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レベッカ一行の世界漫遊の旅 5 (母との再会 8)
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もう私が彼らをどう料理?するかは決まっている。
幸い彼らはドラゴンに変身したミラージュを恐れてか、その場から動こうとはしない。
最も奇妙な格好で静止しているお父様やアレックス王子を除いてだが。
「皆さん、よくも今まで私を蔑ろにした挙句‥‥ここまで追いかけてきましたね?」
私はぐるりとお父様達やアレックス王子達を見渡した。
「ああ、当然だ。何しろお前は私の一番可愛い娘なのだからな。さぁ、おいで。レイラにレベッカ」
図々しいことにお父様は私だけではなく、お母様にまで声を掛ける。
けれど、お母様にはもはや侮蔑の表情しか浮かんではいなかった。
「俺だってそうだ!お前を探し求めてどれだけ苦難の旅をしてきたか分かるか?!身体を鍛え、禁欲生活をしてきたのも…レベッカ!これからの人生をお前に一生捧げてと共に生きると決めたからだ!愛しているぞーっ!!」
あろことかアレックス王子は奇妙な格好で私への愛を絶叫した!
ゾワゾワゾワッ!
その言葉で私の全身に鳥肌が立つ。
「いい加減にしてくださいっ!アレックス王子っ!今の言葉で…全身にと、鳥肌が立ってしまったじゃないですかっ!」
するとそこへサミュエル王子が現れた。
「まぁ!!サミュエル王子っ!会いたかったですわっ!」
リーゼロッテは今、サミュエル王に気付いたのか、妖艶な笑みを浮かべると駆け寄ってきたが…そうはさせない。
「止まりなさいっ!」
今度はリーゼロッテに命じた。
「うっ!」
同じくリーゼロッテもスカートの裾をたくし上げて走っている格好で止まってしまう。
サミュエル王子はリーゼロッテに目もくれず、アレックス王子に視線を移した。
「アレックス。生憎だが、俺とレベッカは愛し合っている。もうお前の出る幕は無い」
そしてサミュエル王子は私の肩を力強く抱きしめて来た。
「サミュエル王子…」
ドキドキしながらサミュエル王子を見つめる。
「レベッカ」
そんな私を優しい目で見つめて笑みを浮かべるサミュエル王子。
「「「「な、何だってっ?!」」」」
驚愕の表情を浮かべるのは4人。
キング一族にお父様だ。
「お2人とも、すっかり恋人同士みたいですね」
「ええ、娘には幸せになって貰いたいわ」
<レベッカ様。おめでとうございます>
「うん、僕からもおめでとうを言わせ手貰おう」
一方、私の愉快な仲間たちは祝福してくれている。
「ふ、ふざけるなっ!サミュエルッ!レベッカは俺の妻だぞっ!」
未だにアレックス王子はふざけたことを抜かしている。またしてもその言葉に鳥肌が立ってしまった。
「黙ってくださいっ!戯言を聞くのはもう、うんざりですっ!」
「ひべぶっ!」
私の叫びにアレックス王子の口が無理やり閉じられる。
「何よ!生意気なレベッカね!」
「そうよ!レベッカのくせに!」
「あんたなんか監禁してやるっ!」
大きな声で騒ぐお姉さまたちにもうんざりだ。
「うるさいっ!おだまりなさいっ!」
私はうるさい彼らを一喝して、黙らせた――。
幸い彼らはドラゴンに変身したミラージュを恐れてか、その場から動こうとはしない。
最も奇妙な格好で静止しているお父様やアレックス王子を除いてだが。
「皆さん、よくも今まで私を蔑ろにした挙句‥‥ここまで追いかけてきましたね?」
私はぐるりとお父様達やアレックス王子達を見渡した。
「ああ、当然だ。何しろお前は私の一番可愛い娘なのだからな。さぁ、おいで。レイラにレベッカ」
図々しいことにお父様は私だけではなく、お母様にまで声を掛ける。
けれど、お母様にはもはや侮蔑の表情しか浮かんではいなかった。
「俺だってそうだ!お前を探し求めてどれだけ苦難の旅をしてきたか分かるか?!身体を鍛え、禁欲生活をしてきたのも…レベッカ!これからの人生をお前に一生捧げてと共に生きると決めたからだ!愛しているぞーっ!!」
あろことかアレックス王子は奇妙な格好で私への愛を絶叫した!
ゾワゾワゾワッ!
その言葉で私の全身に鳥肌が立つ。
「いい加減にしてくださいっ!アレックス王子っ!今の言葉で…全身にと、鳥肌が立ってしまったじゃないですかっ!」
するとそこへサミュエル王子が現れた。
「まぁ!!サミュエル王子っ!会いたかったですわっ!」
リーゼロッテは今、サミュエル王に気付いたのか、妖艶な笑みを浮かべると駆け寄ってきたが…そうはさせない。
「止まりなさいっ!」
今度はリーゼロッテに命じた。
「うっ!」
同じくリーゼロッテもスカートの裾をたくし上げて走っている格好で止まってしまう。
サミュエル王子はリーゼロッテに目もくれず、アレックス王子に視線を移した。
「アレックス。生憎だが、俺とレベッカは愛し合っている。もうお前の出る幕は無い」
そしてサミュエル王子は私の肩を力強く抱きしめて来た。
「サミュエル王子…」
ドキドキしながらサミュエル王子を見つめる。
「レベッカ」
そんな私を優しい目で見つめて笑みを浮かべるサミュエル王子。
「「「「な、何だってっ?!」」」」
驚愕の表情を浮かべるのは4人。
キング一族にお父様だ。
「お2人とも、すっかり恋人同士みたいですね」
「ええ、娘には幸せになって貰いたいわ」
<レベッカ様。おめでとうございます>
「うん、僕からもおめでとうを言わせ手貰おう」
一方、私の愉快な仲間たちは祝福してくれている。
「ふ、ふざけるなっ!サミュエルッ!レベッカは俺の妻だぞっ!」
未だにアレックス王子はふざけたことを抜かしている。またしてもその言葉に鳥肌が立ってしまった。
「黙ってくださいっ!戯言を聞くのはもう、うんざりですっ!」
「ひべぶっ!」
私の叫びにアレックス王子の口が無理やり閉じられる。
「何よ!生意気なレベッカね!」
「そうよ!レベッカのくせに!」
「あんたなんか監禁してやるっ!」
大きな声で騒ぐお姉さまたちにもうんざりだ。
「うるさいっ!おだまりなさいっ!」
私はうるさい彼らを一喝して、黙らせた――。
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