20 / 24
ヒロインに惚れさせろーミッション2-2
しおりを挟む
2人が戻ってくるのが見えると、私はすかさず桟橋の方へ歩いていった。
セインはここで湖から上がり私の方へ来ようとして浅瀬の方でこけることになっている。
バッシャーンッ
どうやら予定通りのようだった。
最初は私の方から水に濡れるように仕掛けるという計画だったのだが、それだとどうも不自然になる、ということになりこういう結果に落ち着いたのである。
と、ここで私より、より近くリリシアの方にいたキースがすぐさま手を伸ばして助けた。
立ちあがった「リリシア」はそれはそれは水も滴るいい男ならぬ女で、私たちの計画は上手くいきそうだと、私は心の中でほくそ笑んだ。
リリシアの方に走りながらちらりとキースの様子を窺うと、そんなリリシアの様子をみて、赤面していた。
「リリシア、とりあえず別荘へ帰ろうか。」私は彼女の傍にいくと自分が羽織っていたカーディガンをそっと渡した。
「ルーナ、ありがとう。私ったらほんとにドジで。」舌をペロリと出しながら、彼は言う。
キースはと言えばわざとらしくそっぽを向いたまま何も言わなかった。
◇◇◇
「ほら、俺の言った通りだったろ?」夜にリリシアの部屋を尋ねるとしたり顔で彼はこう言った。
「そうだけど、ちょっと刺激が強かったのかなぁ。」私はキースってそんなに初だったけ?なんて思いながらもそう答えたのだった。
「まぁ、あの顔見る感じだと成功っぽいし、次の最終段階に入るか。」セインはちょっと考え込みながらもそう言った。
「最終段階は、惚れ薬でしょ?」私は確認するように言う。
「まぁな。ちょっとチートな手を使うけど、惚れ薬ったって、ある程度向こうが好意をもってくれてないと全く効かないからなぁ。」セインはぽつりと呟いた。
「それに関しては大丈夫でしょうよ。」私はこれまでのキースの様子を振り返りながらしみじみと言ったのだった。
「それで、ほんとにルーナ嬢は俺に付いてきてくれるんだな?このままでも君にとっては別に問題なんて。」ちょっと悲しそうにセインは琥珀色の瞳を歪める。
「私は貴方といるほうが、気楽だし落ち着くわ。キースはなんだか、分からないのよ。」これまでのキースの行動を一つ一つ思い出しながら私はそう言ったのだった。
セインはここで湖から上がり私の方へ来ようとして浅瀬の方でこけることになっている。
バッシャーンッ
どうやら予定通りのようだった。
最初は私の方から水に濡れるように仕掛けるという計画だったのだが、それだとどうも不自然になる、ということになりこういう結果に落ち着いたのである。
と、ここで私より、より近くリリシアの方にいたキースがすぐさま手を伸ばして助けた。
立ちあがった「リリシア」はそれはそれは水も滴るいい男ならぬ女で、私たちの計画は上手くいきそうだと、私は心の中でほくそ笑んだ。
リリシアの方に走りながらちらりとキースの様子を窺うと、そんなリリシアの様子をみて、赤面していた。
「リリシア、とりあえず別荘へ帰ろうか。」私は彼女の傍にいくと自分が羽織っていたカーディガンをそっと渡した。
「ルーナ、ありがとう。私ったらほんとにドジで。」舌をペロリと出しながら、彼は言う。
キースはと言えばわざとらしくそっぽを向いたまま何も言わなかった。
◇◇◇
「ほら、俺の言った通りだったろ?」夜にリリシアの部屋を尋ねるとしたり顔で彼はこう言った。
「そうだけど、ちょっと刺激が強かったのかなぁ。」私はキースってそんなに初だったけ?なんて思いながらもそう答えたのだった。
「まぁ、あの顔見る感じだと成功っぽいし、次の最終段階に入るか。」セインはちょっと考え込みながらもそう言った。
「最終段階は、惚れ薬でしょ?」私は確認するように言う。
「まぁな。ちょっとチートな手を使うけど、惚れ薬ったって、ある程度向こうが好意をもってくれてないと全く効かないからなぁ。」セインはぽつりと呟いた。
「それに関しては大丈夫でしょうよ。」私はこれまでのキースの様子を振り返りながらしみじみと言ったのだった。
「それで、ほんとにルーナ嬢は俺に付いてきてくれるんだな?このままでも君にとっては別に問題なんて。」ちょっと悲しそうにセインは琥珀色の瞳を歪める。
「私は貴方といるほうが、気楽だし落ち着くわ。キースはなんだか、分からないのよ。」これまでのキースの行動を一つ一つ思い出しながら私はそう言ったのだった。
0
お気に入りに追加
184
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした
miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。
婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。
(ゲーム通りになるとは限らないのかも)
・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。
周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。
馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。
冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。
強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!?
※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。

公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。
三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*
公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。
どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。
※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。
※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。

生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。

困りました。縦ロールにさよならしたら、逆ハーになりそうです。《改訂版》
新 星緒
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢アニエス(悪質ストーカー)に転生したと気づいたけれど、心配ないよね。だってフラグ折りまくってハピエンが定番だもの。
趣味の悪い縦ロールはやめて性格改善して、ストーカーしなければ楽勝楽勝!
……って、あれ?
楽勝ではあるけれど、なんだか思っていたのとは違うような。
想定外の逆ハーレムを解消するため、イケメンモブの大公令息リュシアンと協力関係を結んでみた。だけどリュシアンは、「惚れた」と言ったり「からかっただけ」と言ったり、意地悪ばかり。嫌なヤツ!
でも実はリュシアンは訳ありらしく……

巻き込まれて婚約破棄になった私は静かに舞台を去ったはずが、隣国の王太子に溺愛されてしまった!
ユウ
恋愛
伯爵令嬢ジゼルはある騒動に巻き込まれとばっちりに合いそうな下級生を庇って大怪我を負ってしまう。
学園内での大事件となり、体に傷を負った事で婚約者にも捨てられ、学園にも居場所がなくなった事で悲しみに暮れる…。
「好都合だわ。これでお役御免だわ」
――…はずもなかった。
婚約者は他の女性にお熱で、死にかけた婚約者に一切の関心もなく、学園では派閥争いをしており正直どうでも良かった。
大切なのは兄と伯爵家だった。
何かも失ったジゼルだったが隣国の王太子殿下に何故か好意をもたれてしまい波紋を呼んでしまうのだった。

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。

【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました
かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中!
そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……?
可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです!
そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!?
イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!!
毎日17時と19時に更新します。
全12話完結+番外編
「小説家になろう」でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる