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76 今までの種明かし その4 キャロルの秘密
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するとその時―
「キャロル・・・いい加減にテアの手を放して貰えないかな?」
聞き覚えのある声に驚き、振り向いた私は思わず目を見張ってしまった。何とそこに立っていたのはカルロスだったからだ。
「あ・・カ、カルロス・・兄さん。」
キャロルはバツが悪そうに私の手を放して、引っ込めた。
「え・・・ええええっ?!お・・・お兄さんっ?!」
するとカルロスは空いている席に座るとにっこり微笑むと言った。
「そうだよ。僕とキャロルは双子の兄妹だからね?キャロル1人では大変だから・・僕も協力したんだよ?ヘンリーの両親の悪事を暴くためにね?」
するとキャロルが言った。
「カルロスッ!な、何で来たのよっ!せっかく・・テアといい雰囲気だったのに・・っ!」
キャロルが悔しそうに言う。
「え?え?一体・・どういう事なの?だって・・・キャロルは私と同じ1人っ子だったんじゃないのっ?!」
「それは・・・。」
キャロルが説明しようとすると、カルロスが言った。
「僕から説明させてもらうよ。僕とキャロルは二卵性双生児として生まれたんだよ。だけど・・伯爵家に嫁いだ母の姉には子供が生まれなくてね・・1歳の時に僕が引き取られることになったんだよ。それでも毎年夏の間だけは僕を実の家に帰してくれてね・・。あの家で夏休みを過ごしていたんだよ。だけど伯爵家の対面もあったから、あの家で過ごす間は僕の存在は隠されていたんだよ。でもそれでは息の詰まる暮らしになるからと言って・・・時々キャロルの提案で僕とキャロルは入れ替わっていたのさ。だからテア・・僕たちは何度もあの屋敷で一緒に遊んだんだよ。でも・・成長するにつれ・・さすがにもう周りをごまかせなくなったから・・12歳で終わりにしたけどね・・。だけど・・。」
カルロスは私の右手を取ると、手の甲にキスをして言った。
「僕は・・一度もテアの事は忘れたことは無かったよ。だって子供の時、約束しただろう?将来お嫁さんにしてあげるねって?」
カルロスは笑顔を見せた。
「そ、そんな・・・あ、あれは・・夢じゃなかったの・・?」
まさかあの夢の中の少年がカルロスだったなんて・・!すると驚いたのはキャロルの方だった。
「えっ?!ちょ、ちょっと待って!今のその話・・本当なのっ?!テアと・・結婚の約束していたの?!酷いじゃないっ!」
キャロルは何を怒っているのか、拳骨をつくてカルロスの胸をポカポカ叩き始めた。
「よ、よせっ!やめろってばっ!テアの事は諦めろよっ!」
カルロスは抵抗しながら言う。私はそんな2人を、見つめながら思った。本当に、この2人は・・・よく似ていると―。
****
その後はテアとキャロルの2人から交互に話を聞いた。キャロルは高校卒業後も私とヘンリーが同じ大学へ進学することを知り、ここにやってきたこと。そして私からヘンリーを引きはがすために・・ヘンリーの好みのタイプの女性を分析し・・・自分に興味を向けさせ、私にヘンリーを諦めさせようとしたこと・・。さらにその間、カルロスはカジノについて調べ上げ・・・不正な事をしている事実を父と2人で暴き・・警察に通報した事・・全てを話してくれた。
「本当に・・・2人には何てお礼を言ったらいいか分からないわ。ありがとう、キャロル・・・そしてカルロス。」
するとキャロルは言った。
「ねえ、テア・・私の事・・好きよね?」
「え?ええ・・・もちろん大好きよ?」
一体キャロルは何を今更言い出すのだろう?
