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11-1 波乱の新学期
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今日からいよいよ新学期が始まった。
学生寮の食堂では、てっきりレナート様の話がもう広まっているのではないかと思っていたけれども、別に変わった様子は無かった。
そして…イアソン王子からの連絡は結局昨日は来なかった…。
****
「どうしたの?ロザリー。何だかぼ~っとして」
不意に隣の席で食事をしていたアリエルが声を掛けてきた。
「え?そ、そうだったかしら?」
慌てて返事をすると、サリーも同意した。
「ええ、そうね…何だか様子がおかしいわ。妙にため息なんかついたりして」
「ひょっとして…恋でもしてるのかしら?!」
アニータがとんでもないことを言ってきた。
「ち、違うわっ!そんなんじゃないから…ただ、今日から新学期が始まるんだって考えていただけよ」
そして私はミルクの入ったコップに手を伸ばした。
確かに今はルペルト様に恋しているけれども、私が気がかりなのはレナート様のこと…そしてフランシスカ様のことだったのだから―。
****
8時50分―
キーンコーンカーンコーン
ホームルームの始まるチャイムが鳴り響いた。いつもならとっくにこの時間に現れているはずの担任の先生が姿を現さない。
当然レナート様は教室にいないし、何故かイアソン王子まで教室に姿を現さない。
そのせいか、教室の中もざわついている。
「一体どうしたのかしらね?先生も来ないし、真面目なレナート様も来ないわ。けどイアソン王子は…いつものことかしらね?」
アニータが私に耳打ちしてくる。
「え、ええ…そうね…」
返事をしながら私は気が気では無かった。
レナート様の怪我のことだけならば、すぐに先生がホームルームの時に説明してくれるはずなのに、何故か先生が一向に現れない。
「おい、隣の教室でも先生が来ていないようだぞ?」
高位貴族の男子学生が他の教室の様子を覗いてきたのか、部屋に入ってくるなり大きな声で私達に説明する。
「一体何があったんだろうな…」
「こんな時、レナートやイアソン王子が入れば事情を聞きに職員室へ行ったかもしれないのに…」
1人の高位貴族の男子学生の言葉に思わず私は反応してしまった。
やっぱり…何かあったんだ。
恐らくそれは昨日のレナート様が襲われた事件が関係しているに違いない。
すると先程、他の教室に様子を見に行っていた男子学生が下位貴族の学生に声を掛けた。
「おい、お前。職員室に行って何があったか聞いてこいよ!」
「え…ええっ?!ぼ、僕が…ですか…?」
メガネを掛けた気の弱そうな男子学生が口を開いたとき…。
ガチャッ!
突然扉が開き深刻そうな顔をした担任の先生が教室にやってきた―。
学生寮の食堂では、てっきりレナート様の話がもう広まっているのではないかと思っていたけれども、別に変わった様子は無かった。
そして…イアソン王子からの連絡は結局昨日は来なかった…。
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「どうしたの?ロザリー。何だかぼ~っとして」
不意に隣の席で食事をしていたアリエルが声を掛けてきた。
「え?そ、そうだったかしら?」
慌てて返事をすると、サリーも同意した。
「ええ、そうね…何だか様子がおかしいわ。妙にため息なんかついたりして」
「ひょっとして…恋でもしてるのかしら?!」
アニータがとんでもないことを言ってきた。
「ち、違うわっ!そんなんじゃないから…ただ、今日から新学期が始まるんだって考えていただけよ」
そして私はミルクの入ったコップに手を伸ばした。
確かに今はルペルト様に恋しているけれども、私が気がかりなのはレナート様のこと…そしてフランシスカ様のことだったのだから―。
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8時50分―
キーンコーンカーンコーン
ホームルームの始まるチャイムが鳴り響いた。いつもならとっくにこの時間に現れているはずの担任の先生が姿を現さない。
当然レナート様は教室にいないし、何故かイアソン王子まで教室に姿を現さない。
そのせいか、教室の中もざわついている。
「一体どうしたのかしらね?先生も来ないし、真面目なレナート様も来ないわ。けどイアソン王子は…いつものことかしらね?」
アニータが私に耳打ちしてくる。
「え、ええ…そうね…」
返事をしながら私は気が気では無かった。
レナート様の怪我のことだけならば、すぐに先生がホームルームの時に説明してくれるはずなのに、何故か先生が一向に現れない。
「おい、隣の教室でも先生が来ていないようだぞ?」
高位貴族の男子学生が他の教室の様子を覗いてきたのか、部屋に入ってくるなり大きな声で私達に説明する。
「一体何があったんだろうな…」
「こんな時、レナートやイアソン王子が入れば事情を聞きに職員室へ行ったかもしれないのに…」
1人の高位貴族の男子学生の言葉に思わず私は反応してしまった。
やっぱり…何かあったんだ。
恐らくそれは昨日のレナート様が襲われた事件が関係しているに違いない。
すると先程、他の教室に様子を見に行っていた男子学生が下位貴族の学生に声を掛けた。
「おい、お前。職員室に行って何があったか聞いてこいよ!」
「え…ええっ?!ぼ、僕が…ですか…?」
メガネを掛けた気の弱そうな男子学生が口を開いたとき…。
ガチャッ!
突然扉が開き深刻そうな顔をした担任の先生が教室にやってきた―。
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