168 / 194
レベッカ一行の世界漫遊の旅 5 (ついに…再会?! 6 )
しおりを挟む
「な、何っ?!ほ、本当かっ?!本当に彼を好きにしていいのか?!良し!分かった!なら、この船をお前たちに貸し出してやろう!」
すると、男色家船長は目の色を変えて、即答してきた。
半ば私冗談のつもりで言ったのに、どうやらこの男色家船長は私の言葉を本気で捉えたらしい。
そして当の本人であるセネカさんは、自分が船長から怪しげな視線で見つめられていることに全く気付いていないのか、頷いた。
「ああ、いいだろう。他ならぬ可愛い私の娘が主と慕ってやまない御方がそのように言うのであれば私は素直に従うことにしよう」
「「「えっ?!」」」
私とナージャさん、そしてサミュエル王子は驚きの声を同時に上げてしまった。
う、嘘でしょうっ?!
本当にセネカさんは…この船を動かしてもらう為に、あの男色家船長にその身を捧げるつもりなのだろうか?!
私はその時の場面を頭に思い浮かべ…想像力の限界を超えたので考えを放棄してしまった。
一方のサミュエル王子も色々妄想?してしまったのか妙な表情を顔に浮かべているし、ナージャさんに至っては「どちらが責めでどちらが受けかしら…」等、妙な台詞をブツブツと呟いている。
一方、全く気付いていなのがミラージュとセネカさんである。
「流石はお父様ですわ。レベッカ様の言うことを素直に聞いてくださるなんて。一生懸命奉仕してくださいね」
「ああ、分かってるって。誠心誠意、尽くさせてもらうよ」
2人はニコニコしながら話しているが…会話の内容を聞いてみると、ひょっとすると船長が何を考えているのか…理解?しているようにも聞こえる。
「よぅしっ!これから船旅に向けて色々準備があるだろう?明日の朝、8時に出港出来るように、あんた達は港で買い物をすませてきたほうがいいだろう?あ、ついでに買い出しに行ってきてくれるか?」
船長は紙とペンを机の引き出しから取り出すと、サラサラと文字を書き始めた。そんな男色家船長に私は声を掛けた。
「あの~…」
「何だ?」
「私達以外に、ついでに馬を2頭乗せて頂けないでしょうか?」
「馬だと?」
船長は顔を上げた。
「はい、そうです。とってもお利口な馬で私の言うことなら何でも聞いてくれるんです」
だから乗せて下さいっ!
私は必死に目で訴えた。
「う~ん…仕方ないなぁ…。分かったよ、乗せてやろう。それじゃ買い物を頼む」
船長は書き上げたメモを渡してきた。
「はい!それでは行ってきます!皆、行きましょう?」
私は背後にいる仲間たちを振り返った。
「はい、参りましょう。レベッカ様」
「そうですね。行きましょう」
「重い荷物は俺に任せてくれ」
「では、行くか」
そして私を先頭に部屋を出ていこうとした時…。
「あ、ちょっとまってくれ。黒髪の兄さん」
男色家船長がセネカさんを呼び止めた。
「あんたは…残ってくれ」
船長の目が怪しく?光る。
「ああ、いいだろう。それじゃ、4人で買い物に行ってきてくれ」
セネカさんは笑顔で私達に声を掛ける。
「「「はい…」」」
私、ナージャさん、サミュエル王子は声を揃えて返事をする。
「ではお父様、行ってまいりますわね」
何も知らないミラージュだけが朗らかに返事をする。
「で、では買い物に行ってきますっ!皆行きましょう!」
「そうだな!行こう!」
「ええ、行きましょう!」
私達が逃げるように船室を後にしたのは言うまでも無かった。
ごめんなさい、セネカさん。
お母様を探しに行く為に…どうか、犠牲になって下さいっ!
私は心の中で謝罪した―。
すると、男色家船長は目の色を変えて、即答してきた。
半ば私冗談のつもりで言ったのに、どうやらこの男色家船長は私の言葉を本気で捉えたらしい。
そして当の本人であるセネカさんは、自分が船長から怪しげな視線で見つめられていることに全く気付いていないのか、頷いた。
「ああ、いいだろう。他ならぬ可愛い私の娘が主と慕ってやまない御方がそのように言うのであれば私は素直に従うことにしよう」
「「「えっ?!」」」
私とナージャさん、そしてサミュエル王子は驚きの声を同時に上げてしまった。
う、嘘でしょうっ?!
本当にセネカさんは…この船を動かしてもらう為に、あの男色家船長にその身を捧げるつもりなのだろうか?!
私はその時の場面を頭に思い浮かべ…想像力の限界を超えたので考えを放棄してしまった。
一方のサミュエル王子も色々妄想?してしまったのか妙な表情を顔に浮かべているし、ナージャさんに至っては「どちらが責めでどちらが受けかしら…」等、妙な台詞をブツブツと呟いている。
一方、全く気付いていなのがミラージュとセネカさんである。
「流石はお父様ですわ。レベッカ様の言うことを素直に聞いてくださるなんて。一生懸命奉仕してくださいね」
「ああ、分かってるって。誠心誠意、尽くさせてもらうよ」
2人はニコニコしながら話しているが…会話の内容を聞いてみると、ひょっとすると船長が何を考えているのか…理解?しているようにも聞こえる。
「よぅしっ!これから船旅に向けて色々準備があるだろう?明日の朝、8時に出港出来るように、あんた達は港で買い物をすませてきたほうがいいだろう?あ、ついでに買い出しに行ってきてくれるか?」
船長は紙とペンを机の引き出しから取り出すと、サラサラと文字を書き始めた。そんな男色家船長に私は声を掛けた。
「あの~…」
「何だ?」
「私達以外に、ついでに馬を2頭乗せて頂けないでしょうか?」
「馬だと?」
船長は顔を上げた。
「はい、そうです。とってもお利口な馬で私の言うことなら何でも聞いてくれるんです」
だから乗せて下さいっ!
私は必死に目で訴えた。
「う~ん…仕方ないなぁ…。分かったよ、乗せてやろう。それじゃ買い物を頼む」
船長は書き上げたメモを渡してきた。
「はい!それでは行ってきます!皆、行きましょう?」
私は背後にいる仲間たちを振り返った。
「はい、参りましょう。レベッカ様」
「そうですね。行きましょう」
「重い荷物は俺に任せてくれ」
「では、行くか」
そして私を先頭に部屋を出ていこうとした時…。
「あ、ちょっとまってくれ。黒髪の兄さん」
男色家船長がセネカさんを呼び止めた。
「あんたは…残ってくれ」
船長の目が怪しく?光る。
「ああ、いいだろう。それじゃ、4人で買い物に行ってきてくれ」
セネカさんは笑顔で私達に声を掛ける。
「「「はい…」」」
私、ナージャさん、サミュエル王子は声を揃えて返事をする。
「ではお父様、行ってまいりますわね」
何も知らないミラージュだけが朗らかに返事をする。
「で、では買い物に行ってきますっ!皆行きましょう!」
「そうだな!行こう!」
「ええ、行きましょう!」
私達が逃げるように船室を後にしたのは言うまでも無かった。
ごめんなさい、セネカさん。
お母様を探しに行く為に…どうか、犠牲になって下さいっ!
私は心の中で謝罪した―。
0
お気に入りに追加
325
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
乙女ゲームの正しい進め方
みおな
恋愛
乙女ゲームの世界に転生しました。
目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。
私はこの乙女ゲームが大好きでした。
心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。
だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。
彼らには幸せになってもらいたいですから。

