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1章 9 12月の出来事
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季節は流れ、12月になっていた。
ニコルは学校が冬季休暇に入り、私も今日は食堂が定休日だった。
外はすっかり冬景色にかわり、寒さが身に染みるようになってきた。
けれど、この屋敷には暖炉がある部屋はリビングだけしか無い。そこで弟と2人で父のベッドを移動することになったのだが……。
「お、重い……重くて動かせないわ……」
「お姉ちゃん……ぼ、僕……力が弱くてごめん……」
2人でベッドの前後を担いで動かそうとしても、女の私とまだ子供のニコルでは到底動かせるはずはなかった。
「ふたりとも……そんなに無理して運ばなくても大丈夫だ。私はソファで寝ても構わないから」
古びたカウチソファに横たわった父が心配そうに声をかけてくる。
「でも、お父様にソファで眠ってもらうわけにはいかないわ」
すっかり痩せてしまった父。
父にもニコルにも話してはいないが、お医者様から父はもう今年いっぱい持たないかもしれないと言われている。
だから最期くらいは暖かい部屋のベッドの上で逝かせてあげたかったのだ。
なのに……、ベッドを移動させることすら出来ない。私は……なんて無力なのだろう。
男爵家でありながら、私達一家は平民たちの暮らしよりも貧しかった。
代々、クレイマー家の当主は慈悲深い人たちばかりで領民の為を思い、殆ど税収を取らなかったからだ。
その為、借金が増えて領知は没収されて今は名ばかりの貴族になってしまったのだ。
爵位だけある貧しい貴族に、近所の人々の視線は冷たい。
ベッドの移動を頼んだところで、誰も力を貸してくれないのは分かりきっていた。
「お姉様……どうしよう……」
ニコルが泣きそうな顔を向ける。
「……大丈夫、何とかするわ」
私が働いている食堂には土方仕事をしている男の人達が大勢お客として来ている。
その人達に頼めば、誰かしらは手を貸してくれる……はずだ。
「フローネ、本当に私なら大丈夫……ゴホッ! ゴホッ!」
父が血痰混じりの咳をした。
「お父様!」
慌てて駆け寄り、父の背中をさする。
「お、お父様……し、死なないでよぉ……」
ニコルは父が初めて血を吐く姿を見て顔が真っ青になって震えている。
「大丈夫だ、ニコル。……これくらいは平気だよ」
父は口元の血をガーゼで拭うと弱々しく笑みを浮かべる。
「そうよ、ニコル。男の子なんだから……泣いては駄目よ? お父様、今日はソファで我慢してね? 明日、仕事に行ったら誰かにベッドの移動をお願いしてみるから」
「すまないな……フローネ。お前には迷惑ばかりかけて……ゴホッ!」
「いいのよ、お父様。私の方こそ……ごめんなさい……」
肺を悪くしている父は、お医者様から冷えは一番の大敵と言われている。
温かいブランケットや、綿入れを父に買ってあげたいのにそんなお金すら我が家には無い。
私にはお金持ちの幼なじみが2人もいる。
けれど……とてもではないが、借金の申し出をすることだけは出来なかった。そんなことをすれば、私達の関係は終わってしまう気がした。
恥を捨ててお金を貸して下さいと言えればいいのに……その勇気が私には無かった。
こんな自分が嫌でたまらない。
不甲斐なくて、鼻の奥がツンとなって涙が滲みそうになってくる。それをごまかすために私は無理に笑顔を作った。
「それじゃ、薪を取ってくるわ。ニコルはお父様の様子を見ていてね」
「うん、任せて」
「フローネ、薪割り……気をつけるのだよ?」
「ええ、大丈夫よ」
椅子に掛けておいたショールを肩から羽織ると、私は薪を取りに小屋へ向かった。
****
「寒い……」
外は冷たい北風が吹きすさび、身体の芯から冷やそうとする。
かじかんだ手に息を吐きかけながら、私は小屋へ向かった。
「ふぅ……重いわ……」
小屋から束ねた薪を運んでいると、背後から突然声をかけられた。
「フローネ!」
驚いて振り向くと、帽子を被り防寒コートを羽織ったクリフの姿があったのだ。背後には御者の男性もいる。
「え……? クリフ……? 何故ここに……?」
「大学が冬季休暇に入って、この間まで別荘に行っていたんだよ。それで、今日こっちに戻ってきたんだけど……フローネにお土産を渡したくて」
