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4−7 現れない人
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今日は初日だと言う事で午前中は裏方の仕事をやった。切り花の鮮度を保つために茎を切ったり、切り花の水やり、バケツの水替え。傷んだ葉や花を取り除く作業等…私は一生懸命働いた。
お昼休憩は1時間取らせて貰って、近くのパン屋さんで買ってきたパンと牛乳で食事を取った。そして午後はカトリーヌさんの側で接客業を学びながら働き…あっという間にアルバイトの終了時間になった―。
****
17時―
「お疲れ様、ロザリー。今日の貴女の仕事は終わりよ」
花の茎をハサミで切っている時にカトリーヌさんが声を掛けてきた。
「あ、もうそんな時間だったのですか?何だかあっという間に感じました」
「ええ、そうよ。今日はよく働いたから疲れたでしょう?ゆっくり休むといいわ」
カトリーヌさんが笑顔で言う。
「はい、それではまた明日宜しくお願いします」
エプロンを外すとカトリーヌさんに頭を下げ、帰り支度を始めた。
「すみません、それでは帰りますね」
お店に出ていたカトリーヌさんに声を掛けると呼び止められた。
「待って、ロザリー」
「はい?」
「手を出してくれる?」
「は、はい」
右手を出すと、カトリーヌさんが小さな包み紙を置いた。
「どうぞ」
「え?これは…何ですか?」
「キャンディーよ。疲れたときには甘いものが一番よ」
「ありがとうございます」
私はキャンディーを握りしめると笑顔で頭を下げた。
花屋を出ると、早速包み紙を広げてキャンディーを取り出して口に入れた。途端に甘い味が口の中に広がる。
「フフ…美味しい」
本当に甘いものを口に入れると何だか幸せな気持ちになれる。
そして寮目指して歩き始めた―。
****
寮に到着したのは17時20分だった。昨夜あんな事さえなければ17時半に寮のベンチでレナート様と待ち合わせだったのだけれど…。
「きっとレナート様は来ないかもしれないわよね…」
だけど、もし来ていたらレナート様をお待たせしてしまうことになる…。
そうだ。
ひょっとするとレナート様は来られるかもしれないから…やっぱり待ち合わせした場所で待っていよう。
そして私は昨日レナート様と待ち合わせをしたベンチへと向かった―。
待ち合わせ場所のベンチに座り、私はレナート様を待った。
しかし、オレンジ色の空がだんだん暗くなってきても一向にレナート様は現れない。
やっぱりこないのだろうか?
でも、もう少し…
後少しだけ…。
けれど、ついにあたりがすっかり暗くなり、星が輝き始める頃になってもレナート様は現れなかった。
「そうよね…。私はレナート様を怒らせてしまったのだから…来るはずないわ…」
ノロノロとベンチから立ち上がり、私は自分の寮へと足を向けた。
「え…?」
女子寮が見えかけてきた時、前方から2人の人影が此方に向かって歩いてくる姿を発見し…私は驚きの余り、足を止めてしまった。何故なら2人の人影はレナート様とフランシスカさまだったのだ。
レナート様はにこやかにフランシスカ様に話しかけているが、フランシスカ様の態度は相変わらずだった。
けれど、はっきりしていることがある。
それはレナート様とフランシスカ様は今日、2人で出掛けてきたということが。
その時―
「あら…?そこにいるにはロザリーじゃないの?」
フランシスカ様が私に気付いて声を掛けてきた―。
お昼休憩は1時間取らせて貰って、近くのパン屋さんで買ってきたパンと牛乳で食事を取った。そして午後はカトリーヌさんの側で接客業を学びながら働き…あっという間にアルバイトの終了時間になった―。
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17時―
「お疲れ様、ロザリー。今日の貴女の仕事は終わりよ」
花の茎をハサミで切っている時にカトリーヌさんが声を掛けてきた。
「あ、もうそんな時間だったのですか?何だかあっという間に感じました」
「ええ、そうよ。今日はよく働いたから疲れたでしょう?ゆっくり休むといいわ」
カトリーヌさんが笑顔で言う。
「はい、それではまた明日宜しくお願いします」
エプロンを外すとカトリーヌさんに頭を下げ、帰り支度を始めた。
「すみません、それでは帰りますね」
お店に出ていたカトリーヌさんに声を掛けると呼び止められた。
「待って、ロザリー」
「はい?」
「手を出してくれる?」
「は、はい」
右手を出すと、カトリーヌさんが小さな包み紙を置いた。
「どうぞ」
「え?これは…何ですか?」
「キャンディーよ。疲れたときには甘いものが一番よ」
「ありがとうございます」
私はキャンディーを握りしめると笑顔で頭を下げた。
花屋を出ると、早速包み紙を広げてキャンディーを取り出して口に入れた。途端に甘い味が口の中に広がる。
「フフ…美味しい」
本当に甘いものを口に入れると何だか幸せな気持ちになれる。
そして寮目指して歩き始めた―。
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寮に到着したのは17時20分だった。昨夜あんな事さえなければ17時半に寮のベンチでレナート様と待ち合わせだったのだけれど…。
「きっとレナート様は来ないかもしれないわよね…」
だけど、もし来ていたらレナート様をお待たせしてしまうことになる…。
そうだ。
ひょっとするとレナート様は来られるかもしれないから…やっぱり待ち合わせした場所で待っていよう。
そして私は昨日レナート様と待ち合わせをしたベンチへと向かった―。
待ち合わせ場所のベンチに座り、私はレナート様を待った。
しかし、オレンジ色の空がだんだん暗くなってきても一向にレナート様は現れない。
やっぱりこないのだろうか?
でも、もう少し…
後少しだけ…。
けれど、ついにあたりがすっかり暗くなり、星が輝き始める頃になってもレナート様は現れなかった。
「そうよね…。私はレナート様を怒らせてしまったのだから…来るはずないわ…」
ノロノロとベンチから立ち上がり、私は自分の寮へと足を向けた。
「え…?」
女子寮が見えかけてきた時、前方から2人の人影が此方に向かって歩いてくる姿を発見し…私は驚きの余り、足を止めてしまった。何故なら2人の人影はレナート様とフランシスカさまだったのだ。
レナート様はにこやかにフランシスカ様に話しかけているが、フランシスカ様の態度は相変わらずだった。
けれど、はっきりしていることがある。
それはレナート様とフランシスカ様は今日、2人で出掛けてきたということが。
その時―
「あら…?そこにいるにはロザリーじゃないの?」
フランシスカ様が私に気付いて声を掛けてきた―。
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