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55日目―梓の平日3―
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梓の一日は、朝宮あかりの喘ぎ声から始まる。
「あ、あぁぅ……、起きて、くださいぃ、主様、……主様っ!」
「…………うっひゃい」
「――~~~っ! あ、ああああああああっ!」
どうも彼女は、振動機能の付いた張形に秘部を貫かれて就寝しているらしい。
朝からてらてらと淫液を垂らして悶絶するあかりを、梓は透明な棺桶の中から見ていた。
―――研究者たるもの、睡眠は重要だものね。
とはアイリーンの弁で。
梓は裸のまま、寝返りが打てるぐらいの『ゆりかご』の中に閉じ込められていた。
そして、ひとしきりあかりを弄んでようやく起き出したアイリーンが、こんこん、とその箱をノックする。
「おはよう、よく眠れたかしら?」
「………最悪の寝覚めだよ、君らのせいでね」
「良いアラームでしょう? ちょっと濃いけど水分補給もできるわよ」
すい、と梓はあかりに目をやって、吐き捨てるように言った。
「痴女」
「なんで私のほう見て言うんですか! 明らかに主様ですよね痴女なのは! あと主様も水分補給って……、水分補給って……っ!」
「あらあら、ふくれっ面しちゃって。まあ、そんなあなたも大好きだけどね」
あかりの髪を優しく整えて、アイリーンは梓を見下ろす。
その手には、かつて梓が開発した不感剤が乗っていて。
ニタニタと笑って、アイリーンは告げた。
「さて、梓? 初日みたいに不感剤なしで働かされたくなかったら、どうしたらよかったのかしら?」
「この………っ!」
きっ、とアイリーンを睨むが、立場の上下は絶対的で。
梓は横になったまま膝を立て、そろそろと自分で陰唇をアイリーンに晒す。
片手で陰毛をかき分けて、もう片方の手でゆっくりと陰核を撫でた。
「………ぅ、ああ」
「あら、なんでもう濡れてるのかしら? 想像しちゃってたの?」
「うるさ、いっ。ぁ、あああっ!」
自慰の強制。
一撫でごとに愛液を滴らせ、お腹が脈打つように筋立つのを感じながら、梓は自分の体をいじめていく。
しかし、それを見たアイリーンはあくびをしてため息をついた。
「ねえ、早くしてくれる? 時間ないんだけど」
「お前、がっ、寝起き悪いから、だろっ、く、あああっ」
「親指で陰核を押しつぶして、もう片方の指を肛門に入れなさい?」
「………こ、のぉ!」
脳がかーっ、と熱くなるが、薬をかざされれば文句は言えず。
ぐり、と陰核を押しつぶし、人差し指で自らの排泄器官を貫いて、梓は双臀をぶるりぶるりと震わせた。
「あ、ああんっ、………い、あ、あああああああっ」
「『私はお尻の穴で気持ち良くなる変態です』。はい復唱」
「……ッ‼ わ、だし、は、ぁぁ! おし、りのあなで、気持ちよく、なる……っ、へん、……たい、ぅ、っくは、あああっ、……で、すっ」
涎を垂らさんばかりの笑みを浮かべて、アイリーンは言った。
「よくできました。じゃあ、イきなさい」
「うるさいっ! うるさ、いぃぃぃ、イっ、うううゔゔゔゔっ!」
アイリーンの声と同時だった。
薬のない梓の体は、愛撫にだらだらと淫液を流して屈服する。
陰核と肛門を虐めつくして、朝からゆりかごの中にむせかえりそうな淫匂を漂わせながら、梓は快楽に打ち震えて絶頂した。
■■■
アイリーンが研究室に出た後で、梓も仕事を始める。
とはいっても、場所は変わらずで。
背後からあかりに監視されながら、アイリーンに送られたメールの通りに淡々と処理を行う。
