と奥歯を噛み締めて、蛍はアイリーンを睨む。
「……今すぐ、下ろせ。ぶっ殺されたいの」
「ああ怖い。でも、今のあなたに何ができるのよ」
「………い、いから、下ろせっ!」
 尖ったままの胸を弾かれてなお睨み続ける蛍を見て、アイリーンは楽しそうに笑う。
「まあ、そんなに睨まないでよ。今日はそのつもりで連れてきたんだから。あかり」
 アイリーンが呼び、あかりが動く。
 梓に突き刺さった張形を回収すると、次に枷に自らの指紋を押し付ける。
 戒めを解かれた梓を粗末な布団に横たえると、縛られたままの蛍を引き入れた。
「え、え?」 
「明日の夕方まで、特別に二人でいさせてあげる。……あ、そうだ」
 そう言うと、ふと思い出したようにあかりに言った。
「忘れるところだった。蛍ちゃんにあれあげた?」
「ああ、私も忘れてました」
 問われたあかりが取り出したのは怪しげな軟膏で。
 蛍の足を割り開いて、あかりはその軟膏を、蛍の肉壺に塗り入れた。
「な、ちょ、っと……んぅぅ! ……あ、ああ……」
 塗られた端から、強烈な疼きを発し始めて、蛍はしきりに内腿を擦り合わせる。
 それを見て、アイリーンはくすくすと笑った。
「手が使えないんじゃ自慰もできないわね。でも、まさか蛍さん。怪我した梓を使って快楽を貪ったりしないわよね?」
「…………こ、の。っく、そが、っ!」
 朝から焦らされたまま、一度も発散させられていない蛍が悶えるのを、楽しそうに見て。
 戒められたままの蛍と意識のない梓を放置して、二人はあっさりと去っていった。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

ハイスペック上司からのドSな溺愛

鳴宮鶉子
恋愛
ハイスペック上司からのドSな溺愛

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...