【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

結婚30年、契約満了したので離婚しませんか?
おもちのかたまり
恋愛
恋愛・小説 11位になりました!
皆様ありがとうございます。
「私、旦那様とお付き合いも甘いやり取りもしたことが無いから…ごめんなさい、ちょっと他人事なのかも。もちろん、貴方達の事は心から愛しているし、命より大事よ。」
眉根を下げて笑う母様に、一発じゃあ足りないなこれは。と確信した。幸い僕も姉さん達も祝福持ちだ。父様のような力極振りではないけれど、三対一なら勝ち目はある。
「じゃあ母様は、父様が嫌で離婚するわけではないんですか?」
ケーキを幸せそうに頬張っている母様は、僕の言葉にきょとん。と目を見開いて。…もしかすると、母様にとって父様は、関心を向ける程の相手ではないのかもしれない。嫌な予感に、今日一番の寒気がする。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
20年前に攻略対象だった父親と、悪役令嬢の取り巻きだった母親の現在のお話。
ハッピーエンド・バットエンド・メリーバットエンド・女性軽視・女性蔑視
上記に当てはまりますので、苦手な方、ご不快に感じる方はお気を付けください。

お飾り王妃の愛と献身
石河 翠
恋愛
エスターは、お飾りの王妃だ。初夜どころか結婚式もない、王国存続の生贄のような結婚は、父親である宰相によって調えられた。国王は身分の低い平民に溺れ、公務を放棄している。
けれどエスターは白い結婚を隠しもせずに、王の代わりに執務を続けている。彼女にとって大切なものは国であり、夫の愛情など必要としていなかったのだ。
ところがある日、暗愚だが無害だった国王の独断により、隣国への侵攻が始まる。それをきっかけに国内では革命が起き……。
国のために恋を捨て、人生を捧げてきたヒロインと、王妃を密かに愛し、彼女を手に入れるために国を変えることを決意した一途なヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は他サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:24963620)をお借りしております。

完結 愛のない結婚ですが、何も問題ありません旦那様!
音爽(ネソウ)
恋愛
「私と契約しないか」そう言われた幼い貧乏令嬢14歳は頷く他なかった。
愛人を秘匿してきた公爵は世間を欺くための結婚だと言う、白い結婚を望むのならばそれも由と言われた。
「優遇された契約婚になにを躊躇うことがあるでしょう」令嬢は快く承諾したのである。
ところがいざ結婚してみると令嬢は勤勉で朗らかに笑い、たちまち屋敷の者たちを魅了してしまう。
「奥様はとても素晴らしい、誰彼隔てなく優しくして下さる」
従者たちの噂を耳にした公爵は奥方に興味を持ち始め……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる