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60日目―沙羅の平日―
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表向きは隠居で通している沙羅だが、実は住居が研究所の最奥なので、引退前と生活は変わっていない。
午前4時。
ダブルベッドからむくりと起き上がって、自分が裸であることをぼんやりと認識する。昨夜は、ずいぶんと楽しんだのだった。
ベッドサイドの服を集めて、隣で寝息を立てる小さなシルエットを起こさないように部屋を出た。
■■■
毎朝、研究所の周りを40キロほど走るのを日課にしている。
朝日が綺麗というのもあるし、温まるのに時間がかかる体を調整するという理由もあるし、とりあえず動いていたいというのもある。ただ、聞かれたときは決まってこう答える。「妹の朝食が美味くなるから」と。
そして、2時間半のジョギングを終えて地下の家に戻ると、汗だくになったウェアも気にせず、真壁冴が抱き着いてきた。
「離れろ。嗅がれたくない」
「ええー、嫌ですぅ。このまま一日ずっとこうしてたいです」
首筋に指を這わせられ、耳を噛まれる。
沙羅は、顔色一つ変えずに冴を引っぺがした。
「離れろと言ったはずだ。シャワーを浴びる」
「お姉さまのいけずー、ご飯はどうするんですか?」
「出たらもらう」
義理とはいえ、姉に迫るのは妹としてどうなんだ、と思いながら、沙羅はバスルームでウェアを脱いだ。
その首筋には昨日つけられたキスマークが残っていて、沙羅は苦笑する。
毎度受けてしまうこちらも、人のことは言えないな、と思いながら。
■■■
「……なぜおまえが入ってくる」
「朝ごはんはお姉さまが出てくるまで食べたくないですし。そしたら暇ですし」
「仕事は山積みだろう」
「あーあ―聞こえなーい」
こちらの気も知らないで、冴はタオルも使わず素手で沙羅の背中を洗う。
こちらは180センチ、あちらは驚異の145センチ。
彼我の身長差がこれだけ違うと、沙羅が座ってちょうどいいぐらいの目線差があって。
ため息をついて前側を洗っていると、冴の手がするりと沙羅の胸に伸びた。
「………洗う手付きじゃなさそうだな」
「ええ、気のせいですよ。お姉さまったら自意識過剰」
「最後通告だぞ」
ゆるゆると胸を揉んでいた冴の指が、沙羅の腹筋を撫でる。
六つに割れた凹凸を楽しむように何度か往復して、その指が下生えに差し掛かったあたりで、沙羅は冴の体を持ち上げた。
「ひゃあっ!」
「警告はした」
冴の両太ももを腕で支えて、陰部が顔の前に来るよう逆さ吊りにする。
冴は、妖艶に笑って、腰を揺すった。
「……どうぞ、お好きなように。お姉さま」
■■■
「……ぁ、……ぅ、あ、……ぅ」
「朝からここまで濡らすとはな」
すでに熟れきっていた冴の陰裂を舌でなぞると、濃い愛液が舌にまとわりつく。
甘い声を漏らす冴は、逆さ吊りのまま言った。
「昨晩のが、残ってるんです、よぉ。激しかった、から……っ」
「やりすぎたか?」
「もっと激しくても、いいですよ? ……ふ、ぁ」
陰核を擦ってやると、鼻に抜ける声を漏らす。
髪を床に垂れ下げたまま、冴は両の手で、沙羅の陰部に手を伸ばした。
ふふ、と含むように笑う。
「お姉さまだって、濡れてるじゃないですか」
「不可抗力だ」
「そうですよねえ。だから、触られて腰が動くのも不可抗力ですから、我慢しないでくださいね」
「…………っ、……」
ぴん、ぴん、と陰核をつつくと、わずかに腰が揺れて、冴は自らの手に泡をまぶす。
滑りを良くして、しゅりしゅりと陰核を虐める。
「……………っ、う」
「あ、声出ましたね。可愛い」
「だまれ」
「あ、あああっ、ああん……」
恥肉を喰らうように舌をねじ込まれ、冴もたまらず嬌声を上げる。
ちゅ、くちゅ、という沙羅の舌の音と、冴の喘ぎ声、沙羅の腰が前後に揺れるときの椅子のずれる音が、浴室に響く。
沙羅の陰唇がひくひくと動き出したのをみて、冴は笑った。
「お姉さま、そんななのに意外と、感じやすい、ぅあ、ですよね……あんっ!」
「……お前もな」
舌でGスポットを押されて、冴は耐えきれずに喉を反らす。
危うく果てそうになり、負けじと沙羅の膣内も深く抉った。
そして、お互いにお互いの気持ちいい所を責めあい、姉妹は同時に果てを迎える。
「あ、おね、えさま……、っ、あああっ、イ……っ、く、あっ!」
「……………さえ、っ」
きゅ、と内側を向きそうになるのを無理やり抑えているのが、太ももの筋肉の動きからわかる。
感じやすくて我慢強い姉の引き締まった体に腕を回して、冴はふふふ、と呟いた。
