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第2章 3 宮田教授との出会い 1
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宮田教授との出会い―。
それは俺が高校2年の終わり…図書館での出来事だった。
当時の俺は進路のことで悩んでいた。
大学へ進むか、それとも就職をするか…。
児童相談所の職員の人達、それに学校側は奨学金を利用してでも大学進学するべきだと勧めてくれていたが、正直俺は迷っていた。
迷っていた理由はやはり金の問題だった。
果たして奨学金を借りて大学進学しても、働いて返していけるのかが心配だった。
何しろ俺はとんでもないクズ野郎の…憎くてたまらないアイツのせいで人生が全て狂わされたのだから…。
貧しさゆえ、服はサイズの小さくなったものでも構わず着させられた。靴だってそうだ。
小さくて履けないのでかかとを踏んで履いていたら、流石に学校側が哀れに思ったのか、何処からお金を工面したのかは知れないが、靴を俺に買って履かせてくれた。
勉強に必要な文具すら買う金は無く、アイツは自分の為だけに金を使っていたとんでもないクズ野郎だった。
だから金の苦労はしたくなかったのだ。
金に困る生活をするのだけは御免だった。金を借り入れて大学に進学するくらいなら就職した方がマシなのではないだろうか…その考えの方が強かった。
それでも周囲の人々に押され、一応俺は受験勉強に備えることに決めた。大学に行けばより良い企業に就職できるチャンスだと言われたからだ。
そこで町の一番大きな図書館に毎週火曜日に通い始めるようになった。
目的は受験勉強の為と、勉強の息抜きである小説を借りて読む為。
そして俺は宮田教授と運命的な出会いを果たす―。
****
2月下旬―
それは偶然の出来事だった。図書館へ行った俺はいつものように受験勉強の合間に何か本を読もうかと思い、本棚を物色していた。
その時、俺の目にある本が飛び込んできた。
『歪んだ次元・バミューダトライアングルとワームホール』
「あ…この本は…」
ひょっとすると、この本の中に俺が探している時を超える方法が載っているかもしれない…!
思わず本に手が伸びた時、脇から別の手が伸びてきた。
「「あ…」」
思わず同時に伸びた手に驚き、相手を見た。するとそこには初老の男性が立っていた。
そして俺を見ると尋ねてきた。
「SFは好きかね?」
それが、俺と宮田教授の出会いだった―。
「へ~…君は時を超える方法を探しているのかね?」
図書館で意気投合した俺と宮田教授は近くのカフェにやってきていた。
「ええ、そうです。…あの、おかしな夢物語だと思っていますよね…?」
ホットカフェオレを飲みながら宮田教授を見た。
「いや?少しもそうは思わないけどね。何しろ…まぁ、色々言い方はあるが、『タイムトラベル』や『タイムワープ』を完成させるのは人類の悲願だと思わないか?考えても見なさい。行きたい時間に自由に飛んで、歴史の教科書では知り得なかった事実を発見したり、もしくは未来へ飛んでまだ見ぬ未来を覗いてみたい…人は誰しもそんな願望があるんじゃないかな?」
そして宮田教授はコーヒーを飲んだ―。
それは俺が高校2年の終わり…図書館での出来事だった。
当時の俺は進路のことで悩んでいた。
大学へ進むか、それとも就職をするか…。
児童相談所の職員の人達、それに学校側は奨学金を利用してでも大学進学するべきだと勧めてくれていたが、正直俺は迷っていた。
迷っていた理由はやはり金の問題だった。
果たして奨学金を借りて大学進学しても、働いて返していけるのかが心配だった。
何しろ俺はとんでもないクズ野郎の…憎くてたまらないアイツのせいで人生が全て狂わされたのだから…。
貧しさゆえ、服はサイズの小さくなったものでも構わず着させられた。靴だってそうだ。
小さくて履けないのでかかとを踏んで履いていたら、流石に学校側が哀れに思ったのか、何処からお金を工面したのかは知れないが、靴を俺に買って履かせてくれた。
勉強に必要な文具すら買う金は無く、アイツは自分の為だけに金を使っていたとんでもないクズ野郎だった。
だから金の苦労はしたくなかったのだ。
金に困る生活をするのだけは御免だった。金を借り入れて大学に進学するくらいなら就職した方がマシなのではないだろうか…その考えの方が強かった。
それでも周囲の人々に押され、一応俺は受験勉強に備えることに決めた。大学に行けばより良い企業に就職できるチャンスだと言われたからだ。
そこで町の一番大きな図書館に毎週火曜日に通い始めるようになった。
目的は受験勉強の為と、勉強の息抜きである小説を借りて読む為。
そして俺は宮田教授と運命的な出会いを果たす―。
****
2月下旬―
それは偶然の出来事だった。図書館へ行った俺はいつものように受験勉強の合間に何か本を読もうかと思い、本棚を物色していた。
その時、俺の目にある本が飛び込んできた。
『歪んだ次元・バミューダトライアングルとワームホール』
「あ…この本は…」
ひょっとすると、この本の中に俺が探している時を超える方法が載っているかもしれない…!
思わず本に手が伸びた時、脇から別の手が伸びてきた。
「「あ…」」
思わず同時に伸びた手に驚き、相手を見た。するとそこには初老の男性が立っていた。
そして俺を見ると尋ねてきた。
「SFは好きかね?」
それが、俺と宮田教授の出会いだった―。
「へ~…君は時を超える方法を探しているのかね?」
図書館で意気投合した俺と宮田教授は近くのカフェにやってきていた。
「ええ、そうです。…あの、おかしな夢物語だと思っていますよね…?」
ホットカフェオレを飲みながら宮田教授を見た。
「いや?少しもそうは思わないけどね。何しろ…まぁ、色々言い方はあるが、『タイムトラベル』や『タイムワープ』を完成させるのは人類の悲願だと思わないか?考えても見なさい。行きたい時間に自由に飛んで、歴史の教科書では知り得なかった事実を発見したり、もしくは未来へ飛んでまだ見ぬ未来を覗いてみたい…人は誰しもそんな願望があるんじゃないかな?」
そして宮田教授はコーヒーを飲んだ―。
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