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6-17 信じたくない話
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「そ、そんな…嘘よね?だって私とダミアンは姉弟なのよ。血は繋がっていないけれど…」
声を震わせて父に尋ねた。けれど父はためいきをつくと首を振った。
「残念ながら嘘じゃない。ダミアンはお前の事をずっと好きだったんだよ。自分たちが血の繋がりの無い姉弟だと知った時から、より一層…。ロザリー。お前は気付かなかったのか?ダミアンの気持に」
「ダミアン…」
ダミアンの気持?そんな事気付くはずが無い。だって私はダミアンの事を可愛い弟としてしか見たことが無かったから…。
「ロザリーお前には酷な話かもしれないが、もうお前は学園卒業後は…ユーグ様の元へ行くことが決定している。大公殿下には逆らえないんだよ…」
父は声を振り絞るように言った。
「うん…わ、分っているわ…」
だから私は最後にユーグ様がくれた賭けに乗って…あの学園に入学した。けれど…。
「ロザリー。私はまさかお前がこの家に帰って来れるとは思っていなかったから、ダミアンの事は黙っていたのだ。いくら何でもお前のいる学園までは流石に行かないだろうと思っていたから…。それが、まさか…帰省して来るとは思ってもいなかった…」
「お父さん…」
「明日、私達が仕事に行ったらすぐにこの家を出るんだ。ダミアンは本気だ。私に秘密で貯金もしていたようだ。ダミアンのベッドの下からはトランクケースが出てきたんだ。そこにはもう自分の分の着がえが既に用意されていた」
「え…?」
私はその話に背筋がゾッとした。
「お、お父さん…まさか本気でダミアンは私の事を…?」
「そうだ。ダミアンには悟られないように…明日、絶対にこの家を離れるんだ。ダミアンだってお前が遠くに行ってしまえば…いずれは諦めるかもしれないだろう…?」
「う、うん…わ、分ったわ…」
私は小さく頷いた。
「…そろそろ部屋に戻ろう。ダミアンが風呂に入ってる間にお前と話がしたかったんだ。2人共いないと怪しまれる」
「はい…」
そして私と父は薪小屋を後にした。
ガチャ…
扉を開けて家の中へ入ると、幸いな事にまだダミアンの姿は無かった。
「あれ?お帰り」
リビングで本を読んでいたフレディが声を掛けて来た。
「ああ。ただいま」
「ただいま」
そして父はフレディに小声で言った。
「いいか?今2人で外に出ていたことは絶対にダミアンに言うんじゃないぞ?」
「え?どうして?」
何も分っていないフレディは首をかしげて私と父を見た。
「お願いよ、フレディ」
私は両手を組んでフレディに頼んだ。
「う、うん…分ったよ。内緒にする」
「それじゃ、お茶でもいれようかしら?」
私が言うと父とフレディが笑顔で頷く。
「そうだな、いれてもらおうか?」
「よろしくな。姉ちゃん」
「ええ」
そして私は台所へ行き、お茶の準備をしている時…。
「姉さん」
背後でダミアンの声が聞こえた―。
声を震わせて父に尋ねた。けれど父はためいきをつくと首を振った。
「残念ながら嘘じゃない。ダミアンはお前の事をずっと好きだったんだよ。自分たちが血の繋がりの無い姉弟だと知った時から、より一層…。ロザリー。お前は気付かなかったのか?ダミアンの気持に」
「ダミアン…」
ダミアンの気持?そんな事気付くはずが無い。だって私はダミアンの事を可愛い弟としてしか見たことが無かったから…。
「ロザリーお前には酷な話かもしれないが、もうお前は学園卒業後は…ユーグ様の元へ行くことが決定している。大公殿下には逆らえないんだよ…」
父は声を振り絞るように言った。
「うん…わ、分っているわ…」
だから私は最後にユーグ様がくれた賭けに乗って…あの学園に入学した。けれど…。
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「お父さん…」
「明日、私達が仕事に行ったらすぐにこの家を出るんだ。ダミアンは本気だ。私に秘密で貯金もしていたようだ。ダミアンのベッドの下からはトランクケースが出てきたんだ。そこにはもう自分の分の着がえが既に用意されていた」
「え…?」
私はその話に背筋がゾッとした。
「お、お父さん…まさか本気でダミアンは私の事を…?」
「そうだ。ダミアンには悟られないように…明日、絶対にこの家を離れるんだ。ダミアンだってお前が遠くに行ってしまえば…いずれは諦めるかもしれないだろう…?」
「う、うん…わ、分ったわ…」
私は小さく頷いた。
「…そろそろ部屋に戻ろう。ダミアンが風呂に入ってる間にお前と話がしたかったんだ。2人共いないと怪しまれる」
「はい…」
そして私と父は薪小屋を後にした。
ガチャ…
扉を開けて家の中へ入ると、幸いな事にまだダミアンの姿は無かった。
「あれ?お帰り」
リビングで本を読んでいたフレディが声を掛けて来た。
「ああ。ただいま」
「ただいま」
そして父はフレディに小声で言った。
「いいか?今2人で外に出ていたことは絶対にダミアンに言うんじゃないぞ?」
「え?どうして?」
何も分っていないフレディは首をかしげて私と父を見た。
「お願いよ、フレディ」
私は両手を組んでフレディに頼んだ。
「う、うん…分ったよ。内緒にする」
「それじゃ、お茶でもいれようかしら?」
私が言うと父とフレディが笑顔で頷く。
「そうだな、いれてもらおうか?」
「よろしくな。姉ちゃん」
「ええ」
そして私は台所へ行き、お茶の準備をしている時…。
「姉さん」
背後でダミアンの声が聞こえた―。
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