先週まで自分が回していたプロジェクトを進め、アイリーンにもわかるように解説資料をzipで固めて送り、さらに新薬案と警備システムの穴も埋めていく。
「……なんでサブディスプレイ1個しかないのさ。せめて三つはよこせよ」
目まぐるしく変わっていく画面を眺めて、あかりは感嘆の息を漏らした。
「すごい……。主様が嫉妬するわけです」
「これぐらいならアイリーンだってできるよ」
梓が組んだ緊急システムは、蛍が脱走したときに何一つ作動しなかった。
先週、アイリーンに手ほどきをしたとはいえ、それだけで一時無効化までやってのけたのだから、あっちもあっちで化け物ではあるだろう。
奴隷3人もどこかに行ってしまい、部屋には2人だけ。
あくびをしつつ、梓は背後のあかりに話しかけた。
「蛍ちゃんのこと、助けたいとか思わないの?」
「……正直、思いはします」
心苦しそうに、あかりは答えた。
「ご飯ももらえますし、たまに……いや、結構な頻度でめちゃくちゃやられますけど、主様にも可愛がってもらえますから、私はこの生活にそれほど不満はないんですけど。お姉ちゃんが鎖につながれているのを見るのは、辛いです」
「なにをどうしたらあのクソにそこまで傾心できるのか……」
「つぎ主様の悪口言ったらひっぱたきますよ」
むすっ、と頬を膨らませたまま、あかりは続ける。
「でも、私にはどうすることもできないですし、主様の命令なら極力は従いたいので、相手がお姉ちゃんでも容赦はしません。幸い、主様は鞭打ったりするタイプじゃないですし」
そして、なにやら昔を思い出すようにくすくすと笑った。
「よく考えたら、主様とお姉ちゃんって、ちょっと似てるかもしれません。外面はとげとげしてますけど、中身はちゃんと優しいんですよ」
「ああ、まあ蛍ちゃん優しいよね。というか甘いよね」
「昔っからそうなんです。私がいじめられたりすると年上でも女子でも拳で黙らせるんですけど、全部終わった後こっそり軟膏とか届けに行ったり。運動会でもお弁当忘れたって子に自分のあげちゃって、お腹鳴らしながらリレー走ってたり」
「運動会? なにそれ」
「ああ……、いやなんでもないです」
―――主様と一緒で純粋培養でした。
仕事中にそこまで雑談につき合わせるのも悪いと思って口をつぐんだあかりだったが、それが逆に梓の癇に障った。
へん、と口を吊り上げて梓は挑発するように笑う。
「まあ、私は君の知らない蛍ちゃんの顔をよーく知ってるもんねぇ。キスもしたし、じょーねつてきにまぐわったりもしたんだぜ」
「……私だって一緒にお風呂入ったりしてました」
「私は蛍ちゃんが全身洗浄されてるの見てた!」
「それは普通に最低じゃないですかね⁉」
なにおう! なんですか! と。
仕事そっちのけで飛び掛かる不感剤の効いている梓と、監視対象の関節を固めて思いっきり封殺する朝宮あかり。
不毛すぎるキャットファイトは、昼休憩の鐘が鳴るまで続いていった。
■■■
そして、部屋に置いといた盗聴器の声をインカムで拾っていたアイリーンは、頭を押さえてため息をついた。
「なにやってんのよあいつら……」
―――とりあえず蛍さんを鞭打つのはやめよう。
そう心に刻んで、そっとインカムを外した。
■■■
「ただいまあ」
「あ、お帰りなさい主様」
蛍の下に行っていた奴隷3人が帰ってきてからそう間を置かず、アイリーンが自室に戻ってくる。
首をこきこきと鳴らしながら、目の前の光景にほくそ笑んだ。
「ふふ、良い恰好ね。梓」
「………ぁ、ぅ。黙れ、よ。この二流」
薬が切れた後。M字に椅子に縛り付けられて。
丸出しの陰部をあかりに筆責めされていた梓は、真っ赤になった顔でアイリーンを睨む。
「覚えて、ろよお前……、あ、んっ」
