77 / 77
77 エピローグ あなたの事が好きだから
しおりを挟む
「キャロル・・・。」
さすがにいくら鈍い私でもここまでくればキャロルの気持ちが分かってしまった。
「テア・・・私ね・・ずっとずっと・・貴女の事が好きだったの。親友としてじゃなくて・・貴女を愛していたの。だから・・テアの好意を独り占めしているヘンリーが憎くて・・・大好きなテアを苦しめるヘンリーがずっと・・・許せなかったのよ・・・。ごめんなさい・・。気持ち悪いわよね・・こんな私・・・。」
キャロルは涙目で私を見つめる。私の事を心から心配してくれて・・私を助けるためにここまでの事をしてくれた美しいキャロル・・・。私の自慢の親友で、そして大切な存在・・・。だから私は・・・。
「キャロル。私も・・貴女の事が大好きよ。」
そっとキャロルの手に自分の手を重ね・・・戸惑っているキャロルの頬に手を触れるとキスをした。
「!」
キャロルは驚いたように目を見開いけれども、次の瞬間私の首に腕を巻き付け、さらに強く唇を押し付けてきた。
キャロル・・・。
私は目を閉じた。
「ええええええっ?!う、嘘だよねっ?!テアッ!キャロルッ!」
抱き合ってキスする私たちの傍でカルロスがパニックになって大騒ぎする。
するとキャロルが唇を話すと言った。
「何よ、うるさいわね。私たちの邪魔をしないでくれる?!」
「テア・・・君は女性じゃなくて男性が好きなんだろう?」
カルロスが私に訴えてきた。だから私は自分の今の正直な気持ちを言った。
「私は・・・キャロルの事は・・性別を超えて好きよ?」
「本当っ?!テアッ!」
キャロルは再び唇を重ねてきた。そして私たちはカルロスの前で・・飽きるまで抱き合ってキスをした―。
****
あれから半年が経過した―。
「おーい、キャロル、テアーッ!」
2人で並んで教室へ向かって歩いていると、ニコルが後から追いかけてきた。
「あら、ニコル。おはよう。」
キャロルが笑顔で言う。
「おはよう、ニコル。」
するとニコルがキャロルに言った。
「あ、あのさ・・・キャロル。実は最近、大学の近くにビリヤードの店がオープンしたんだよ。放課後一緒に行かないかい?」
「え・・?でも・・・。」
キャロルが私をチラリと見た。
「あら、私の事は気にしないで2人で行ってきて?私はビリヤードの事は、まったく分からないから。」
笑顔でキャロルに言う。
「でも・・。」
「いいから、いいから。ほら、ニコル。キャロルをよろしくね。それじゃ私は先に教室へ行ってるから。」
そして私は2人に手を振ると、教室へ向かって歩きながら窓の外を眺めた。
あれからヘンリーは大学を辞めた。理由は簡単。両親が警察にとらえられたせいで居心地が悪くなったからだ。そして・・私とキャロルの関係は微妙だ。
世間でいう・・いわば、友達以上、恋人未満?のような関係を続けていたが・・最近はその関係が変わりつつある。原因はニコルだ。何かのきっかけでニコルとキャロルの趣味が同じビリヤードだと言う事が分かり、急接近することになったのだ。ニコルは明らかにキャロルに気があることがはっきり分かるし、キャロルもまんざらでもない様子だけども、それでも私が2人に気を使って、その場を外れようとすると切ない目で見つめてくるし、誰もいない2人きりの時は、私たちはキスしあって恋人同士のように過ごすこともある。でも・・その関係もそろそろ終わるかもしれない。何故ならキャロルはニコルと過ごしているとき、とても女性らしくなるし、まんざらでもないような態度を見せている。
そして私には・・・。
「テアーッ!」
背後で私を呼ぶ声が聞こえた。振り向くとこちらに向かって走ってくるのはカルロスだった。
「おはよう、カルロス。」
「ああ・・おはよう、テア。それにしても・・酷いじゃないか。またキャロルと2人で大学へ来るなんて・・・。」
カルロスは不満げに言う。
「だって、週末はキャロルは私の家に泊まるんだもの・・、無理言わないでよ。」
私はカルロスをなだめるように言う。
実はあの事件の後・・カルロスもすぐにこの大学へ編入してきたのだ。一時は私をめぐってキャロルと激しく対立してきたこともあったけれど・・・キャロルがニコルと急接近してきた為、その関係も変わりつつある。
「だけどさ・・・もう少し僕との時間を作ってくれてもいいんじゃないかな?」
だから私は言った。
「なら・・放課後、一緒に帰らない?行ってみたい雑貨屋さんがあるんだけど・・。」
「本当かいっ?!よし、行こう!」
そしてカルロスは私の手を握ってきた。
カルロスと教室に向かいながら私は思った。
私とキャロルはこの先、どうなっていくのか・・まだ先の事は分からないけど、何があっても2人の友情は永遠に続くと私は信じている―。
キャロル・・・貴女の事が大好きだから―。
<終>
