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恥辱質問と自慰強制(中)

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「ふざけるな!」
 一瞬で頭に血が上り、シルヴィアは自分の立場も忘れてエドラに叫んだ。
「私を誰だと思っている! 誇り高き王国騎士、そのトップだぞ。それを、そんな……っ」
 民を守る盾として、そして敵を滅ぼす矛として振る舞え、いついかなるときも凛としろ。脈々と継がれる訓示を、シルヴィアは誰よりも徹底してきた。
 それが、敵の前で自慰に耽るなど……っ。
「そんなことをするぐらいなら、私は死ぬ」
 今は服従が効いているから叶わないが、エドラが気を緩めたとたんに、舌を噛んで自害してやる。
 眦を吊り上げるシルヴィアを見て、エドラはおどけたように体を引いた。
「おお怖い。さすがは誇り高い騎士団長様だね」
 体を引きながらも、手は伸ばした。
 紙片の中で膨らみ尖った種をつまんで、しごくように触る。長時間の責めを受けたそこはグミのような弾力と芯を持ち、こりこりと弄ぶとさらにその硬さを増した。
「ぅ、………~、……」
「ほら、頑張って耐えよう。団長様」
「…………っ、ぅ………あっ」
 突起の上から引っかけるようにして弄ぶと、その動きに合わせて乳房全体が形を変える。さらにシルヴィアも刺激を押さえようとその方向に体をくねらせるので、エドラからすると乳首を起点にシルヴィアをコントロールしているような感覚だった。
 深紅の瞳を怒りに燃やしたまま、引き締まった体で魅惑的な曲線を描き続けるシルヴィアに、エドラは吹き出す。
「台詞の割にはずいぶんと官能的な動きをするじゃないか。そういう踊りが王国では流行っているのかい?」
「……こ、のっ!」
「それともただ君にそういう才能があるだけかな? それなら騎士より娼婦の方が向いていると思うよ」
 にっこりと、まったく悪意のない笑顔でぬけぬけと言ってのけるエドラに、シルヴィアは剣だこにまみれた両手を白くなるまで握りしめる。
 しかしできたのはそれだけで、刺激に喘ぐのを必死にこらえるシルヴィアは、エドラの手が自分の下腹部に触れるのをただ見ていることしかできなかった。
 一瞬、エドラの手が淡く光る。
 その数秒で、自分の体に直接書き込まれた『自殺禁止』の文字に、シルヴィアは愕然と顔を上げた。
「せっかくの玩具に死なれたら悲しいからね。これで、僕が死なない限り君は自死できない」
「………貴様に」
「うん?」
「貴様に、………心は、ないのか」
 誇りを重んじる騎士の体を絡め取り、生き恥を強制し続けるという非道。
 直接に術を埋め込まれたことに動揺を隠せないシルヴィアの質問を無視して、エドラはその形のいい顔の輪郭をゆっくりと撫でた。
「そうだな……。『聖剣と聖女を倒すとしたら、どう攻めるのが最善手だと思う?』」

