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11-25 勝利の狼煙
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その頃――
宿場村に残ったスティーブの部隊は、ダリウスの部下たちを連行して海にほど近い岩場にある洞窟にやってきていた。
「隊長!また洞窟の奥から、これだけの武器が出てきました!」
兵士達が洞窟の奥からダリウスの部下たちが隠し持っていた武器を運び出してきた。
「そうか…これまた随分と隠し持っていたもんだなぁ?」
スティーブは縛り上げられて、座らされた『カフィア』国の騎士たちを腕組みしながら見下ろした。
「くそっ…!蛮族どもめ…っ!」
スティーブの一番近くにいた騎士が睨みつけていた。
「ほーう。その蛮族共に負けたのはどこのどいつらだ?お前らだろう?」
「グッ…!」
騎士は言い返せず黙ってしまう。
「隊長っ!これで全てですっ!」
足元には大量の弓矢や剣、中には銃までもがあった。
「よしっ!それらは戦利品として城に持ち帰ろう!コイツラは船に乗せて追い払うんだっ!」
「馬鹿な奴だ…いくら我らから武器を奪ったところで…いつでもまた反撃ぐらい出来るぞ?」
「そうだっ!俺たちを甘く見るなっ!」
「野蛮な番犬達めっ!」
騎士たちは次々と大声で抗議し始めた。それらの様子をスティーブは少しの間、黙って見ていたが…ついに我慢の限界になり、叫んだ。
「黙れ貴様らっ!いいか?!忘れたのかっ?!俺たちの手中には貴様らの国の王子があるということを!ダリウスはこれから我らの人質となるのだっ!もし、少しでもおかしな真似をしようものなら王子の腕の足の1本や2本、切り落として『カフィア』国に送りつけたっていいのだぞっ?!」
『!!』
その言葉にダリウスの部下たちが青ざめたのは言うまでもない。
途端に彼等は静かになった。
「…よく分かっただろう?貴様らは俺たち『アイゼンシュタット』には逆らえないとな…」
不敵に笑うスティーブを前に、もはや文句を言う者は1人もいなかった。
その時――。
「隊長ーっ!」
宿場村の見張り台で城の様子を見張っていた兵士が駆けつけてきた。
「どうした?!城で何か動きがあったかっ?!」
「はいっ!アイゼンシュタット城から勝利の狼煙があがっております!エルウィン様の勝利ですっ!もう安全は確保されました!」
「流石はエルウィン様だ…」
スティーブは満足そうに頷くと、次に頭に浮かんだのはアリアドネのことだった。
「よし、後のことはお前らに任せる。俺は教会へ寄った後、一度城へ戻る!ある御方を城に連れて行かなければならないからなっ!」
『はっ!』
その場にいるアイゼンシュタットの騎士たちは一斉に返事をした――。
****
「私…いつまでここにいればいいのかしら…」
窓から外を眺めながらポツリと呟いた時……。
「アリアドネ。ちょっといいか?」
開け放たれた扉からスティーブが現れた――。
宿場村に残ったスティーブの部隊は、ダリウスの部下たちを連行して海にほど近い岩場にある洞窟にやってきていた。
「隊長!また洞窟の奥から、これだけの武器が出てきました!」
兵士達が洞窟の奥からダリウスの部下たちが隠し持っていた武器を運び出してきた。
「そうか…これまた随分と隠し持っていたもんだなぁ?」
スティーブは縛り上げられて、座らされた『カフィア』国の騎士たちを腕組みしながら見下ろした。
「くそっ…!蛮族どもめ…っ!」
スティーブの一番近くにいた騎士が睨みつけていた。
「ほーう。その蛮族共に負けたのはどこのどいつらだ?お前らだろう?」
「グッ…!」
騎士は言い返せず黙ってしまう。
「隊長っ!これで全てですっ!」
足元には大量の弓矢や剣、中には銃までもがあった。
「よしっ!それらは戦利品として城に持ち帰ろう!コイツラは船に乗せて追い払うんだっ!」
「馬鹿な奴だ…いくら我らから武器を奪ったところで…いつでもまた反撃ぐらい出来るぞ?」
「そうだっ!俺たちを甘く見るなっ!」
「野蛮な番犬達めっ!」
騎士たちは次々と大声で抗議し始めた。それらの様子をスティーブは少しの間、黙って見ていたが…ついに我慢の限界になり、叫んだ。
「黙れ貴様らっ!いいか?!忘れたのかっ?!俺たちの手中には貴様らの国の王子があるということを!ダリウスはこれから我らの人質となるのだっ!もし、少しでもおかしな真似をしようものなら王子の腕の足の1本や2本、切り落として『カフィア』国に送りつけたっていいのだぞっ?!」
『!!』
その言葉にダリウスの部下たちが青ざめたのは言うまでもない。
途端に彼等は静かになった。
「…よく分かっただろう?貴様らは俺たち『アイゼンシュタット』には逆らえないとな…」
不敵に笑うスティーブを前に、もはや文句を言う者は1人もいなかった。
その時――。
「隊長ーっ!」
宿場村の見張り台で城の様子を見張っていた兵士が駆けつけてきた。
「どうした?!城で何か動きがあったかっ?!」
「はいっ!アイゼンシュタット城から勝利の狼煙があがっております!エルウィン様の勝利ですっ!もう安全は確保されました!」
「流石はエルウィン様だ…」
スティーブは満足そうに頷くと、次に頭に浮かんだのはアリアドネのことだった。
「よし、後のことはお前らに任せる。俺は教会へ寄った後、一度城へ戻る!ある御方を城に連れて行かなければならないからなっ!」
『はっ!』
その場にいるアイゼンシュタットの騎士たちは一斉に返事をした――。
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「私…いつまでここにいればいいのかしら…」
窓から外を眺めながらポツリと呟いた時……。
「アリアドネ。ちょっといいか?」
開け放たれた扉からスティーブが現れた――。
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