「お土産……?」
「うん、前回は……あんなお土産しか渡せなかったから、申し訳なくて」
クリフはコートのポケットから小さな箱を取り出した。
「ネックレスだよ。フローネに似合いそうだと思って買ったんだ」
そして笑みを浮かべる。
「わ、私に……?」
思わず声が震えてしまう。
「勿論そうだよ」
そんな、信じられない。嘘みたいだ。クリフが……私の為にネックレスのお土産を買ってきてくれるなんて。
「ありがとう、クリフ。私、大切にするわ」
小箱をそっと両手で包み込む。
「うん。……ところで、何をしているんだい?」
「薪を運んでいたの。部屋の中はとても寒いから」
「そうなのか……。え? フローネ、この手、どうしたんだい!?」
「え? キャッ!」
突然クリフに腕を掴まれ、顔が赤くなる。
「……豆が出来ているじゃないか」
じっと私を見つめるクリフ。
「あ、さ、さっきまで小屋の中で薪を割っていたから……で、でもこれくらい平気よ」
「無理はしないほうがいい。僕と御者で薪を運ぶよ」
「はい、クリフ様」
クリフの言葉に頷く御者。
「でも悪いわ」
貴族のクリフに薪を運んでもらうなんて、申し訳ない。
「駄目だよ、明日だって食堂の仕事があるんだよね?」
「……そうよ」
「だったら僕たちが運ぶよ。案内してくれる?」
「……ありがとう。クリフ」
私は彼の優しさに甘えることにした。
その後、クリフと男性御者は薪を室内に運んでくれたばかりか、父のベッドまでリビングに移動してくれたのだった――
**
「今日はありがとう、クリフ」
馬車に乗り込んだクリフにお礼を述べた。
「これくらい、どうってこと無いよ。だって、僕たち友達だろう?」
ニコリと笑みを浮かべるクリフ。
友達……。クリフは私が友達以上の気持ちを寄せていることなど知らない。
「そうだけど……」
「なら、遠慮する必要は無いよ。それじゃ、またね」
クリフは手をふると、馬車で去って行った。
「……ありがとう、クリフ」
私は彼を乗せた馬車が見えなくなるまで見送り……父とニコルの元へ向かった。
そして、クリフが父のベッドをリビングに移動してくれてから10日後の12月31日。
寒い雪が降ったこの日……父は静かに息を引き取った――
ニコルは学校が冬季休暇に入り、私も今日は食堂が定休日だった。
外はすっかり冬景色にかわり、寒さが身に染みるようになってきた。
けれど、この屋敷には暖炉がある部屋はリビングだけしか無い。そこで弟と2人で父のベッドを移動することになったのだが……。
「お、重い……重くて動かせないわ……」
「お姉ちゃん……ぼ、僕……力が弱くてごめん……」
2人でベッドの前後を担いで動かそうとしても、女の私とまだ子供のニコルでは到底動かせるはずはなかった。
「ふたりとも……そんなに無理して運ばなくても大丈夫だ。私はソファで寝ても構わないから」
古びたカウチソファに横たわった父が心配そうに声をかけてくる。
「でも、お父様にソファで眠ってもらうわけにはいかないわ」
すっかり痩せてしまった父。
父にもニコルにも話してはいないが、お医者様から父はもう今年いっぱい持たないかもしれないと言われている。
だから最期くらいは暖かい部屋のベッドの上で逝かせてあげたかったのだ。
なのに……、ベッドを移動させることすら出来ない。私は……なんて無力なのだろう。
男爵家でありながら、私達一家は平民たちの暮らしよりも貧しかった。
代々、クレイマー家の当主は慈悲深い人たちばかりで領民の為を思い、殆ど税収を取らなかったからだ。
その為、借金が増えて領知は没収されて今は名ばかりの貴族になってしまったのだ。
爵位だけある貧しい貴族に、近所の人々の視線は冷たい。
ベッドの移動を頼んだところで、誰も力を貸してくれないのは分かりきっていた。
「お姉様……どうしよう……」
ニコルが泣きそうな顔を向ける。
「……大丈夫、何とかするわ」
私が働いている食堂には土方仕事をしている男の人達が大勢お客として来ている。
その人達に頼めば、誰かしらは手を貸してくれる……はずだ。
「フローネ、本当に私なら大丈夫……ゴホッ! ゴホッ!」
父が血痰混じりの咳をした。
「お父様!」
慌てて駆け寄り、父の背中をさする。
「お、お父様……し、死なないでよぉ……」