「一緒に汗を流して、ご飯にしましょうか」
「……ああ」
■■■
沙羅が引退したというのは、実は嘘である。
いや、嘘ではないのだが、事実でもない。
研究所所長、真壁冴に、真壁沙羅は副所長権限を与えられており。
かねてからそれを嫌がった沙羅は警備部長で周囲には通していたが。
この度、それも面倒になってぶん投げた、というのが正しい。
「……あのー、お姉さま? 確かに最高権限はあげてますけど、そういう使い方するものじゃないんですけどー?」
リビングルームで肘掛け椅子に収まり、アイリーンの寝室で悶える蛍と梓を眺めていた沙羅に、冴は呆れた声を向けた。
「お暇なら手伝ってくれたりとか……? というか! なんで対外窓口わたしの専任なんですか、他にもいていいでしょ!」
「表に出して大丈夫そうなのを集めなかったお前が悪い」
沙羅だって、ニートは心苦しいのでちょこちょこ警備部を鍛えに行ったりしている。
だが、今日はその警備部に半ば強引に追い返されたのだから仕方がない。
「先日、脱走騒ぎがあったから対策訓練をしようとしたのだが、猛烈な勢いで拒絶されたぞ」
「具体的には?」
「私が脱走役をやるから全力で止めろと」
「壊滅しちゃうじゃないですか」
梓やアイリーンが操るセキュリティ網があるならまた別だが、単純な肉弾戦で沙羅を止められるものは皆無だろう。
タブレットを覗き込んで、冴は控えめに笑う。
「楽しみですねえ。梓さん、アイリーンさん、蛍さん、あかりさん。彼女たちが加われば100人力です」
「ああ、仮想敵シミュレーションってやつか」
「それが最近、仮想じゃ済まなくなってるんですよ。ウチ製薬会社なのに開発部が介護用品とか装置系に手を伸ばしてて、それを潰そうと表から裏から攻撃が続々」
冗談抜きで、潜入工作ぐらいされかねない状況なので、人材確保は急務である。
冴は、認知能力は特段優れていない。
代わりに、人を使う天才だ。
アイリーンみたいに操るのとも違う。他者の性能を理解し、心根を掬い上げ、100%のポテンシャルを150%にも200%にも引き上げる。
「蛍さんとあかりさんが組んで攻めてきたら、お姉さまでも勝てますか?」
「どうだろうな。腕の一本ぐらいは持っていかれるかもしれない」
「勝てないとは言わないところ、大好きですよ。お姉さま」
対して、単純明白な物理最強、真壁沙羅は唇の端をゆがめて笑った。
お互いの秘部を舐め合って愛液をかけあう蛍と梓を眺めながら。
研究所の全権を担う真壁姉妹の会話は和やかに続く。
午前4時。
ダブルベッドからむくりと起き上がって、自分が裸であることをぼんやりと認識する。昨夜は、ずいぶんと楽しんだのだった。
ベッドサイドの服を集めて、隣で寝息を立てる小さなシルエットを起こさないように部屋を出た。
■■■
毎朝、研究所の周りを40キロほど走るのを日課にしている。
朝日が綺麗というのもあるし、温まるのに時間がかかる体を調整するという理由もあるし、とりあえず動いていたいというのもある。ただ、聞かれたときは決まってこう答える。「妹の朝食が美味くなるから」と。
そして、2時間半のジョギングを終えて地下の家に戻ると、汗だくになったウェアも気にせず、真壁冴が抱き着いてきた。
「離れろ。嗅がれたくない」
「ええー、嫌ですぅ。このまま一日ずっとこうしてたいです」
首筋に指を這わせられ、耳を噛まれる。
沙羅は、顔色一つ変えずに冴を引っぺがした。
「離れろと言ったはずだ。シャワーを浴びる」
「お姉さまのいけずー、ご飯はどうするんですか?」
「出たらもらう」
義理とはいえ、姉に迫るのは妹としてどうなんだ、と思いながら、沙羅はバスルームでウェアを脱いだ。
その首筋には昨日つけられたキスマークが残っていて、沙羅は苦笑する。
毎度受けてしまうこちらも、人のことは言えないな、と思いながら。
■■■
「……なぜおまえが入ってくる」
「朝ごはんはお姉さまが出てくるまで食べたくないですし。そしたら暇ですし」
「仕事は山積みだろう」
「あーあ―聞こえなーい」
こちらの気も知らないで、冴はタオルも使わず素手で沙羅の背中を洗う。
こちらは180センチ、あちらは驚異の145センチ。
彼我の身長差がこれだけ違うと、沙羅が座ってちょうどいいぐらいの目線差があって。
ため息をついて前側を洗っていると、冴の手がするりと沙羅の胸に伸びた。
「………洗う手付きじゃなさそうだな」
「ええ、気のせいですよ。お姉さまったら自意識過剰」
「最後通告だぞ」
ゆるゆると胸を揉んでいた冴の指が、沙羅の腹筋を撫でる。
六つに割れた凹凸を楽しむように何度か往復して、その指が下生えに差し掛かったあたりで、沙羅は冴の体を持ち上げた。
