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レベッカ一行の世界漫遊の旅 5 (ついに…再会?! 15 )
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「や、やっと…やっと…陸に降りられましたわ…」
「ああ…やっとだな…。死ぬかと思った…」
「……」
『ハルシオン』に着岸した船から船員たちによって運び出された愉快な3人の仲間達は完全に砂浜の木陰でぶっ倒れていた。
息も絶え絶えにミラージュとサミュエル王子は会話している者の、セネカさんに至ってはもう完全に伸びている。
う~ん…恐らくあの3人、半日は使い物にならないかもしれない。
そこで私は3人に近付くと声を掛けた。
「皆さん、私達は島を一周してくるのでここで休んでいてください」
するとサミュエル王子が情けない声を上げた。
「ええっ?!レ、レベッカ…も、もしや船酔いで使い物にならなくなった俺たちを…ここで捨てる気なのかい…?」
「そ、そうなのですか…?」
何故かミラージュまで青ざめた顔で尋ねてくる。
「何を言ってるの。私がミラージュを捨てるはずないでしょう?どんな時も私たちは一緒よ」
笑みを浮かべてミラージュに返事をすると、何故かミラージュだけではなくサミュエル王子までもが喜んだ。
「良かったです…レベッカ様に捨てられなくて…」
「ああ…本当だ…。ずっと一緒だぞ…レベッカ…」
何故だろう?サミュエル王子にそのような台詞を言われると…意味深に取れてしまうのは?
「は、はぁ‥‥では行ってきますね。」
そして私は木陰に3人を残すとナージャさん達が待つ船へと向かった。
ちなみに、あの場では一切返事は無かったけれどもセネカさんが一緒にいたのは言うまでもない。
ただ、あまりにも船酔いが酷くてセネカさんは返事すら出来ない状態だったのである。
**
船に戻ると、ロミオとレティオを連れたナージャさんが待っていてくれた。
「お待たせしました」
「あ、レベッカ様。どうでしたか?皆さんの様子は」
「ええ、あの3人は駄目ですね。当分動けなさそうです」
「なるほど…ではどうしましょうか?」
「そうですね。とりあえずロミオとレティオはこの砂浜で自由に遊ばせておきましょう。私達だけで出発しましょう」
「ええ、そうですね」
頷くナージャさん。
「あの、ところで…」
「はい、何でしょう?」
「船長さんたちは何処へ行ったのでしょう?」
「ええ、それが余程この島に上陸出来たのが嬉しかったのか、皆さん雄たけびを上げて、大喜びで島の奥へ走って行ってしまいました」
「そ、そうですか…」
雄たけびを上げてって…子供みたいな人たちだなぁ…。
「でも、島の中心で何やら神秘的な力のようなものを感じます。私達も行ってみませんか?」
「さすがはナージャさんですね。実は私もこの島にとんでもない何かを感じるんです」
「ええ。では一緒に行きましょう!」
そして私とナージャさんは島の奥に見える広大な森目指して歩き始めた――。
「ああ…やっとだな…。死ぬかと思った…」
「……」
『ハルシオン』に着岸した船から船員たちによって運び出された愉快な3人の仲間達は完全に砂浜の木陰でぶっ倒れていた。
息も絶え絶えにミラージュとサミュエル王子は会話している者の、セネカさんに至ってはもう完全に伸びている。
う~ん…恐らくあの3人、半日は使い物にならないかもしれない。
そこで私は3人に近付くと声を掛けた。
「皆さん、私達は島を一周してくるのでここで休んでいてください」
するとサミュエル王子が情けない声を上げた。
「ええっ?!レ、レベッカ…も、もしや船酔いで使い物にならなくなった俺たちを…ここで捨てる気なのかい…?」
「そ、そうなのですか…?」
何故かミラージュまで青ざめた顔で尋ねてくる。
「何を言ってるの。私がミラージュを捨てるはずないでしょう?どんな時も私たちは一緒よ」
笑みを浮かべてミラージュに返事をすると、何故かミラージュだけではなくサミュエル王子までもが喜んだ。
「良かったです…レベッカ様に捨てられなくて…」
「ああ…本当だ…。ずっと一緒だぞ…レベッカ…」
何故だろう?サミュエル王子にそのような台詞を言われると…意味深に取れてしまうのは?
「は、はぁ‥‥では行ってきますね。」
そして私は木陰に3人を残すとナージャさん達が待つ船へと向かった。
ちなみに、あの場では一切返事は無かったけれどもセネカさんが一緒にいたのは言うまでもない。
ただ、あまりにも船酔いが酷くてセネカさんは返事すら出来ない状態だったのである。
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「お待たせしました」
「あ、レベッカ様。どうでしたか?皆さんの様子は」
「ええ、あの3人は駄目ですね。当分動けなさそうです」
「なるほど…ではどうしましょうか?」
「そうですね。とりあえずロミオとレティオはこの砂浜で自由に遊ばせておきましょう。私達だけで出発しましょう」
「ええ、そうですね」
頷くナージャさん。
「あの、ところで…」
「はい、何でしょう?」
「船長さんたちは何処へ行ったのでしょう?」
「ええ、それが余程この島に上陸出来たのが嬉しかったのか、皆さん雄たけびを上げて、大喜びで島の奥へ走って行ってしまいました」
「そ、そうですか…」
雄たけびを上げてって…子供みたいな人たちだなぁ…。
「でも、島の中心で何やら神秘的な力のようなものを感じます。私達も行ってみませんか?」
「さすがはナージャさんですね。実は私もこの島にとんでもない何かを感じるんです」
「ええ。では一緒に行きましょう!」
そして私とナージャさんは島の奥に見える広大な森目指して歩き始めた――。
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