悪魔との100日ー淫獄の果てにー

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65日目―罰―

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 だらりと体の力を抜き、地下牢に吊られた梓を見て、沙羅は顔をしかめる。
―――まったく、つまらない。
 胸を揉むと喘ぎ声は返ってくるが、それだけだ。前のような、射抜く視線は返ってこない。
 鎖で強制的に足を開かされ、不感剤の切れた体をとろとろに濡らして戒められた梓は。
「敗者か、あるいはサンドバッグだな」
「…………っ」
 少しだけ目線を鋭くする梓だったが、抵抗の意思は強くなかった。
 その体には、数本の赤線が走っている。
 鞭打って、残りの自爆コードの撤去を命じたら、梓は驚くほどすんなりと従った。
 鞭を取り出す沙羅に、梓は怯えた目を向けた。
「なんだよ……。もう、なにもないよ」
「どうだろうな。体に聞いてみないとわからないだろう」
 スパァン! と黒い鞭が唸り、梓の体にまた一本傷が増える。
「いっぎ、っあああああああああっ!」
「とりあえず十発打つ。話はその後、また聞こう」
「いや、死ぬ、死んじゃうから………っ」
 がしゃがしゃ、と枷を鳴らす梓だが、逃げられるわけもなく。
 裸の柔尻に鞭が食い込んで、裂けるような絶叫を迸らせた。
            
■■■
              
「おねがい、……しま、す。も、う……ひんじゃ、うからぁっ」
 絶叫の形のまま、顎を閉じられなくなって唾液を滴らせる梓の懇願に、沙羅はゆっくりと鞭を下ろした。
 白かった体はすでにあちこちが裂け、血と汗が垂れて床を汚している。
 沙羅は梓の首を掴んで持ち上げ、見下ろした。
「本当か?」
「本当、です……っ」
「そうか」
「あ、あぁ、あう、ぅ、あぅぅ」
「鞭打ちで濡らすとはな」
 しっとりと湿り気を帯びている梓の秘部に指を入れて、沙羅は静かに笑う。
 そして、ジャケットの内側から張形を取り出すと、梓の肉壺に突き立てた。
「はあ……っ、あああっ!」
「溢れてきたぞ。この変態が」
「あ、はあっ、……っく、うあ……」
 さしたる抵抗もなく奥まで入っていった張形を、沙羅は何度も往復させる。
 打たれたことで返って反抗心に火が付いたのか、弱弱しくも意志のある目を向けてくる梓の首を、沙羅は片手で掴む。
 痛みに打ち震え、立たされたまま中心を貫かれて、ぐちゃぐちゃに染まった顔を強引に上向かせて、気道を圧迫する。
「かっ、は……っ!」
「窒息しろ」
「ひ、っひゅ、ぅ……ぁ、あ……は、っあ!」
 必死に体をよじろうとする抵抗を封殺し続けていると、数十秒ほどで、梓の顔が赤く染まり、唇がわなわなと震え出した。
 そろそろ落ちるな、というところで、沙羅は抽挿を速める。
 ついでに陰核と乳首も刺激してやると、苦悶の声を上げて梓の体が痙攣した。
「ひ…………ぎっ、あ!」
 酸欠でろくに動かなくなった体への、限度を軽く超える快楽に、梓は全身を弛緩させて果てさせられる。手首に枷が食い込むのも気にできずだらりと全身を下げ、腰がぴくぴくと戦慄いていた。さらに、床を叩く静かな水音が連続する。
 力を入れられなくなり失禁したのだということにも、梓は自分で気づけていなかった。
「おいおい、早いな」
 苦しさと痛みと快楽とが、混ざり合ってぐちゃぐちゃになった梓の顔を覗き込んで、沙羅はつまらなそうに告げた。
「まだ午前中だぞ。もっと私を楽しませろよ?」
             
■■■ 
                    
 何度窒息させられたかわからない。
 何度果てたかも、何度漏らしたかもわからない。
―――いつになったら、終わるの?
「起きろ、モルモット」
 沙羅に鞭打たれて、自分とは思えない悲鳴が喉を突き破って出る。かくん、と力が抜けて、擦りむいた手首に全体重がかかって、梓は必死に足に力を入れる。
 だが、内股気味に踏ん張ると、張形の刺激がGスポットに直撃した。
「あ、あああ………んぅ……っ」
 感度のおかしい体はそれだけで果てを迎え、また力が抜けそうになる。
「果てたな」
 そう言われ、沙羅に首を掴まれて、梓の意識には、再び霞がかけられた。
 ちかちかと明滅する視界が端から白く染まっていき、同時に苛め抜かれる膣と突起の快楽だけが体で暴れ出す。
 酸欠で壊れた頭の中心を快楽が貫いて、梓は何度目かわからない失禁と、強制絶頂を叩きつけられた。
「い、やぁぁ………あああああっ!」
 震えて、愛液の筋を太ももから垂らす梓に、沙羅はまた同じ質問を繰り返した。
「権限は譲り渡したくせに、意外と強情だな。お前も、こちら側に戻ってこい。朝宮蛍の調教に加われ」
「…………い、や……だっ」
「今度は痛いぞ」
「ひっ⁉ ―――~~~~っ!」
 悲鳴も出なかった。
 皮膚を裂く全力の鞭打ちが袈裟切りのように前身にさく裂して、梓はボロボロと涙をこぼして顔を跳ね上げる。
「ひ、ぃ………い、ぁ…う、ぅぅ……ぁぁ」
「鳴け」
「っはあっ! っぐ! あんっ」
 今度は膝蹴りの要領で突き刺さったままの張形を子宮まで突きあげられて、腰を浮かせて絶頂した。
 梓の体を一撫でし、血と汗と愛液の混ざった液を口に含んで、沙羅は髪を掴む。
 吊り上げて、問う。
「朝宮蛍の調教に、加われ」
 それでも。
 完全に沙羅の遊び道具と化して、思い通りに絶叫と嬌声を上げさせられて、白い肌を汚されても。
 梓はなおも、真っ赤な目で沙羅を睨んだ。
「ほ、たるちゃん……との、かんけ、いを……おまえ、が……決め、るなっ」
「………ほう」
 梓の返答を聞いて、沙羅は小さく頷くとジャケットを脱ぐ。
 こき、と首を鳴らして、梓の背で凄絶な笑みを浮かべると、先ほどよりも強く鞭を握り締めた。
「つまらないといったが、撤回しよう。お前はまだまだ、楽しめそうだな」
「………っひ、あ」
 どれだけ強がってみてもトラウマはトラウマのままで。
 沙羅の笑顔を見て、梓は全身をカタカタと震わせて体を縮こまらせた。
 休日が終わるまではまだまだある、そんな牢屋の出来事だった。


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