「ひゃあっ!」
「警告はした」
冴の両太ももを腕で支えて、陰部が顔の前に来るよう逆さ吊りにする。
冴は、妖艶に笑って、腰を揺すった。
「……どうぞ、お好きなように。お姉さま」
■■■
「……ぁ、……ぅ、あ、……ぅ」
「朝からここまで濡らすとはな」
すでに熟れきっていた冴の陰裂を舌でなぞると、濃い愛液が舌にまとわりつく。
甘い声を漏らす冴は、逆さ吊りのまま言った。
「昨晩のが、残ってるんです、よぉ。激しかった、から……っ」
「やりすぎたか?」
「もっと激しくても、いいですよ? ……ふ、ぁ」
陰核を擦ってやると、鼻に抜ける声を漏らす。
髪を床に垂れ下げたまま、冴は両の手で、沙羅の陰部に手を伸ばした。
ふふ、と含むように笑う。
「お姉さまだって、濡れてるじゃないですか」
「不可抗力だ」
「そうですよねえ。だから、触られて腰が動くのも不可抗力ですから、我慢しないでくださいね」
「…………っ、……」
ぴん、ぴん、と陰核をつつくと、わずかに腰が揺れて、冴は自らの手に泡をまぶす。
滑りを良くして、しゅりしゅりと陰核を虐める。
「……………っ、う」
「あ、声出ましたね。可愛い」
「だまれ」
「あ、あああっ、ああん……」
恥肉を喰らうように舌をねじ込まれ、冴もたまらず嬌声を上げる。
ちゅ、くちゅ、という沙羅の舌の音と、冴の喘ぎ声、沙羅の腰が前後に揺れるときの椅子のずれる音が、浴室に響く。
沙羅の陰唇がひくひくと動き出したのをみて、冴は笑った。
「お姉さま、そんななのに意外と、感じやすい、ぅあ、ですよね……あんっ!」
「……お前もな」
舌でGスポットを押されて、冴は耐えきれずに喉を反らす。
危うく果てそうになり、負けじと沙羅の膣内も深く抉った。
そして、お互いにお互いの気持ちいい所を責めあい、姉妹は同時に果てを迎える。
「あ、おね、えさま……、っ、あああっ、イ……っ、く、あっ!」
「……………さえ、っ」
きゅ、と内側を向きそうになるのを無理やり抑えているのが、太ももの筋肉の動きからわかる。
感じやすくて我慢強い姉の引き締まった体に腕を回して、冴はふふふ、と呟いた。
「一緒に汗を流して、ご飯にしましょうか」
「……ああ」
■■■
沙羅が引退したというのは、実は嘘である。
いや、嘘ではないのだが、事実でもない。
研究所所長、真壁冴に、真壁沙羅は副所長権限を与えられており。
かねてからそれを嫌がった沙羅は警備部長で周囲には通していたが。
この度、それも面倒になってぶん投げた、というのが正しい。
「……あのー、お姉さま? 確かに最高権限はあげてますけど、そういう使い方するものじゃないんですけどー?」
リビングルームで肘掛け椅子に収まり、アイリーンの寝室で悶える蛍と梓を眺めていた沙羅に、冴は呆れた声を向けた。
「お暇なら手伝ってくれたりとか……? というか! なんで対外窓口わたしの専任なんですか、他にもいていいでしょ!」
「表に出して大丈夫そうなのを集めなかったお前が悪い」
沙羅だって、ニートは心苦しいのでちょこちょこ警備部を鍛えに行ったりしている。
だが、今日はその警備部に半ば強引に追い返されたのだから仕方がない。
「先日、脱走騒ぎがあったから対策訓練をしようとしたのだが、猛烈な勢いで拒絶されたぞ」
「具体的には?」
「私が脱走役をやるから全力で止めろと」
「壊滅しちゃうじゃないですか」
梓やアイリーンが操るセキュリティ網があるならまた別だが、単純な肉弾戦で沙羅を止められるものは皆無だろう。
タブレットを覗き込んで、冴は控えめに笑う。
「楽しみですねえ。梓さん、アイリーンさん、蛍さん、あかりさん。彼女たちが加われば100人力です」
「ああ、仮想敵シミュレーションってやつか」
「それが最近、仮想じゃ済まなくなってるんですよ。ウチ製薬会社なのに開発部が介護用品とか装置系に手を伸ばしてて、それを潰そうと表から裏から攻撃が続々」
冗談抜きで、潜入工作ぐらいされかねない状況なので、人材確保は急務である。
冴は、認知能力は特段優れていない。
代わりに、人を使う天才だ。
アイリーンみたいに操るのとも違う。他者の性能を理解し、心根を掬い上げ、100%のポテンシャルを150%にも200%にも引き上げる。
「蛍さんとあかりさんが組んで攻めてきたら、お姉さまでも勝てますか?」
「どうだろうな。腕の一本ぐらいは持っていかれるかもしれない」
「勝てないとは言わないところ、大好きですよ。お姉さま」
対して、単純明白な物理最強、真壁沙羅は唇の端をゆがめて笑った。
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