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第2章 66 プレゼント

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 翌朝―


ピピピピ……ッ!

7時にセットしたスマホのアラームがけたたましく鳴り響いた。

「う~ん……もう朝か……」

手探りでサイドテーブルの上に置いたスマホを探して、アラームを止めると起き上がる。

「ふわぁぁああ~……」

ベッドの上で大きく伸びをすると、すぐに朝の準備を始めた――。


「よし、食うか!」

 俺の正面のテーブルの上には手作りのピザトースト、ベーコンエッグ、コーヒーが乗っている。

リモコンを手に取ると、早速テレビをつけた。

適当にリモコンをいじり、朝の情報番組を見ながらピザトーストを口にする。

「う~ん…。それにしても…俺が今見ている内容は15年も前の情報なんだよな…。最新情報なんて言ってるが、結局古い内容だし…俺が観ても何の意味も無いだろうな」

1人、ぼやきながら朝食を食べ終えると食器を片付けにキッチンへ向った――。



「さて…リサーチの続きをするか」

PCの前に座ると、電源を入れて検索の続きを始めた。
昨夜は午前1時過ぎ迄、どんなプレゼントなら喜んでくれるか散々調べたのに…結局良いプレゼントが思い当たらなかったのだ。

「う~ん…いっそ食べ物にするか…」

一度その言葉を口にしてみれば、やはり食べ物が一番無難そうに思えてきた。

「よし!食べ物にするか!早速出かけよう」

今の時刻は9時半、駅まで歩いても15分程。
丁度店も開いてくる頃だろう。財布とスマホをジャケットに突っ込むと、駅に向かった――。



****

 駅前の商店街を歩きながら、歩きながら考えていた。

「う~ん……どんな食べ物なら彩花は喜んでくれるのか……?」

15年前の俺は子供だった。
あの頃、彩花は俺にどんな食べ物が好きなのか、よく尋ねてくれていた。

一方の俺は…彩花の好きな食べを尋ねた事はあっただろうか?

彩花を失って…時がたつに連れ、俺は悔やんでばかりだった。
まだ子供で無力な俺は、あの頃は何一つ彩花の為にしてやれなかった。

大人だったなら、彼女の喜ぶことをしてあげられたのにと……あの頃にもし戻れたなら俺は彩花の為に自分の人生を捧げても良いと思っていた。

「よし、待ってろよ。彩花…。とっておきの食べ物を用意してやるからな……」


そして手始めに一番近場にあったスイーツショップに足を向けた――。




****


「ありがとうございました~」


女性店員の声を背中に受けながら、店を出た。
手にはケーキの入った紙袋が入っている。

結局、俺が選んだのはパイの焼き菓子…エッグタルトを3個購入した。
何故3個にしたかと言うと、この焼き菓子は冷蔵保存で3日保存可能だと言われたからだ。


「彩花……喜んでくれるかな……」

こうして俺は彩花へのプレゼントを手に、家路へついた――。
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