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レベッカ一行の世界漫遊の旅 5 (母との再会 7)
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「皆さん…よくもまぁ、全員勢揃いしたものですね?」
私が声を張り上げると、全員の視線が集中する。
「レベッカ!お前に会いたかったぞ!」
真っ先に私に駆け寄ろうとしたのは、マッチョマンになってしまったアレックス王子だった。
「止まりなさいっ!」
私が叫ぶと、アレックス王子は右手を振り上げ、左足を振り上げた気味悪い格好で止まった。
どうやら駆け出している格好で静止してしまったようだ。
「ぷっ!」
その恰好に吹き出すのは…あ、思い出した。アレックス王子の愛人だったリーゼロッテだ。
「アレックスや?お前…一体何という奇怪な格好で止まっているのだ?」
尋ねるのは変態国王。
「いいや、違うよ。あれこそレベッカの力の全てだよ」
教えているのはランス王子。
いえ、別にこれが私の力のすべてじゃないから。
「フハハハっ!!そうだ‥‥久しぶりのこの感覚…これだっ!この力だ!流石は我妻だっ!」
プチッ
我妻…その言葉に切れてしまった。
「だから、私はもうアレックス王子の妻じゃありませんっ!」
ピシャーンッ!!
アレックス王子の足元すれすれに雷を落としてやった。
「キャアッ!!何、今の力は?!」
「あの子、あんな力があったの?!」
「信じられないっ!」
私の力を見てキャアキャア騒ぐのは3人のお姉さまたちだ。
「レベッカよっ!私の可愛い娘!やはりお前は母親の血を強く受け継いでおったのだな?!さぁ!父の胸に飛び込んでおいでっ!」
すると…。
「いい加減にして下さいませんか?」
今まで黙っていたお母様が前に出て来た。
「あ…お、お前は‥‥」
お父様はようやくお母様の存在に気付いたのか、指さした。
「お久しぶりですね?陛下。…随分お変わりになられたようですが」
そこにいる全員がお父様とお母様の話に集中している。
「レイラ!やっとお前に会えた!もうお前を蔑ろにはしない!家族皆で一緒に暮らそう!」
そして駆け寄って来ようとするお父様にお母様が命じた。
「止まりなさいっ!」
するとお父様もアレックス王子の隣で奇妙な格好で止まる。
「レベッカッ!あんたがどんな力を使ったか知らないけど…あんたを一生監禁してやるわっ!」
ジョセフィーヌお姉さまが駆け寄って来ようとした時、ミラージュが声を上げた。
「レベッカ様には指一本触れさせませんわっ!」
そして一瞬でミラージュはドラゴンへ姿を変えた。
「や、やはりだっ!ミラージュよっ!お前はドラゴンだったのだなっ?!」
気持ちの悪い格好で静止したままのお父様に歓喜の表情が浮かぶ。
「何っ?!ドラゴンだったのかっ?!道理でただ者ではないと思った!!」
ただ事では無い格好で静止しているアレックス王子が叫んだ。
「レベッカ様、これからどうされるのですか?」
ナージャさんが尋ねてくる。
「そうだよ、レベッカ。君が決めるんだ」
サミュエル王子が私の肩を抱き寄せた。
勿論、私は…彼らをどう扱うか既に心に決めていた――。
私が声を張り上げると、全員の視線が集中する。
「レベッカ!お前に会いたかったぞ!」
真っ先に私に駆け寄ろうとしたのは、マッチョマンになってしまったアレックス王子だった。
「止まりなさいっ!」
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どうやら駆け出している格好で静止してしまったようだ。
「ぷっ!」
その恰好に吹き出すのは…あ、思い出した。アレックス王子の愛人だったリーゼロッテだ。
「アレックスや?お前…一体何という奇怪な格好で止まっているのだ?」
尋ねるのは変態国王。
「いいや、違うよ。あれこそレベッカの力の全てだよ」
教えているのはランス王子。
いえ、別にこれが私の力のすべてじゃないから。
「フハハハっ!!そうだ‥‥久しぶりのこの感覚…これだっ!この力だ!流石は我妻だっ!」
プチッ
我妻…その言葉に切れてしまった。
「だから、私はもうアレックス王子の妻じゃありませんっ!」
ピシャーンッ!!
アレックス王子の足元すれすれに雷を落としてやった。
「キャアッ!!何、今の力は?!」
「あの子、あんな力があったの?!」
「信じられないっ!」
私の力を見てキャアキャア騒ぐのは3人のお姉さまたちだ。
「レベッカよっ!私の可愛い娘!やはりお前は母親の血を強く受け継いでおったのだな?!さぁ!父の胸に飛び込んでおいでっ!」
すると…。
「いい加減にして下さいませんか?」
今まで黙っていたお母様が前に出て来た。
「あ…お、お前は‥‥」
お父様はようやくお母様の存在に気付いたのか、指さした。
「お久しぶりですね?陛下。…随分お変わりになられたようですが」
そこにいる全員がお父様とお母様の話に集中している。
「レイラ!やっとお前に会えた!もうお前を蔑ろにはしない!家族皆で一緒に暮らそう!」
そして駆け寄って来ようとするお父様にお母様が命じた。
「止まりなさいっ!」
するとお父様もアレックス王子の隣で奇妙な格好で止まる。
「レベッカッ!あんたがどんな力を使ったか知らないけど…あんたを一生監禁してやるわっ!」
ジョセフィーヌお姉さまが駆け寄って来ようとした時、ミラージュが声を上げた。
「レベッカ様には指一本触れさせませんわっ!」
そして一瞬でミラージュはドラゴンへ姿を変えた。
「や、やはりだっ!ミラージュよっ!お前はドラゴンだったのだなっ?!」
気持ちの悪い格好で静止したままのお父様に歓喜の表情が浮かぶ。
「何っ?!ドラゴンだったのかっ?!道理でただ者ではないと思った!!」
ただ事では無い格好で静止しているアレックス王子が叫んだ。
「レベッカ様、これからどうされるのですか?」
ナージャさんが尋ねてくる。
「そうだよ、レベッカ。君が決めるんだ」
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