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ヒロインに惚れさせろーミッション2-2
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2人が戻ってくるのが見えると、私はすかさず桟橋の方へ歩いていった。
セインはここで湖から上がり私の方へ来ようとして浅瀬の方でこけることになっている。
バッシャーンッ
どうやら予定通りのようだった。
最初は私の方から水に濡れるように仕掛けるという計画だったのだが、それだとどうも不自然になる、ということになりこういう結果に落ち着いたのである。
と、ここで私より、より近くリリシアの方にいたキースがすぐさま手を伸ばして助けた。
立ちあがった「リリシア」はそれはそれは水も滴るいい男ならぬ女で、私たちの計画は上手くいきそうだと、私は心の中でほくそ笑んだ。
リリシアの方に走りながらちらりとキースの様子を窺うと、そんなリリシアの様子をみて、赤面していた。
「リリシア、とりあえず別荘へ帰ろうか。」私は彼女の傍にいくと自分が羽織っていたカーディガンをそっと渡した。
「ルーナ、ありがとう。私ったらほんとにドジで。」舌をペロリと出しながら、彼は言う。
キースはと言えばわざとらしくそっぽを向いたまま何も言わなかった。
◇◇◇
「ほら、俺の言った通りだったろ?」夜にリリシアの部屋を尋ねるとしたり顔で彼はこう言った。
「そうだけど、ちょっと刺激が強かったのかなぁ。」私はキースってそんなに初だったけ?なんて思いながらもそう答えたのだった。
「まぁ、あの顔見る感じだと成功っぽいし、次の最終段階に入るか。」セインはちょっと考え込みながらもそう言った。
「最終段階は、惚れ薬でしょ?」私は確認するように言う。
「まぁな。ちょっとチートな手を使うけど、惚れ薬ったって、ある程度向こうが好意をもってくれてないと全く効かないからなぁ。」セインはぽつりと呟いた。
「それに関しては大丈夫でしょうよ。」私はこれまでのキースの様子を振り返りながらしみじみと言ったのだった。
「それで、ほんとにルーナ嬢は俺に付いてきてくれるんだな?このままでも君にとっては別に問題なんて。」ちょっと悲しそうにセインは琥珀色の瞳を歪める。
「私は貴方といるほうが、気楽だし落ち着くわ。キースはなんだか、分からないのよ。」これまでのキースの行動を一つ一つ思い出しながら私はそう言ったのだった。
セインはここで湖から上がり私の方へ来ようとして浅瀬の方でこけることになっている。
バッシャーンッ
どうやら予定通りのようだった。
最初は私の方から水に濡れるように仕掛けるという計画だったのだが、それだとどうも不自然になる、ということになりこういう結果に落ち着いたのである。
と、ここで私より、より近くリリシアの方にいたキースがすぐさま手を伸ばして助けた。
立ちあがった「リリシア」はそれはそれは水も滴るいい男ならぬ女で、私たちの計画は上手くいきそうだと、私は心の中でほくそ笑んだ。
リリシアの方に走りながらちらりとキースの様子を窺うと、そんなリリシアの様子をみて、赤面していた。
「リリシア、とりあえず別荘へ帰ろうか。」私は彼女の傍にいくと自分が羽織っていたカーディガンをそっと渡した。
「ルーナ、ありがとう。私ったらほんとにドジで。」舌をペロリと出しながら、彼は言う。
キースはと言えばわざとらしくそっぽを向いたまま何も言わなかった。
◇◇◇
「ほら、俺の言った通りだったろ?」夜にリリシアの部屋を尋ねるとしたり顔で彼はこう言った。
「そうだけど、ちょっと刺激が強かったのかなぁ。」私はキースってそんなに初だったけ?なんて思いながらもそう答えたのだった。
「まぁ、あの顔見る感じだと成功っぽいし、次の最終段階に入るか。」セインはちょっと考え込みながらもそう言った。
「最終段階は、惚れ薬でしょ?」私は確認するように言う。
「まぁな。ちょっとチートな手を使うけど、惚れ薬ったって、ある程度向こうが好意をもってくれてないと全く効かないからなぁ。」セインはぽつりと呟いた。
「それに関しては大丈夫でしょうよ。」私はこれまでのキースの様子を振り返りながらしみじみと言ったのだった。
「それで、ほんとにルーナ嬢は俺に付いてきてくれるんだな?このままでも君にとっては別に問題なんて。」ちょっと悲しそうにセインは琥珀色の瞳を歪める。
「私は貴方といるほうが、気楽だし落ち着くわ。キースはなんだか、分からないのよ。」これまでのキースの行動を一つ一つ思い出しながら私はそう言ったのだった。
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