ニコルは父が初めて血を吐く姿を見て顔が真っ青になって震えている。
「大丈夫だ、ニコル。……これくらいは平気だよ」
父は口元の血をガーゼで拭うと弱々しく笑みを浮かべる。
「そうよ、ニコル。男の子なんだから……泣いては駄目よ? お父様、今日はソファで我慢してね? 明日、仕事に行ったら誰かにベッドの移動をお願いしてみるから」
「すまないな……フローネ。お前には迷惑ばかりかけて……ゴホッ!」
「いいのよ、お父様。私の方こそ……ごめんなさい……」
肺を悪くしている父は、お医者様から冷えは一番の大敵と言われている。
温かいブランケットや、綿入れを父に買ってあげたいのにそんなお金すら我が家には無い。
私にはお金持ちの幼なじみが2人もいる。
けれど……とてもではないが、借金の申し出をすることだけは出来なかった。そんなことをすれば、私達の関係は終わってしまう気がした。
恥を捨ててお金を貸して下さいと言えればいいのに……その勇気が私には無かった。
こんな自分が嫌でたまらない。
不甲斐なくて、鼻の奥がツンとなって涙が滲みそうになってくる。それをごまかすために私は無理に笑顔を作った。
「それじゃ、薪を取ってくるわ。ニコルはお父様の様子を見ていてね」
「うん、任せて」
「フローネ、薪割り……気をつけるのだよ?」
「ええ、大丈夫よ」
椅子に掛けておいたショールを肩から羽織ると、私は薪を取りに小屋へ向かった。
****
「寒い……」
外は冷たい北風が吹きすさび、身体の芯から冷やそうとする。
かじかんだ手に息を吐きかけながら、私は小屋へ向かった。
「ふぅ……重いわ……」
小屋から束ねた薪を運んでいると、背後から突然声をかけられた。
「フローネ!」
驚いて振り向くと、帽子を被り防寒コートを羽織ったクリフの姿があったのだ。背後には御者の男性もいる。
「え……? クリフ……? 何故ここに……?」
「大学が冬季休暇に入って、この間まで別荘に行っていたんだよ。それで、今日こっちに戻ってきたんだけど……フローネにお土産を渡したくて」
「お土産……?」
「うん、前回は……あんなお土産しか渡せなかったから、申し訳なくて」
クリフはコートのポケットから小さな箱を取り出した。
「ネックレスだよ。フローネに似合いそうだと思って買ったんだ」
そして笑みを浮かべる。
「わ、私に……?」
思わず声が震えてしまう。
「勿論そうだよ」
そんな、信じられない。嘘みたいだ。クリフが……私の為にネックレスのお土産を買ってきてくれるなんて。
「ありがとう、クリフ。私、大切にするわ」
小箱をそっと両手で包み込む。
「うん。……ところで、何をしているんだい?」
「薪を運んでいたの。部屋の中はとても寒いから」
「そうなのか……。え? フローネ、この手、どうしたんだい!?」
「え? キャッ!」
突然クリフに腕を掴まれ、顔が赤くなる。
「……豆が出来ているじゃないか」
じっと私を見つめるクリフ。
「あ、さ、さっきまで小屋の中で薪を割っていたから……で、でもこれくらい平気よ」
「無理はしないほうがいい。僕と御者で薪を運ぶよ」
「はい、クリフ様」
クリフの言葉に頷く御者。
「でも悪いわ」
貴族のクリフに薪を運んでもらうなんて、申し訳ない。
「駄目だよ、明日だって食堂の仕事があるんだよね?」
「……そうよ」
「だったら僕たちが運ぶよ。案内してくれる?」
「……ありがとう。クリフ」
私は彼の優しさに甘えることにした。
その後、クリフと男性御者は薪を室内に運んでくれたばかりか、父のベッドまでリビングに移動してくれたのだった――
**
「今日はありがとう、クリフ」
馬車に乗り込んだクリフにお礼を述べた。
「これくらい、どうってこと無いよ。だって、僕たち友達だろう?」
ニコリと笑みを浮かべるクリフ。
友達……。クリフは私が友達以上の気持ちを寄せていることなど知らない。
「そうだけど……」
「なら、遠慮する必要は無いよ。それじゃ、またね」
クリフは手をふると、馬車で去って行った。
「……ありがとう、クリフ」
私は彼を乗せた馬車が見えなくなるまで見送り……父とニコルの元へ向かった。
そして、クリフが父のベッドをリビングに移動してくれてから10日後の12月31日。
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