絶妙なタイミングで陰核にくるくると毛先を這わせるあかりに、アイリーンは尋ねる。
「ちゃんと焦らしてるわよね」
「果ててはないはずです。……たぶん」
「よろしい」
薄紫のネグリジェに着替えて、梓を責めていたあかりを立たせる。
向かい合わせて、唇を重ねた。
「………………………んっ」
「ふ、ぅ……。ある、じさま、……っ」
ゆっくりとあかりの反応を楽しむように、唇を舌で舐める。
あかりの吐息が湿ってきたのを感じて、アイリーンは囁いた。
「手は後ろ、足を開きなさい」
「はい……」
「ああ、あと。おーい、あなたたち、この子も楽しませてあげなさい。イかせないでね」
「おい、おいっ! 寄るな、よ! あ、ああ……っ」
人の字に立たせられ、女陰を下着の上からすりすりと撫でられて甘い声を漏らすあかりと、3人の女たちに、合計六本の筆でもどかしく責められて苦悶の表情を浮かべる梓。
「あ、く、っそ、…ぅ、ぁああ、………も、う! ぅうううっ」
イくにイけずに悶える敵を目で楽しんで、アイリーンはあかりを責める手を速めた。
「感謝なさい、あなたはちゃんと気持ち良くしてあげるわよ」
「は、い……。ありが、と……ござい、ますっ……」
「ああでも、イったあと崩れ落ちたらあなたも焦らすから」
「え、そんな……あ、あん、あああ、んぅ、ひゃああああ、あっ」
あかりもあかりで、アイリーンに限っては感度が常人を上回る。
いきなり下着の中に指を入れられて陰核を擦られ、あかりは嬌声を迸らせた。
内股になって腰を引くあかりを捕まえて、アイリーンは一気にスパートをかける。
そして、数秒で。
体をくの字に追って尻を前後に振り、腕を後ろに回したまま、あかりは絶頂し、痙攣した。
「あ、ああん、んあああああっ!」
「ふふ、ちゃんと立てたのね。偉いわよ」
大分低い位置に降りてきた頭を抱えるように抱きしめて、アイリーンは震えるあかりを抱きしめる。
薄い生地越しにかかる熱く濡れた息が愛おしい。
慈しむようにもう一度、ぎゅうとあかりを抱きしめて、アイリーンは前に向き直った。
そこにいるのは、奴隷に陰核と乳首、脇とお腹と足の裏を筆責めされて、真っ赤に染まった野茨梓で。
「あ、ああ………く、…………んんん、………ん、あぁ。こ、っの、ぉ……あ、ん」
アイリーンは、あかりにはあまり見せたくない下卑た笑みを深めた。
■■■
茶髪のボブヘアと腰まである金髪に挟まれて、黒髪が左右に乱れてなびく。
キングサイズのベッドに寝かされた梓は、寸止めで焦らされた体をアイリーンとあかりに弄ばれていた。
「……こ、の変態ど、もっ、………ぅ、ふぅ、ふあ……っ」
「だーからぁ、ブーメランだって」
「私は元々そっちの気はないんですけどね……。主様がやれっていうから……」
嬉々として熟れきった梓の膣に指をうずめるアイリーンと、ちょっと不服そうに、だが的確に胸を責めるあかり。
両腕を二人の体の下に敷かれて、両足も二人の太腿に挟まれて大きく開かされて。
女肉の拘束で大の字にされた梓は、唯一動く頭を必死に振って快楽に耐える。
「こ、のぉぉぉっ! く、っそ、があああ、あ、も……う、イっ………うぁぁっ」
「はいすとーっぷ」
ぴん、と陰毛を突き出すように体を張ったタイミングで指を抜かれて、梓はへこへこと腰を振った。
イく寸前を続けられ朦朧としている梓の耳を塞いで、アイリーンは小声であかりに言う。
「あかり。ちょっとお姉ちゃんの真似してみてよ」
首を傾げるあかりだったが。
熱い汗を流す梓を顎で指し、次いでウインクをするアイリーンを見て企みを察し、頬を引きつらせた。
「……悪趣味」
「なあんか言ったかしら?」
「なんでもないです!」
慌てて姉のショートヘアを模すためヘアピンを刺して、あかりはぐにぐにと頬を固める。