さすがにいくら鈍い私でもここまでくればキャロルの気持ちが分かってしまった。
「テア・・・私ね・・ずっとずっと・・貴女の事が好きだったの。親友としてじゃなくて・・貴女を愛していたの。だから・・テアの好意を独り占めしているヘンリーが憎くて・・・大好きなテアを苦しめるヘンリーがずっと・・・許せなかったのよ・・・。ごめんなさい・・。気持ち悪いわよね・・こんな私・・・。」
キャロルは涙目で私を見つめる。私の事を心から心配してくれて・・私を助けるためにここまでの事をしてくれた美しいキャロル・・・。私の自慢の親友で、そして大切な存在・・・。だから私は・・・。
「キャロル。私も・・貴女の事が大好きよ。」
そっとキャロルの手に自分の手を重ね・・・戸惑っているキャロルの頬に手を触れるとキスをした。
「!」
キャロルは驚いたように目を見開いけれども、次の瞬間私の首に腕を巻き付け、さらに強く唇を押し付けてきた。
キャロル・・・。
私は目を閉じた。
「ええええええっ?!う、嘘だよねっ?!テアッ!キャロルッ!」
抱き合ってキスする私たちの傍でカルロスがパニックになって大騒ぎする。
するとキャロルが唇を話すと言った。
「何よ、うるさいわね。私たちの邪魔をしないでくれる?!」
「テア・・・君は女性じゃなくて男性が好きなんだろう?」
カルロスが私に訴えてきた。だから私は自分の今の正直な気持ちを言った。
「私は・・・キャロルの事は・・性別を超えて好きよ?」
「本当っ?!テアッ!」
キャロルは再び唇を重ねてきた。そして私たちはカルロスの前で・・飽きるまで抱き合ってキスをした―。
****
あれから半年が経過した―。
「おーい、キャロル、テアーッ!」
2人で並んで教室へ向かって歩いていると、ニコルが後から追いかけてきた。
「あら、ニコル。おはよう。」
キャロルが笑顔で言う。
「おはよう、ニコル。」
するとニコルがキャロルに言った。
「あ、あのさ・・・キャロル。実は最近、大学の近くにビリヤードの店がオープンしたんだよ。放課後一緒に行かないかい?」
「え・・?でも・・・。」
キャロルが私をチラリと見た。
「あら、私の事は気にしないで2人で行ってきて?私はビリヤードの事は、まったく分からないから。」
笑顔でキャロルに言う。
「でも・・。」
「いいから、いいから。ほら、ニコル。キャロルをよろしくね。それじゃ私は先に教室へ行ってるから。」
そして私は2人に手を振ると、教室へ向かって歩きながら窓の外を眺めた。
あれからヘンリーは大学を辞めた。理由は簡単。両親が警察にとらえられたせいで居心地が悪くなったからだ。そして・・私とキャロルの関係は微妙だ。
世間でいう・・いわば、友達以上、恋人未満?のような関係を続けていたが・・最近はその関係が変わりつつある。原因はニコルだ。何かのきっかけでニコルとキャロルの趣味が同じビリヤードだと言う事が分かり、急接近することになったのだ。ニコルは明らかにキャロルに気があることがはっきり分かるし、キャロルもまんざらでもない様子だけども、それでも私が2人に気を使って、その場を外れようとすると切ない目で見つめてくるし、誰もいない2人きりの時は、私たちはキスしあって恋人同士のように過ごすこともある。でも・・その関係もそろそろ終わるかもしれない。何故ならキャロルはニコルと過ごしているとき、とても女性らしくなるし、まんざらでもないような態度を見せている。
そして私には・・・。
「テアーッ!」
背後で私を呼ぶ声が聞こえた。振り向くとこちらに向かって走ってくるのはカルロスだった。
「おはよう、カルロス。」
「ああ・・おはよう、テア。それにしても・・酷いじゃないか。またキャロルと2人で大学へ来るなんて・・・。」
カルロスは不満げに言う。
「だって、週末はキャロルは私の家に泊まるんだもの・・、無理言わないでよ。」
私はカルロスをなだめるように言う。
実はあの事件の後・・カルロスもすぐにこの大学へ編入してきたのだ。一時は私をめぐってキャロルと激しく対立してきたこともあったけれど・・・キャロルがニコルと急接近してきた為、その関係も変わりつつある。
「だけどさ・・・もう少し僕との時間を作ってくれてもいいんじゃないかな?」
だから私は言った。
「なら・・放課後、一緒に帰らない?行ってみたい雑貨屋さんがあるんだけど・・。」
「本当かいっ?!よし、行こう!」
そしてカルロスは私の手を握ってきた。
カルロスと教室に向かいながら私は思った。
私とキャロルはこの先、どうなっていくのか・・まだ先の事は分からないけど、何があっても2人の友情は永遠に続くと私は信じている―。
キャロル・・・貴女の事が大好きだから―。
<終>
124
お気に入りに追加
3,688
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説

