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3-15 相談相手
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真新しい制服が入った紙袋を手に、私は部屋の扉を開けた。
カチャリ…
部屋に入るとすぐにナタリーが声を掛けて来た。
「あ!ロザリー!イアソン王子はどんな用事で貴女に会いに来たの?あら…?何を手にしているの?」
「ええ…イアソン王子が新しい制服を届けに来てくれたの」
ギュッと紙袋を握りしめながら答えた。
「え…?新しい制服?まさか、イアソン王子からのプレゼントなの?でもどうして?」
「違うの、これは…プレゼントとか、そう言ったものではないの」
私は首を振った。
「え…?プレゼントじゃないの?それなら何故…?」
「ええ…私が下位貴族の女子学生達に取り囲まれて怪我をした時、イアソン王子が現れた話はしたでしょう?」
「ええ、そうだったわよね。イアソン王子のお陰で助かったのよね?」
「イアソン王子はあの時の女子学生達の事を全員知っていたみたいなの。それで…彼女達からお金を集めて…弁償させたんですって」
「何ですって?!そ、そんな事を…?」
アニータが顔を青ざめさせた。
「私…その事を聞いて怖くなって…」
「それはそうよ!ロザリーは貴族学生達の目の敵にされてしまうじゃない!一体イアソン王子は何を考えているのかしら」
「私も…怖くてその事を言ったの。そうしたらイアソン王子が大丈夫だよって…。全員退学にしたそうなのよ」
「ええっ?!ず、随分過激な事をするのね…」
アニータは驚くのは無理も無い。
「入学早々…こんな事に巻き込まれて、私…3年間無事に過ごせるか心配になってしまったわ…」
項垂れた私はつい、自分の本音を語ってしまった。
「ロザリー…」
そんな私の肩をそっと抱き寄せてアニータは言った。
「結局、偉い貴族の人達は私達平民の事なんて何一つ理解出来ないのよ。自分たちがどれだけ恵まれた特権階級にいるのか…だけど、私はロザリーに学園を辞めて貰いたくはないわ。出来れば一緒に卒業したい。だから…悩み事があれば相談して?私じゃ頼りないかもしれないけれど…」
「ええ、ありがとう。アニータ…」
私はアニータにそっと寄りかかり…お礼を言った―。
****
翌朝―
アニータと一緒に教室へ入ると、既にイアソン王子が教室にいた。彼は他の高位貴族の数人の女子生徒達と仲良さげに話をしている。
「珍しいわね、イアソン王子がもう教室に来ているなんて」
そっとアニータが耳打ちして来る。
「え、ええ。そうね…」
返事をた私はすっかり定着してしまった席に腰かけ、カバンの中から教科書やノートを取り出していると、背後から声を掛けられた。
「おはよう、2人共」
ふり向くと、そこには笑顔でこちらを見ているレナート様の姿があった。
「「おはようございます」」
私は動揺を隠しつつ、アニータと声を揃えて挨拶をするとレナート様は何食わぬ顔で着席する。
レナート様…。
思わずその後ろ姿を見つめていると、アニータが言った。
「何だか、今日のレナート様はいつになく機嫌が良いと思わない?」
「そうよね。私もそう思うわ」
けれど、返事をしながら思った。
ひょっとすると、レナート様は…フランシスカ様にあげる誕生日プレゼントを買ったのではないだろうか―と。
カチャリ…
部屋に入るとすぐにナタリーが声を掛けて来た。
「あ!ロザリー!イアソン王子はどんな用事で貴女に会いに来たの?あら…?何を手にしているの?」
「ええ…イアソン王子が新しい制服を届けに来てくれたの」
ギュッと紙袋を握りしめながら答えた。
「え…?新しい制服?まさか、イアソン王子からのプレゼントなの?でもどうして?」
「違うの、これは…プレゼントとか、そう言ったものではないの」
私は首を振った。
「え…?プレゼントじゃないの?それなら何故…?」
「ええ…私が下位貴族の女子学生達に取り囲まれて怪我をした時、イアソン王子が現れた話はしたでしょう?」
「ええ、そうだったわよね。イアソン王子のお陰で助かったのよね?」
「イアソン王子はあの時の女子学生達の事を全員知っていたみたいなの。それで…彼女達からお金を集めて…弁償させたんですって」
「何ですって?!そ、そんな事を…?」
アニータが顔を青ざめさせた。
「私…その事を聞いて怖くなって…」
「それはそうよ!ロザリーは貴族学生達の目の敵にされてしまうじゃない!一体イアソン王子は何を考えているのかしら」
「私も…怖くてその事を言ったの。そうしたらイアソン王子が大丈夫だよって…。全員退学にしたそうなのよ」
「ええっ?!ず、随分過激な事をするのね…」
アニータは驚くのは無理も無い。
「入学早々…こんな事に巻き込まれて、私…3年間無事に過ごせるか心配になってしまったわ…」
項垂れた私はつい、自分の本音を語ってしまった。
「ロザリー…」
そんな私の肩をそっと抱き寄せてアニータは言った。
「結局、偉い貴族の人達は私達平民の事なんて何一つ理解出来ないのよ。自分たちがどれだけ恵まれた特権階級にいるのか…だけど、私はロザリーに学園を辞めて貰いたくはないわ。出来れば一緒に卒業したい。だから…悩み事があれば相談して?私じゃ頼りないかもしれないけれど…」
「ええ、ありがとう。アニータ…」
私はアニータにそっと寄りかかり…お礼を言った―。
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翌朝―
アニータと一緒に教室へ入ると、既にイアソン王子が教室にいた。彼は他の高位貴族の数人の女子生徒達と仲良さげに話をしている。
「珍しいわね、イアソン王子がもう教室に来ているなんて」
そっとアニータが耳打ちして来る。
「え、ええ。そうね…」
返事をた私はすっかり定着してしまった席に腰かけ、カバンの中から教科書やノートを取り出していると、背後から声を掛けられた。
「おはよう、2人共」
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「「おはようございます」」
私は動揺を隠しつつ、アニータと声を揃えて挨拶をするとレナート様は何食わぬ顔で着席する。
レナート様…。
思わずその後ろ姿を見つめていると、アニータが言った。
「何だか、今日のレナート様はいつになく機嫌が良いと思わない?」
「そうよね。私もそう思うわ」
けれど、返事をしながら思った。
ひょっとすると、レナート様は…フランシスカ様にあげる誕生日プレゼントを買ったのではないだろうか―と。
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