元の顔立ちはよく似ているので、そうするとあかりはずいぶん蛍に似ていた。
梓の耳を解放して、アイリーンは首を押す。
「ほら、梓。そっち見なさいよ」
「……なん、だよ。このっ」
疲れ切ったまま、梓は何の抵抗もなく左を向いた。
それがよくなかった。
熱く色づいた頬にひんやりとした手を添えられて、梓は目を見開く。
そこにいるのは、一見すると、朝宮蛍で。
「愛してるよ、梓」
「………………あっ」
唇の端にキスを落とされ、膣肉に手を添えられて。
ぼっ、と心臓から体中に熱が巡った。
「あ、あああ………っ。やめ、て………やめてっ!」
なにか、体の芯にある大事なものを犯された気がして、必死にもがく梓。
しかし、両側から自分よりも大きな体に押さえられてはどうすることもできず、蛍を模したあかりの愛撫に狂っていく。
じゅっぷ、じゅっぷ、と段違いの蜜を吐き出し始めた女陰を奥まで抉られ、喉が擦り切れるような喘ぎ声を漏らす。さらに、アイリーンも反対側から、梓の耳を舐め、胸を押しつぶし、菊門の筋を丁寧に撫で始めたものだから、待っているのは狂乱で。
それでも、寸止めに狂った汗みどろの体で絶頂を耐えていた梓だったが。
とどめを刺したのは、あかりだった。
ぐりり、とGスポットを押して、姉を真似て耳元でささやく。
「イって、梓」
「その声で、言う、なあっ! あ、ああ、イっく、もう、イくっ!」
限界だった。
ぱちりと目を合わせられ、瞳孔を開いて絶頂宣言までしてしまう梓。
真っ白な本気汁をあかりの手に噴き出して、きゅうう、と太ももを収縮させた。
「あ、…………あぁ、………ん、ぅ」
「ふふ、そんな顔をしていれば、ちょっとは愛嬌もあるじゃない」
蛍への気持ちを弄ばれ、イかされて。
ぎりぎりと拳を軋ませる梓にさらに手を伸ばして、アイリーンはさらなる嬌声を絞り出そうと愛撫を再開する。
そうして、アイリーンが疲れて自然と眠るまで、梓は玩具にされていった。
「あ、あぁぅ……、起きて、くださいぃ、主様、……主様っ!」
「…………うっひゃい」
「――~~~っ! あ、ああああああああっ!」
どうも彼女は、振動機能の付いた張形に秘部を貫かれて就寝しているらしい。
朝からてらてらと淫液を垂らして悶絶するあかりを、梓は透明な棺桶の中から見ていた。
―――研究者たるもの、睡眠は重要だものね。
とはアイリーンの弁で。
梓は裸のまま、寝返りが打てるぐらいの『ゆりかご』の中に閉じ込められていた。
そして、ひとしきりあかりを弄んでようやく起き出したアイリーンが、こんこん、とその箱をノックする。
「おはよう、よく眠れたかしら?」
「………最悪の寝覚めだよ、君らのせいでね」
「良いアラームでしょう? ちょっと濃いけど水分補給もできるわよ」
すい、と梓はあかりに目をやって、吐き捨てるように言った。
「痴女」
「なんで私のほう見て言うんですか! 明らかに主様ですよね痴女なのは! あと主様も水分補給って……、水分補給って……っ!」
「あらあら、ふくれっ面しちゃって。まあ、そんなあなたも大好きだけどね」
あかりの髪を優しく整えて、アイリーンは梓を見下ろす。
その手には、かつて梓が開発した不感剤が乗っていて。
ニタニタと笑って、アイリーンは告げた。
「さて、梓? 初日みたいに不感剤なしで働かされたくなかったら、どうしたらよかったのかしら?」
「この………っ!」
きっ、とアイリーンを睨むが、立場の上下は絶対的で。
梓は横になったまま膝を立て、そろそろと自分で陰唇をアイリーンに晒す。
片手で陰毛をかき分けて、もう片方の手でゆっくりと陰核を撫でた。
「………ぅ、ああ」
「あら、なんでもう濡れてるのかしら? 想像しちゃってたの?」
