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3.第二幕

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 柔らかい朝日に誘われて、私は目を擦りながらふわふわのベットから起きると、変な夢を見たものだとうーんと伸びをしました。

 サイドテーブルにある机の上のスマホを手に取り、時間を確認しようとしたら、

「もう少し寝てようよ」

 そう一緒に寝てた塁に言われて、わたしはそれもそうだとベットに潜り込み直そうとしたとき、

「る、塁!?」

 わたしは少し飛び上がって驚きました。

「そんな驚くこともないだろう、君の恋人なんだから」

 そう言いながら、彼は私の方に腕を回してきます。

 (やっぱりこれまでのことは変な夢だったんだ)

 私が心の中でほっと安堵した時、塁は

「今回は、僕達2人ともきちんと元の世界に戻れたみたいだね」

 そうポツリと呟きました。

 そして、その言葉が私たちが今まで別世界にいた事を私に再認識させたのでした。

「そういえば、塁の同僚に海斗さんて人いたっけ?」

 私は改めて、これまでのことを振り返りながら、そっと塁に聞いてみました。

 というのも、塁は職場の人の話をしてくれるものの、彼の名前は聞いたこと無かったからです。

 「ああ、最近僕の部署に入ってきたんだ」

 塁はポツリと呟きました。

「それにしても、塁ったら、庭から指輪を探し出すなんてやるじゃない!」

 私は自分の指に嵌められた銀の指輪を見ながらニコニコして言いました。

「たまたま、外で王子を迎えようとしたら、上から落ちてきたんだよ、それで慌てて君の元に戻ったってわけ」

 ほんとに焦ったよ…そう言いながら、塁は少し寝足りないのか、あくびをしました。

「それにしても、自分で刻印を押すのはめちゃくちゃ痛かった……。それに魔法使いに色々助太刀をしてもらうために大金をはたいてしまったし、もう向こうの世界の僕は1文無しさ」

「もう向こうの世界に戻ることなんてないし、いいじゃない」

 私はもう塁との仲を引き裂かれたくないという意味を込めてそう言いました。

「それより、海斗さんもこっちに戻ってきてるはずだけど、これからどうするの?」

 塁が横にいたことにより、すっかり忘れてた重要なことを思い出して、私は慌てて塁の方へと向き直りました。

「とにかく、今僕達はもともとの世界に戻ってきてるから、ひとまずは安心なんじゃないかな」

 ただ、君に渡してたゲームは念の為、処分しておかないとな、塁がそう言ってベットから起き上がると、

 私のベットのサイドテーブルに置かれたゲーム機に手を伸ばしました。

 すると、突然そのゲーム機が光り出して……


 
 

 
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