■■■

「……もう、やめ、ろ」
「ふむふむなるほど。聖女が張る聖域内で超強化された聖剣が力押しで敵を切り伏せるっていうのが必勝パターンなのか……。しかもその聖域の範囲が1キロ球形と。それは確かに難しい。狙撃とかは?」
「聖女は、王宮にいる。……護衛の質は言わなくても、わかるだろう。ただ」
「ただ?」
「聖域を張っているとき、聖女は体を指一本動かせない。しかも、聖女は攻撃魔法をもたない。……もし護衛を突破できれば、ほぼ詰み、だ」
 顔を蒼白にしながら、シルヴィアは隠すことなく王国の機密情報を敵に漏らす。自由にならない口を開いて、エドラの望む通りの情報を差し出し続ける。
 痺れにも似た支配感が喉と唇から引いていき、シルヴィアはかすれた声で言った。
「もう、やめて、くれ……」
 すぅ、と後ろで組まされていた腕からも痺れが抜けた。
 にたりと笑って、エドラは問う。
「そう、じゃあ僕を楽しませてくれるかい?」
「…………………わかった、からっ」
 そろそろと、変色したズボンに指を入れる。下着は履かされておらず、さらさらとした陰毛と、粘ついた液体の感触が返ってきて、シルヴィアはあまりの恥辱にくらりとした。
 だが、そこで体が軋む。
 冷たい顔でエドラが言った。
「僕さ、ちゃんと見えるように、股を開いてって言っただろう? 服も脱がずに内股のままで、なにしてるの?」
「な、にをっ、言って……っ」
「『聖剣の弱点は』」
「仲間想いで思考が浅いから、人質、罠に弱い。………っ!!」
「ああ、やっちゃったね」
 エドラは笑う。シルヴィアは目の前が真っ暗になる。
 その聖剣の姉、極上の人質がちょうど目の前にいる。
 体の自由が戻って、エドラはさあさあ、と柔和な笑みに戻って言った。
「邪魔してごめんよ、続きをどうぞ。……ちなみに、足を座席に乗せても大丈夫だから」
 向かい合わせに据えられた座席は、ゆったり3人は座れそうな長さがある。
 屈辱に全身を焼かれながらも、これ以上の漏洩を許さないために、シルヴィアは迷わなかった。いや、迷えなかった。
 するり、と薄いズボンを足から抜く。
胸の頂点に紙を張っただけ、というある意味では裸より恥ずかしい恰好を手で隠すこともできずに、エドラの前にすらりと白い足を晒す。
 片足をあげて、座席の上にそっと乗せた。
 さらにもう片足。一瞬、躊躇する。この足を上げてしまえば、敵の前に女の花園を晒してしまうのだから当然だ。しかも、押さえつけられて強要されるのではなく、はたからは自分の意思で、まるで献上するように。
 それでも、すう、と息を吸う気配を見せるエドラに、シルヴィアは動かされる。
 ふるふると足を震わせて、その恥に苛まれる態度が最も敵を喜ばせていることには気づかずに、M字に足を開いた。
 座席に尻と足の裏を乗せ、すでに女の匂いを漂わせる秘所が晒される。
「うん、よくできました。じゃあ、続きを」
 当然、まだ終わりではない。
 促されて、シルヴィアは赤毛の下映えに手を添える。そっと触れた陰核はすでにぷっくりと腫れていて、意味もなくエドラを睨んだ。ただ手は止められない。
 親指で優しくはじくように桃色の突起を刺激し始める。
「う……、ぅ、……ん、ぅあ」
「いつもそんな風に触ってるの?」
「……悪い、か。ぅ、ふぅ、……あっ」
 震える手が間違えて強く陰核を押し込んでしまい、びくりと腰が震える。
 乳首への責めで元から昂っていた体は、はやくも絶頂の気配を漂わせはじめる。
「ぁ、……ぁ、あっ、ぅ……っ、っく、ぅ!」
「はは、やっぱり君には娼婦が向いているよ。でも、やっぱりここは使わないんだね」
 膣口を撫でられて、その感触にぞわぞわとする。しかし同時に快楽を走らせる自分の体を切り伏せたくなる。
「……う、ぁ。ふ、ぅ……。悪い、か……っ!」
「いや、奪うときが楽しみだ、と思ってね」
 淫液がまとわりついたまま、乳首の紙片を撫で触れる。
 激しくなった振動に翻弄されるシルヴィアに、エドラは告げた。
「5カウントで果ててね。……失敗したら、祝勝会のステージで躍らせるよ。5……」
 絶対に碌な踊りではない。
 ぞっとしてシルヴィアは指を速める。淫液が飛び散ってぐちゅりぐちゅりと卑猥な音を立てる。自分でするときをはるかに超えた快楽に、白い喉がのけ反って、背もたれに押し付けられた赤髪が艶めいて散らばる。
「4…3…2」
「く、ぅぅあ……、はああああっ、あ、あぁっ……」
「1……」
 少し溜められて、エドラが0と言ったとたんに、シルヴィアは弾けた。
「……く、ぅああああっ、……………、ッ!!」
 果てる瞬間は、静かだった。
 ぎり、という音が聞こえそうなほど歯を食いしばって、シルヴィアは官能的な声を必死で抑えた。それでも、絶頂の衝撃で乳房はぶるんと上下に揺れ、下腹部が収縮と弛緩をゆるやかに繰り返す。一拍遅れて流れ出した愛液は、たらりと会陰を通って座席に滴り落ちていた。
「誇り高い騎士、ねぇ」
 厭味ったらしく粘つく声を出した後、エドラは整った顔を非対称にゆがめた。
「やっぱり君には、娼婦の方が向いているよ」
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