「うるさ、いっ。ぁ、あああっ!」
自慰の強制。
一撫でごとに愛液を滴らせ、お腹が脈打つように筋立つのを感じながら、梓は自分の体をいじめていく。
しかし、それを見たアイリーンはあくびをしてため息をついた。
「ねえ、早くしてくれる? 時間ないんだけど」
「お前、がっ、寝起き悪いから、だろっ、く、あああっ」
「親指で陰核を押しつぶして、もう片方の指を肛門に入れなさい?」
「………こ、のぉ!」
脳がかーっ、と熱くなるが、薬をかざされれば文句は言えず。
ぐり、と陰核を押しつぶし、人差し指で自らの排泄器官を貫いて、梓は双臀をぶるりぶるりと震わせた。
「あ、ああんっ、………い、あ、あああああああっ」
「『私はお尻の穴で気持ち良くなる変態です』。はい復唱」
「……ッ‼ わ、だし、は、ぁぁ! おし、りのあなで、気持ちよく、なる……っ、へん、……たい、ぅ、っくは、あああっ、……で、すっ」
涎を垂らさんばかりの笑みを浮かべて、アイリーンは言った。
「よくできました。じゃあ、イきなさい」
「うるさいっ! うるさ、いぃぃぃ、イっ、うううゔゔゔゔっ!」
アイリーンの声と同時だった。
薬のない梓の体は、愛撫にだらだらと淫液を流して屈服する。
陰核と肛門を虐めつくして、朝からゆりかごの中にむせかえりそうな淫匂を漂わせながら、梓は快楽に打ち震えて絶頂した。
■■■
アイリーンが研究室に出た後で、梓も仕事を始める。
とはいっても、場所は変わらずで。
背後からあかりに監視されながら、アイリーンに送られたメールの通りに淡々と処理を行う。
先週まで自分が回していたプロジェクトを進め、アイリーンにもわかるように解説資料をzipで固めて送り、さらに新薬案と警備システムの穴も埋めていく。
「……なんでサブディスプレイ1個しかないのさ。せめて三つはよこせよ」
目まぐるしく変わっていく画面を眺めて、あかりは感嘆の息を漏らした。
「すごい……。主様が嫉妬するわけです」
「これぐらいならアイリーンだってできるよ」
梓が組んだ緊急システムは、蛍が脱走したときに何一つ作動しなかった。
先週、アイリーンに手ほどきをしたとはいえ、それだけで一時無効化までやってのけたのだから、あっちもあっちで化け物ではあるだろう。
奴隷3人もどこかに行ってしまい、部屋には2人だけ。
あくびをしつつ、梓は背後のあかりに話しかけた。
「蛍ちゃんのこと、助けたいとか思わないの?」
「……正直、思いはします」
心苦しそうに、あかりは答えた。
「ご飯ももらえますし、たまに……いや、結構な頻度でめちゃくちゃやられますけど、主様にも可愛がってもらえますから、私はこの生活にそれほど不満はないんですけど。お姉ちゃんが鎖につながれているのを見るのは、辛いです」
「なにをどうしたらあのクソにそこまで傾心できるのか……」
「つぎ主様の悪口言ったらひっぱたきますよ」
むすっ、と頬を膨らませたまま、あかりは続ける。
「でも、私にはどうすることもできないですし、主様の命令なら極力は従いたいので、相手がお姉ちゃんでも容赦はしません。幸い、主様は鞭打ったりするタイプじゃないですし」
そして、なにやら昔を思い出すようにくすくすと笑った。
「よく考えたら、主様とお姉ちゃんって、ちょっと似てるかもしれません。外面はとげとげしてますけど、中身はちゃんと優しいんですよ」
「ああ、まあ蛍ちゃん優しいよね。というか甘いよね」
「昔っからそうなんです。私がいじめられたりすると年上でも女子でも拳で黙らせるんですけど、全部終わった後こっそり軟膏とか届けに行ったり。運動会でもお弁当忘れたって子に自分のあげちゃって、お腹鳴らしながらリレー走ってたり」
「運動会? なにそれ」