私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。

【完結】王太子殿下が幼馴染を溺愛するので、あえて応援することにしました。
かとるり
恋愛
王太子のオースティンが愛するのは婚約者のティファニーではなく、幼馴染のリアンだった。
ティファニーは何度も傷つき、一つの結論に達する。
二人が結ばれるよう、あえて応援する、と。

手放したくない理由
ねむたん
恋愛
公爵令嬢エリスと王太子アドリアンの婚約は、互いに「務め」として受け入れたものだった。貴族として、国のために結ばれる。
しかし、王太子が何かと幼馴染のレイナを優先し、社交界でも「王太子妃にふさわしいのは彼女では?」と囁かれる中、エリスは淡々と「それならば、私は不要では?」と考える。そして、自ら婚約解消を申し出る。
話し合いの場で、王妃が「辛い思いをさせてしまってごめんなさいね」と声をかけるが、エリスは本当にまったく辛くなかったため、きょとんとする。その様子を見た周囲は困惑し、
「……王太子への愛は芽生えていなかったのですか?」
と問うが、エリスは「愛?」と首を傾げる。
同時に、婚約解消に動揺したアドリアンにも、側近たちが「殿下はレイナ嬢に恋をしていたのでは?」と問いかける。しかし、彼もまた「恋……?」と首を傾げる。
大人たちは、その光景を見て、教育の偏りを大いに後悔することになる。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)

〖完結〗幼馴染みの王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。
藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。
何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。
同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。
もうやめる。
カイン様との婚約は解消する。
でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。
愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

【完】愛していますよ。だから幸せになってくださいね!
さこの
恋愛
「僕の事愛してる?」
「はい、愛しています」
「ごめん。僕は……婚約が決まりそうなんだ、何度も何度も説得しようと試みたけれど、本当にごめん」
「はい。その件はお聞きしました。どうかお幸せになってください」
「え……?」
「さようなら、どうかお元気で」
愛しているから身を引きます。
*全22話【執筆済み】です( .ˬ.)"
ホットランキング入りありがとうございます
2021/09/12
※頂いた感想欄にはネタバレが含まれていますので、ご覧の際にはお気をつけください!
2021/09/20
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる