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第14話 悪役令嬢の案
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「アルフォンソ様はいるかしら…」
頬を染めてキョロキョロ辺りを見渡すノエルは本当に可愛らしかった。
うん、大丈夫。同性の私から見てもノエルはこんなに可愛いのだから、きっと王子は気に入るに決まっている。
学食は混雑している為、中々アルフォンソ王子を見つけることが出来なかったが…。
「あ!いたわっ!アルフォンソ様だわっ!」
ノエルがいち早く見つけた。
「本当?どこにいるの?」
「ほら、あそこっ!窓際の丸テーブルの席よ!でも…ちょっとぉっ!一体どういうことなのよっ!別の女性達と親しげに話しているじゃないのっ!」
あろうことか、ノエルは私の首根っこを掴むと揺すぶってきた。
「ちょ、ちょっとっ!落ち着いてっ!って言うか、どうして私にあたるのよっ!」
「当たり前でしょうっ?!悪役令嬢で婚約者の貴女がアルフォンソ様に近づく女性たちを牽制しないから…あ、あんなことになってるんじゃないのっ!」
ノエルが指さした先には4人の女性たちと一緒にテーブルを囲んでいるアルフォンソ王子の姿があった。
「そ、そんなこと言われたって…どうして私がそんなことまで責められなくちゃならないのよ!」
「とうぜんでしょうっ?ゲームのシナリオ通りに貴女が行動しないから…何もかも予想外の展開になってるんじゃないのっ!責任取ってちょうだいよっ!」
尚もガクガクと私の首根っこを掴んで離さないノエル。
「せ、せ、責任って!どう取ればいいのよっ?!」
「そんなのあのゲームをプレイしている貴女なら知っているでしょう?アリーナがどんな行動を取ったかっ!」
「そ、それは分かったけど…でも貴女はどうするのよ?まさかここで傍観者になっているつもり?いくら私があの女性たちを牽制しても、貴女があのグループの輪に入っていなければどうしようもないじゃないっ!」
「う、そ・それは…」
そこでようやくノエルは私を離した。
「どうしよう…アリーナ…どうすればいいのかしら…?」
「う~ん…こうなったら、無理やり貴女をねじ込むしか無いわね」
「へ?ねじ込むって…」
「要は私がアルフォンソ王子に近づく女性たちを牽制している後ろに貴女がさり気なくついていればいいのよ」
「え?それでどうすればいいの?」
「う~ん…後はなるようになれよ!それじゃいくわよっ!」
私はノエルを後ろに引き連れ、ズンズンとアルフォンソ王子の元へと向った。
うん。
私は元々アルフォンソ王子に嫌われているし、これ以上更に嫌われたってどうってことはない。何しろ王子には微塵も興味がないし、出来ればこの機にすっぱり腐れ縁を断ち切るには良い機会だ。
「ね~…本当にうまくいくんでしょうねぇ…?」
ノエルが背後から不安そうに声を掛けてくる。
「う~ん…とりあえず当たって砕けろよ。見てらっしゃい?とっておきの悪役令嬢を演じて喧嘩をふっかけてあげるから!」
そして…ついに私はアルフォンソ王子と、取り巻き令嬢達の前に立ちはだかった―。
頬を染めてキョロキョロ辺りを見渡すノエルは本当に可愛らしかった。
うん、大丈夫。同性の私から見てもノエルはこんなに可愛いのだから、きっと王子は気に入るに決まっている。
学食は混雑している為、中々アルフォンソ王子を見つけることが出来なかったが…。
「あ!いたわっ!アルフォンソ様だわっ!」
ノエルがいち早く見つけた。
「本当?どこにいるの?」
「ほら、あそこっ!窓際の丸テーブルの席よ!でも…ちょっとぉっ!一体どういうことなのよっ!別の女性達と親しげに話しているじゃないのっ!」
あろうことか、ノエルは私の首根っこを掴むと揺すぶってきた。
「ちょ、ちょっとっ!落ち着いてっ!って言うか、どうして私にあたるのよっ!」
「当たり前でしょうっ?!悪役令嬢で婚約者の貴女がアルフォンソ様に近づく女性たちを牽制しないから…あ、あんなことになってるんじゃないのっ!」
ノエルが指さした先には4人の女性たちと一緒にテーブルを囲んでいるアルフォンソ王子の姿があった。
「そ、そんなこと言われたって…どうして私がそんなことまで責められなくちゃならないのよ!」
「とうぜんでしょうっ?ゲームのシナリオ通りに貴女が行動しないから…何もかも予想外の展開になってるんじゃないのっ!責任取ってちょうだいよっ!」
尚もガクガクと私の首根っこを掴んで離さないノエル。
「せ、せ、責任って!どう取ればいいのよっ?!」
「そんなのあのゲームをプレイしている貴女なら知っているでしょう?アリーナがどんな行動を取ったかっ!」
「そ、それは分かったけど…でも貴女はどうするのよ?まさかここで傍観者になっているつもり?いくら私があの女性たちを牽制しても、貴女があのグループの輪に入っていなければどうしようもないじゃないっ!」
「う、そ・それは…」
そこでようやくノエルは私を離した。
「どうしよう…アリーナ…どうすればいいのかしら…?」
「う~ん…こうなったら、無理やり貴女をねじ込むしか無いわね」
「へ?ねじ込むって…」
「要は私がアルフォンソ王子に近づく女性たちを牽制している後ろに貴女がさり気なくついていればいいのよ」
「え?それでどうすればいいの?」
「う~ん…後はなるようになれよ!それじゃいくわよっ!」
私はノエルを後ろに引き連れ、ズンズンとアルフォンソ王子の元へと向った。
うん。
私は元々アルフォンソ王子に嫌われているし、これ以上更に嫌われたってどうってことはない。何しろ王子には微塵も興味がないし、出来ればこの機にすっぱり腐れ縁を断ち切るには良い機会だ。
「ね~…本当にうまくいくんでしょうねぇ…?」
ノエルが背後から不安そうに声を掛けてくる。
「う~ん…とりあえず当たって砕けろよ。見てらっしゃい?とっておきの悪役令嬢を演じて喧嘩をふっかけてあげるから!」
そして…ついに私はアルフォンソ王子と、取り巻き令嬢達の前に立ちはだかった―。
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