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敵将に見られながらの連続絶頂(中)

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「こちらが勝ったってさ」
 軽くそう言って水を飲むエドラを射殺しそうな目で見て、シルヴィアは真っ赤に顔を染めて震えた。どれだけ力を入れても、体は全く動かない。これではただ息をして、吐くだけの人形だ。
―――敵を討ち取れないばかりか、捕虜になるとは……。
 負けないつもりだった。そして仮に勝てないとしても、後の迷惑にならないよう自害する隙ぐらいはあると思っていた。
 それが、これだ。
 魔物に笑われながら本部テントの最奥まで歩かされ、のうのうとくつろぎ始めた怨敵を前に何もできない。
「たくさん動いて疲れただろう。飲んでおくといい」
 しれっとした顔で真新しい水筒を渡してくるエドラの腕を払って、シルヴィアは言った。
「飲めるわけがないだろう、そんな何が入っているかわからないものを」
「『飲め』」
「なっ、……く、っそ、………ん、ぅ……」
 こくり、と喉を鳴らして水を飲まされるシルヴィアに、エドラは冷たい顔を近づける。飄々としているときは気怠そうな青い目だが、そういう顔になると氷のように温度が下がった。
「勘違いをしてはいけないな。君は僕の捕虜。選択権はないんだ。それにこれは施しじゃない。戦利品の保存だ」
「………っ⁉」
「だから、夜中に退屈になった時は、こうやって遊ぶこともできる」
 エドラは椅子の上で足を組んで、頬杖をつく。唇を片頬吊り上げてシルヴィアの赤い目を真っ直ぐに見た。
「『服を脱げ』」
「こ、の……………っ!」
 思わず悪態が口をつきそうになるが、その手がするすると皮のジャケットを脱がすために動き始めたのを見て、口をつぐむ。絶対服従は、いまのシルヴィアには解くことができない。だったら、みだりに喚いてもどうにもならない。
 ジャケットを床に畳み、シャツを脱ぐ。手に収まらないぐらいの乳房が下着に包まれていながらも存在を主張し、ズボンのベルトを抜いたときにわずかに揺れた。
「ああ、黙ることにしたんだね。確かにその方が、貴族様の着替えって感じだ」
「っ………………………」
 エドラの軽口を無視して、シルヴィアは靴を脱いでから、ズボンを下ろした。前傾になってしゃがんだ、美しい体の大部分がエドラの目に晒される。白く肉感的な太腿に、ランタンの明りが当たって妖しい影を作った。下着の色は赤で、シルヴィアの髪と目の色によく合っている。
「うん、いったん立って。足を開いて直立不動」
「……………く、っ!」
 身を守るもののほとんどを奪われて、シルヴィアはエドラの前に立たされる。足を開けと言われても恥ずかしいのか、できるだけ内股になろうと動く太腿を軽く撫でる。
 シルヴィアの顎を持って上を向かせる。目を合わせる。
「敵陣で下着姿とは、惨めだね」
「…………蛮族、どもが。こんなの、不可抗力だ、犬に嚙まれたのと変わらない」
「ふうん、じゃあ。下着は自分で脱いでもらおうかな」
 命令なしで脱げ、というエドラの指示を、シルヴィアは鼻で笑った。
「従うわけがないだろう。馬鹿が」
「馬鹿は君だよ。ねえ、わかってる? 絶対服従の意味」
「殺すなら殺せ」
「『今から王国に戻って、大事な人から順に殺しに行け』」
「ま、待てっ!」
 耳元でささやかれて、ぞわりと肌が粟立った。
 同時に、ぎしりと自らの意思の外で動き始める体に、シルヴィアは余裕を失った声で静止を叫ぶ。すると、手が止まった。
 仄かに笑うエドラに、シルヴィアは地の底から這うような声を返した。
「この……外道、がっ」
「どうでもいいけど、早くしなよ」
「…………絶対に、殺してやるっ、からな!」
 いくら罵ったところで、エドラの笑みも、自分の立場も変わらない。どうせ脱がざるを得ないのも、変わらない。
 大股開きで立たされていたシルヴィアは、ふーぅぅぅぅ、と震える息を吐くと、意を決したように手を動かした。
 ブラのホックを外し、もう一度しゃがんで、下着を足から抜き取った。
「……これで。満足、か」
「『手は後ろで組め、足はできるだけ開け、黙れ』」
「かっ……………………!」
 声を出そうとすると呼吸がつまり、がくがくと顎を震わせて、最終的に息荒く唇を引き結ぶ。
 じろじろと、至近距離で検分するように全身を見られて、異性に体を許したことのないシルヴィアは、血が凍りそうな感覚を覚えた。
 頬に手を添えられて、唇の端を親指で撫でられる。反対の手で、かりかりと乳輪を引っかかれた。
「ぅ……」
「髪と目は綺麗な深紅だけど、唇と胸は綺麗な薄桃色だね。経験ないのかな。もう結婚適齢期だろうに」
「……………、……っ!」
 すっ、としゃがみ込まれて、叫びだしそうになるのを必死でこらえた。
 足を広げて立っていてもなお固く閉じられた陰唇を両手でつまんで、くに、と広げられる。あり得ない場所に空気が触れて、しかも忌むべき敵に触れられて、気が遠くなりそうだった。
「綺麗というか、使われていないみたいだね。それにしても、ここも赤いんだ。知らなかったよ」
「………ぐ、くっ」
 陰毛を軽くつままれて、くつくつと笑いながら戯れに引っ張られる。 
 屈辱的な玩弄を受けて体を震わせるシルヴィアは、自分のその動きが乳房を揺らし腰をくねらせ、異性に劣情を催させるものだとはまったく気づいていない。
 成熟した体、強靭な精神、そして新雪のように無垢な性経験。
 アンバランスで魅力的な獲物を前に、エドラは唇を弧の形に歪ませた。

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