「本当っ?!それなら・・・。」
途端に笑顔になるキャロル。するとカルロスが言った。
「駄目だよ、キャロル・・諦めるんだ。テアは・・キャロルの事は親友の『好き』という目でしか見ていないんだよ。大体・・・そうでなければ異性であるヘンリーを好きになるはずはないだろう?」
「う・・・そ、そんな・・・。」
キャロルは涙目で私を見つめた―。
「キャロル・・・いい加減にテアの手を放して貰えないかな?」
聞き覚えのある声に驚き、振り向いた私は思わず目を見張ってしまった。何とそこに立っていたのはカルロスだったからだ。
「あ・・カ、カルロス・・兄さん。」
キャロルはバツが悪そうに私の手を放して、引っ込めた。
「え・・・ええええっ?!お・・・お兄さんっ?!」
するとカルロスは空いている席に座るとにっこり微笑むと言った。
「そうだよ。僕とキャロルは双子の兄妹だからね?キャロル1人では大変だから・・僕も協力したんだよ?ヘンリーの両親の悪事を暴くためにね?」
するとキャロルが言った。
「カルロスッ!な、何で来たのよっ!せっかく・・テアといい雰囲気だったのに・・っ!」
キャロルが悔しそうに言う。
「え?え?一体・・どういう事なの?だって・・・キャロルは私と同じ1人っ子だったんじゃないのっ?!」
「それは・・・。」
キャロルが説明しようとすると、カルロスが言った。
「僕から説明させてもらうよ。僕とキャロルは二卵性双生児として生まれたんだよ。だけど・・伯爵家に嫁いだ母の姉には子供が生まれなくてね・・1歳の時に僕が引き取られることになったんだよ。それでも毎年夏の間だけは僕を実の家に帰してくれてね・・。あの家で夏休みを過ごしていたんだよ。だけど伯爵家の対面もあったから、あの家で過ごす間は僕の存在は隠されていたんだよ。でもそれでは息の詰まる暮らしになるからと言って・・・時々キャロルの提案で僕とキャロルは入れ替わっていたのさ。だからテア・・僕たちは何度もあの屋敷で一緒に遊んだんだよ。でも・・成長するにつれ・・さすがにもう周りをごまかせなくなったから・・12歳で終わりにしたけどね・・。だけど・・。」
カルロスは私の右手を取ると、手の甲にキスをして言った。
「僕は・・一度もテアの事は忘れたことは無かったよ。だって子供の時、約束しただろう?将来お嫁さんにしてあげるねって?」
カルロスは笑顔を見せた。
「そ、そんな・・・あ、あれは・・夢じゃなかったの・・?」
まさかあの夢の中の少年がカルロスだったなんて・・!すると驚いたのはキャロルの方だった。
「えっ?!ちょ、ちょっと待って!今のその話・・本当なのっ?!テアと・・結婚の約束していたの?!酷いじゃないっ!」
キャロルは何を怒っているのか、拳骨をつくてカルロスの胸をポカポカ叩き始めた。
「よ、よせっ!やめろってばっ!テアの事は諦めろよっ!」
カルロスは抵抗しながら言う。私はそんな2人を、見つめながら思った。本当に、この2人は・・・よく似ていると―。
****
その後はテアとキャロルの2人から交互に話を聞いた。キャロルは高校卒業後も私とヘンリーが同じ大学へ進学することを知り、ここにやってきたこと。そして私からヘンリーを引きはがすために・・ヘンリーの好みのタイプの女性を分析し・・・自分に興味を向けさせ、私にヘンリーを諦めさせようとしたこと・・。さらにその間、カルロスはカジノについて調べ上げ・・・不正な事をしている事実を父と2人で暴き・・警察に通報した事・・全てを話してくれた。
「本当に・・・2人には何てお礼を言ったらいいか分からないわ。ありがとう、キャロル・・・そしてカルロス。」
するとキャロルは言った。
「ねえ、テア・・私の事・・好きよね?」
「え?ええ・・・もちろん大好きよ?」
一体キャロルは何を今更言い出すのだろう?
「本当っ?!それなら・・・。」
途端に笑顔になるキャロル。するとカルロスが言った。
「駄目だよ、キャロル・・諦めるんだ。テアは・・キャロルの事は親友の『好き』という目でしか見ていないんだよ。大体・・・そうでなければ異性であるヘンリーを好きになるはずはないだろう?」
「う・・・そ、そんな・・・。」
キャロルは涙目で私を見つめた―。
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