「ああ……、いやなんでもないです」
―――主様と一緒で純粋培養でした。
仕事中にそこまで雑談につき合わせるのも悪いと思って口をつぐんだあかりだったが、それが逆に梓の癇に障った。
へん、と口を吊り上げて梓は挑発するように笑う。
「まあ、私は君の知らない蛍ちゃんの顔をよーく知ってるもんねぇ。キスもしたし、じょーねつてきにまぐわったりもしたんだぜ」
「……私だって一緒にお風呂入ったりしてました」
「私は蛍ちゃんが全身洗浄されてるの見てた!」
「それは普通に最低じゃないですかね⁉」
なにおう! なんですか! と。
仕事そっちのけで飛び掛かる不感剤の効いている梓と、監視対象の関節を固めて思いっきり封殺する朝宮あかり。
不毛すぎるキャットファイトは、昼休憩の鐘が鳴るまで続いていった。
■■■
そして、部屋に置いといた盗聴器の声をインカムで拾っていたアイリーンは、頭を押さえてため息をついた。
「なにやってんのよあいつら……」
―――とりあえず蛍さんを鞭打つのはやめよう。
そう心に刻んで、そっとインカムを外した。
■■■
「ただいまあ」
「あ、お帰りなさい主様」
蛍の下に行っていた奴隷3人が帰ってきてからそう間を置かず、アイリーンが自室に戻ってくる。
首をこきこきと鳴らしながら、目の前の光景にほくそ笑んだ。
「ふふ、良い恰好ね。梓」
「………ぁ、ぅ。黙れ、よ。この二流」
薬が切れた後。M字に椅子に縛り付けられて。
丸出しの陰部をあかりに筆責めされていた梓は、真っ赤になった顔でアイリーンを睨む。
「覚えて、ろよお前……、あ、んっ」
絶妙なタイミングで陰核にくるくると毛先を這わせるあかりに、アイリーンは尋ねる。
「ちゃんと焦らしてるわよね」
「果ててはないはずです。……たぶん」
「よろしい」
薄紫のネグリジェに着替えて、梓を責めていたあかりを立たせる。
向かい合わせて、唇を重ねた。
「………………………んっ」
「ふ、ぅ……。ある、じさま、……っ」
ゆっくりとあかりの反応を楽しむように、唇を舌で舐める。
あかりの吐息が湿ってきたのを感じて、アイリーンは囁いた。
「手は後ろ、足を開きなさい」
「はい……」
「ああ、あと。おーい、あなたたち、この子も楽しませてあげなさい。イかせないでね」
「おい、おいっ! 寄るな、よ! あ、ああ……っ」
人の字に立たせられ、女陰を下着の上からすりすりと撫でられて甘い声を漏らすあかりと、3人の女たちに、合計六本の筆でもどかしく責められて苦悶の表情を浮かべる梓。
「あ、く、っそ、…ぅ、ぁああ、………も、う! ぅうううっ」
イくにイけずに悶える敵を目で楽しんで、アイリーンはあかりを責める手を速めた。
「感謝なさい、あなたはちゃんと気持ち良くしてあげるわよ」
「は、い……。ありが、と……ござい、ますっ……」
「ああでも、イったあと崩れ落ちたらあなたも焦らすから」
「え、そんな……あ、あん、あああ、んぅ、ひゃああああ、あっ」
あかりもあかりで、アイリーンに限っては感度が常人を上回る。
いきなり下着の中に指を入れられて陰核を擦られ、あかりは嬌声を迸らせた。
内股になって腰を引くあかりを捕まえて、アイリーンは一気にスパートをかける。
そして、数秒で。
体をくの字に追って尻を前後に振り、腕を後ろに回したまま、あかりは絶頂し、痙攣した。
「あ、ああん、んあああああっ!」
「ふふ、ちゃんと立てたのね。偉いわよ」
大分低い位置に降りてきた頭を抱えるように抱きしめて、アイリーンは震えるあかりを抱きしめる。
薄い生地越しにかかる熱く濡れた息が愛おしい。
慈しむようにもう一度、ぎゅうとあかりを抱きしめて、アイリーンは前に向き直った。
そこにいるのは、奴隷に陰核と乳首、脇とお腹と足の裏を筆責めされて、真っ赤に染まった野茨梓で。
