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10-9 狂気の瞳
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翌朝―
6時に目が覚めた私はカーテンを開けた。外は快晴で私の願いは虚しく散ってしまった。
「はぁ~…雨が降ってくれることを祈っていたのに…こんなにお天気になるなんて。これではフランシスカ様との約束通りに一緒にお出かけするしか無さそうね…」
そして私はため息をついた―。
午前9時
私はフランシスカ様に言われた通り、寮の正門の前で待っていた。
その時―
「やぁ、お待たせ。ロザリー」
突然背後から声を掛けられて、驚いて振り向いた。
「え…?レ、レナート…様…?」
驚いたことに現れたのはレナート様だったのだ。
「な、何故…ここ…に…?」
襟を立てた防寒コートに身を包んだレナート様は笑みを浮かべた。
「何故って、今日ロザリーはフランシスカと一緒に出掛ける約束をしているんだよね?多分僕がフランシスカの寮の前で待っていたら、彼女は嫌がって出てこないと思ったから、ロザリーのいる女子寮の前で一緒に待つことにしたんだよ」
笑みを浮かべながら、サラリととんでもないことを言ってくるレナート様に私は恐怖を覚えた。
「そ、そう…なのですか…?」
返事をする私の声が震えてしまう。
「うん、それにしても今日は晴れて良かったね。雨が降ったらどうしようかと思ったよ。尤も雨でも楽しめる場所はこの町に沢山あるけどね。美術館もあるし、博物館もある。そこでじっくり施設を見学するのもいいと思わないかい?」
「は、はい…」
楽しげに語るレナート様は私の方を見ているのに、その視線は何処か遠くを見ているようにも感じられる。
「それにしても…フランシスカ、今日も遅いね~…大体僕達の待ち合わせ時間はいつも9時なんだけど、彼女は大抵いつも遅れてくるんだよ。30分とか、1時間とか…僕の為にきっとお洒落をしてくれているんだろうね?女性の身支度は時間がかかると言われているから」
「…」
私はレナート様の話を黙って聞いていた。
怖い…何だかレナート様の様子がおかしい。…ひょっとして以前からこんな感じだったのだろうか?
30分や1時間も待たされるなんて…余程フランシスカ様はレナート様と一緒に出掛けたくないのだろう。
それに今更ながら気付いたけれども…フランシスカ様が来ない。
ひょっとするとフランシスカ様は私の側にレナート様がいることを遠目から見て、来るのをやめたのかもしれない。
「あ、あの…レナート様…。もしかしてフランシスカ様は…」
「…そうだね。彼女は…ここへは来ないようだね…?」
え…?
そしてレナート様は私をじっと見つめてきた。
「…ひょっとして、君は僕を騙したのかい?」
「え…?な、何のことですか…?」
「フランシスカを逃がす為に、あたかも彼女と一緒に出掛けるように…仕組んだのかな?」
レナート様の目が冷たく光る。
な、何を…言っているのだろう?
「あ、あの…わ、私は…」
「やっぱり…君は酷い女性だったんだね…」
レナート様が一歩私に近づいて来る。
「い、いえ…わ、私は…」
そ、そんな…!それこそ誤解なのに…!
首を必死に降りながら私は後ずさった。
それでも近づいてくるレナート様。
怖い…!
その時―。
「お待たせ!ロザリー!」
私の背後で声が聞こえた―。
6時に目が覚めた私はカーテンを開けた。外は快晴で私の願いは虚しく散ってしまった。
「はぁ~…雨が降ってくれることを祈っていたのに…こんなにお天気になるなんて。これではフランシスカ様との約束通りに一緒にお出かけするしか無さそうね…」
そして私はため息をついた―。
午前9時
私はフランシスカ様に言われた通り、寮の正門の前で待っていた。
その時―
「やぁ、お待たせ。ロザリー」
突然背後から声を掛けられて、驚いて振り向いた。
「え…?レ、レナート…様…?」
驚いたことに現れたのはレナート様だったのだ。
「な、何故…ここ…に…?」
襟を立てた防寒コートに身を包んだレナート様は笑みを浮かべた。
「何故って、今日ロザリーはフランシスカと一緒に出掛ける約束をしているんだよね?多分僕がフランシスカの寮の前で待っていたら、彼女は嫌がって出てこないと思ったから、ロザリーのいる女子寮の前で一緒に待つことにしたんだよ」
笑みを浮かべながら、サラリととんでもないことを言ってくるレナート様に私は恐怖を覚えた。
「そ、そう…なのですか…?」
返事をする私の声が震えてしまう。
「うん、それにしても今日は晴れて良かったね。雨が降ったらどうしようかと思ったよ。尤も雨でも楽しめる場所はこの町に沢山あるけどね。美術館もあるし、博物館もある。そこでじっくり施設を見学するのもいいと思わないかい?」
「は、はい…」
楽しげに語るレナート様は私の方を見ているのに、その視線は何処か遠くを見ているようにも感じられる。
「それにしても…フランシスカ、今日も遅いね~…大体僕達の待ち合わせ時間はいつも9時なんだけど、彼女は大抵いつも遅れてくるんだよ。30分とか、1時間とか…僕の為にきっとお洒落をしてくれているんだろうね?女性の身支度は時間がかかると言われているから」
「…」
私はレナート様の話を黙って聞いていた。
怖い…何だかレナート様の様子がおかしい。…ひょっとして以前からこんな感じだったのだろうか?
30分や1時間も待たされるなんて…余程フランシスカ様はレナート様と一緒に出掛けたくないのだろう。
それに今更ながら気付いたけれども…フランシスカ様が来ない。
ひょっとするとフランシスカ様は私の側にレナート様がいることを遠目から見て、来るのをやめたのかもしれない。
「あ、あの…レナート様…。もしかしてフランシスカ様は…」
「…そうだね。彼女は…ここへは来ないようだね…?」
え…?
そしてレナート様は私をじっと見つめてきた。
「…ひょっとして、君は僕を騙したのかい?」
「え…?な、何のことですか…?」
「フランシスカを逃がす為に、あたかも彼女と一緒に出掛けるように…仕組んだのかな?」
レナート様の目が冷たく光る。
な、何を…言っているのだろう?
「あ、あの…わ、私は…」
「やっぱり…君は酷い女性だったんだね…」
レナート様が一歩私に近づいて来る。
「い、いえ…わ、私は…」
そ、そんな…!それこそ誤解なのに…!
首を必死に降りながら私は後ずさった。
それでも近づいてくるレナート様。
怖い…!
その時―。
「お待たせ!ロザリー!」
私の背後で声が聞こえた―。
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