「あ、ああ………く、…………んんん、………ん、あぁ。こ、っの、ぉ……あ、ん」
アイリーンは、あかりにはあまり見せたくない下卑た笑みを深めた。
■■■
茶髪のボブヘアと腰まである金髪に挟まれて、黒髪が左右に乱れてなびく。
キングサイズのベッドに寝かされた梓は、寸止めで焦らされた体をアイリーンとあかりに弄ばれていた。
「……こ、の変態ど、もっ、………ぅ、ふぅ、ふあ……っ」
「だーからぁ、ブーメランだって」
「私は元々そっちの気はないんですけどね……。主様がやれっていうから……」
嬉々として熟れきった梓の膣に指をうずめるアイリーンと、ちょっと不服そうに、だが的確に胸を責めるあかり。
両腕を二人の体の下に敷かれて、両足も二人の太腿に挟まれて大きく開かされて。
女肉の拘束で大の字にされた梓は、唯一動く頭を必死に振って快楽に耐える。
「こ、のぉぉぉっ! く、っそ、があああ、あ、も……う、イっ………うぁぁっ」
「はいすとーっぷ」
ぴん、と陰毛を突き出すように体を張ったタイミングで指を抜かれて、梓はへこへこと腰を振った。
イく寸前を続けられ朦朧としている梓の耳を塞いで、アイリーンは小声であかりに言う。
「あかり。ちょっとお姉ちゃんの真似してみてよ」
首を傾げるあかりだったが。
熱い汗を流す梓を顎で指し、次いでウインクをするアイリーンを見て企みを察し、頬を引きつらせた。
「……悪趣味」
「なあんか言ったかしら?」
「なんでもないです!」
慌てて姉のショートヘアを模すためヘアピンを刺して、あかりはぐにぐにと頬を固める。
元の顔立ちはよく似ているので、そうするとあかりはずいぶん蛍に似ていた。
梓の耳を解放して、アイリーンは首を押す。
「ほら、梓。そっち見なさいよ」
「……なん、だよ。このっ」
疲れ切ったまま、梓は何の抵抗もなく左を向いた。
それがよくなかった。
熱く色づいた頬にひんやりとした手を添えられて、梓は目を見開く。
そこにいるのは、一見すると、朝宮蛍で。
「愛してるよ、梓」
「………………あっ」
唇の端にキスを落とされ、膣肉に手を添えられて。
ぼっ、と心臓から体中に熱が巡った。
「あ、あああ………っ。やめ、て………やめてっ!」
なにか、体の芯にある大事なものを犯された気がして、必死にもがく梓。
しかし、両側から自分よりも大きな体に押さえられてはどうすることもできず、蛍を模したあかりの愛撫に狂っていく。
じゅっぷ、じゅっぷ、と段違いの蜜を吐き出し始めた女陰を奥まで抉られ、喉が擦り切れるような喘ぎ声を漏らす。さらに、アイリーンも反対側から、梓の耳を舐め、胸を押しつぶし、菊門の筋を丁寧に撫で始めたものだから、待っているのは狂乱で。
それでも、寸止めに狂った汗みどろの体で絶頂を耐えていた梓だったが。
とどめを刺したのは、あかりだった。
ぐりり、とGスポットを押して、姉を真似て耳元でささやく。
「イって、梓」
「その声で、言う、なあっ! あ、ああ、イっく、もう、イくっ!」
限界だった。
ぱちりと目を合わせられ、瞳孔を開いて絶頂宣言までしてしまう梓。
真っ白な本気汁をあかりの手に噴き出して、きゅうう、と太ももを収縮させた。
「あ、…………あぁ、………ん、ぅ」
「ふふ、そんな顔をしていれば、ちょっとは愛嬌もあるじゃない」
蛍への気持ちを弄ばれ、イかされて。
ぎりぎりと拳を軋ませる梓にさらに手を伸ばして、アイリーンはさらなる嬌声を絞り出そうと愛撫を再開する。
そうして、アイリーンが疲れて自然と眠るまで、梓は玩具にされていった。
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